宅建・史上初の小学生合格者の父による宅建合格ブログ

史上初の小学生合格者(当時12歳/小6)の父による宅建合格ブログです。これから宅建試験にチャレンジする方々に、最短距離で合格を勝ち取るためのノウハウを提供します。勝利の方程式&95%理論の提唱者!!

7つのメッセージ(2022秋)

宅建受験生へのメッセージともいえるこれらのシリーズも、今年はこれで最後となる。

どのツイートも、単なる思い付きでしたためたものではない。

私自身の経験と息子に携わったきた経験、そして3年半にわたってTwitterの宅建受験生らと関わってきた「3つの経験」から導き出したものだ。

すべてのメッセージが心に響かなくても、どれか一つでも頭の片隅に入れておいてもらえれば、と願っている。

 

【その一】

宅建試験は、難問が解けるか解けないかで合否が決まるわけではありません。

過半数の受験生が正解するような基本問題をいかに取りこぼさないかが重要です。

過去問でいえば、A〜Cランクのうち、A,Bランクの問題を100%マスターする!

難問ではなく、基礎を徹底できた人が合格するんですよ✨

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1558337931987025920?t=nlRw0xa7ihlipGAazJLdng&s=19

 

【その二】

基礎を徹底させると、本試験でもこれは易問なのか難問なのかの区別が付くようになります。

一番まずいのは、両者がごっちゃになってしまうことです。

その判別ができないから、普段なら解けるはずの易問を落としたりするんです。

基礎が盤石ならばそういったことが激減します。

これが大きいんですよ☝️

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1558399615107727360?t=Ctf3quf2EeLcxPycQIv1jw&s=19

 

【その三】

SNSを見ていると、過去問を8割正解したらすぐに次の問題集に移りたがる人がいます。

私の感覚では、正答率80%なんてまだまだ深い霧の中を彷徨っているのと同じです。

どうして90→95%と詰めていかないんですか?

95%以上になって、ようやくこれまでとは違った別の視界が開けてくるんですよ💫

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1563501746512867329?t=Sb5SEg2B4KD5XEgav42KAw&s=19

 

【その四】

正答率95%も必要ない!

毎年、必ずいるんですよ、こういうこと言う受験生が、、

そして不合格になって現実を知ることになるんです。

95%で大丈夫??

合格する人のマインドは大抵こちらです。こういう目的意識の高い受験生は、95%どころか最終的な正答率を98%以上に持っていくことが多いです📈

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1565851689999282176?t=jE7ZYobgN1rTeVaRp_lIYg&s=19

 

【その五】

過去問だけでは合格できないから過去問は必要ない!

こう決め付けるのは危険です。

仮に、合格に必要な正解率が7割だとします。

過去問知識で6割しかとれなかった場合、残りの1割の対策を講じれば良いだけのこと。

もし過去問をまったく解かなかったら、最初の6割はどうやって埋め合わせしますか?

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1566227555270926336?t=NJhQu069To_PmR0vy2wnTA&s=19

 

【その六】

過去問の点数と模試の点数はまったくの別物なので、同列に考えてはいけません!

過去問45点→模試30点台後半

過去問40点→模試30点台前半

過去問35点→模試20点台後半

一概には言えませんが、過去問の点数−7点ないし−8点くらいが、模試や本試験の点数になることが多いです📊

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1567818170005876736?t=ujUU_qcRG-qDm6nlMbAWEQ&s=19

 

【その七】

例えばジグソーパズルをやっていて、まだ数ピース残っているのに「全体像が見えてきたからおしまい」とはならないはずです!

一問一答や四択過去問もそれと同じで、合格レベルにある人ほど理解できない問題をそのまま残しておくことを嫌います。

極力最後まで仕上げる〜詰める、とはそういうことです🎯

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1570372444602667008?t=5hgDNu7DHddvv-xr37b3iA&s=19

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宅建受験生への14のメッセージ(2022)

2022年の4月から8月までの間に、私がTwitter上でつぶやいたものの中から14ツイートをセレクトしてみた。

すべて今年の宅建受験生に向けたメッセージとなっている。

たとえ一つのメッセージでも、本試験までのモチベーション維持にお役立ていただければ幸いである。


【その一】

いろんな教材に手を出して、どれも中途半端というのが一番マズいです!
10冊の教材をそれぞれ60%消化して終わりにするくらいなら、1冊の過去問(又は一問一答)を完璧に仕上げてください。
つまり核となる1冊を作っておくということ📘
それが武器となり、やがて合格へと導いてくれるからです🌈✨

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1516763754205421570?t=S_viHOAnvPZFLFhj61-JoA&s=19

【その二】

以前にDMでこんな質問をされたことがあります。 

「テキストを全部覚えれば合格できるんじゃないですか」

つまりその人は、過去問をやらなくてもテキストをすべてマスターできれば合格できると思っていたようです。
でもテキストより過去問の方が、言いまわしを含めて断然難しいんですけどね😅

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1516795480789118978?t=wQs9dNS-AzYexyloL1eZ5g&s=19

【その三】

情報量100の分厚い教材を60%消化して終わりにするくらいなら、情報量60の教材を100%消化してください‼️
基本テキストでも過去問集でもその点は同じです👍
とにかく核となる教材を最低一冊作り上げておくこと📖
その一冊がやがて合格へと導いてくれるからです🎯

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1524309230408577024?t=h9e1o2NXEM4_zzyAcJ2t6Q&s=19

【その四】

宅建試験は、4つの肢すべてを知っていないと解けないわけではありません。
常識で切れる肢が1つくらいは含まれているため、他に知っている肢が2つあれば正解にたどり着けます。
2択にまでは絞れるんだが、、
これって実は惜しくもなんでもなく、知ってる肢が1つしかない場合がほとんどです!

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1534842587601080320?t=yryno1e_Dx-gvG9GvFvj6g&s=19

【その五】

漠然とテキストを読み、YouTubeで講義を視聴し、そして漠然と過去問を解く。
これだけでは、いつまで経っても合格は困難です。
どこかで意を決して「詰める」作業をしないと、、
そのためには目標を数値化してください。
過去問の正解率95%以上!
これが合格するための一つの目安となります✨

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1535541142577717248?t=Z1nHhRLLWiILo_4QMVvU9A&s=19

【その六】

今の時期、税や免除は後回しで良いので、3大分野の底上げを図ってください。
過去問の正解率95%以上!
ここ3年余り宅建受験生と関わってきましたが、95%を「ハードルが高い」と言っていた人の大半は合格しませんでした。
これが現実です。
残り4ヶ月、気を引き締めて頑張ってください✊

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1536309205724205057?t=zCdw0nPTGpXhihXxVKGV3A&s=19

【その七】

厳しい言い方かも知れませんが、資格試験は結果がすべてです。
勉強の進捗状況を、過去問の正解率や模試の得点等でこまめにチェックしていってください。
実力を可視化するんです!
それをしないまま本試験を受けても玉砕されるだけです💣

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1536918934435561472?t=2WQoLAjbAQD5UdpzlThuVQ&s=19

【その八】

本試験までに仕上げたといえる教材が1冊もない、、
これがいつまで経っても合格できない人の特徴です!
あれもこれもと手当たり次第に教材を買い込み、結果、どれも中途半端なまま本試験日を迎えてしまう。
10冊の教材を適当に流すくらいなら、1冊の教材を完璧にした方がはるかに合格に近付けますよ👍

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1537608592601542656?t=AN55iHrENCJGgCk3a3bu8A&s=19

【その九】

宅建試験に合格する人の大半は、本試験日を迎える前から自分が合格することが分かっています!
これまで積み上げてきた自信がそう思わせるんです。
のちに合格証書を受け取るための手続きの一環として本試験を受けに行く、そんな感覚です。
これから本試験日まで、しっかり積み上げていきましょう✊

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1540687413047349250?t=cA5fKeN-FVyoT5_c_ohJRQ&s=19

【その十】

宅建試験は「広く浅く」と言う人がいます。
確かに権利関係の一部を除いてそれほど深さは感じませんが、だからといって浅くもないです。
合格に必要なのは、広く浅くではなく「広く正確に」ではないでしょうか?
基本的な部分の正確な知識、これが何より大切だと思います🎯

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1540880198396428288?t=D9zJuows2f3u4BHIjVZ4rg&s=19

【その十一】

やる気が出ないので勉強が進まない・捗らない。
こんな受験生って意外に多い気がします。
厳しいこと言うようですが、そんな人はいつまで経っても合格できません。
やる気は自然に湧いてくるものではなく、自らの意思でたぐり寄せるもの!
受け身の気持ちでいる間は、合格など夢のまた夢です🍃

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1543500311746473985?t=HiH-5ig49k4ac4P2TbZebg&s=19

【その十二】

過去問は、インプットとアウトプットを併せ持った学習の中心となる教材であって、模試は今現在の進捗状況を確認するためのアウトプット教材です。
模試には新規の問題もいくつか含まれているため、年度別過去問の平均点×0.8くらいの点数になります。
模試の点数で落胆する人が多いのはそのためです。

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1550516212278624256?t=H2wgRZyMTtzOx4ZwCyYZjg&s=19

【その十三】

宅建受験生の皆さんは、これまで勉強してきた教材を徹底的にやり込んでください。
特に一問一答と四択過去問。
これらを95%以上正解できるようになれば合格できます!
これからの時期、模試以外の新しい教材に手を出してはダメ。
今、手元にある教材の精度を高めていくことが当面の課題です📈

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1551001341748985856?t=v-ESlcJBS2h2HMtLY_1fDQ&s=19

【その十四】

①自分が選挙で一票投じたところで形勢は変わらない
②一日くらい勉強しなくても合否に影響しない

この2つの思考パターンは非常に似ていると思います。

確かに、一日の勉強量では合否に影響しないかも知れない、、
それでも続けるんです!
休まずに学習を継続できる人が、結局は合格するんですよ✨

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1555111066543468544?t=fbdmVMNwVwEzSK60-KY4bg&s=19

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統計データのまとめ(2022)【免除】

──はじめに

宅建試験の5問免除の一つに「統計」があり、問48がそれに当たる。

直近11年間の出題項目と出題数は、

・地価公示(11回)
・建築着工統計(13回)
・土地白書(12回)
・法人企業統計(10回)
・国土交通白書(5回)

と概ね5つに集約される。

仮に、これら以外の項目が肢の一つに含まれていたとしても消去法で十分対処できるので心配はいらない。

また統計では、「上昇か下落か」「増加か減少か」又は「何年連続か」あたりが重要であって、細かなパーセンテージまで覚える必要はない。

そのことを知らないが為に、数字に翻弄されて統計自体を諦めてしまう受験生が多いのが残念だ。

これらの「統計データ」は、一般的な市販テキストには掲載されていないため、独学で勉強してきた受験生には大いに参考になるはずである。

赤文字(+青文字)の部分をしっかり押さえれば1点ゲットできるだろう。

なお、下記の❲R4-3公表❳というのは、令和4年3月公表という意味である。

──地価公示 ❲R4-3公表❳

ここでいう地価とは、土地の価格のこと。これが前年に比べて何%上昇しただの下落しただのを公示したものが「地価公示」である。

令和3年の地価変動は次のとおり。

【全国平均】

全国平均の地価変動率は2年ぶりに上昇に転じ、用途別では、

〈住宅地〉2年ぶりに上昇
〈商業地〉2年ぶりに上昇
〈工業地〉6年連続の上昇(上昇率も拡大)

となっている。

【三大都市平均】

三大都市平均の地価変動率は2年ぶりに上昇に転じ、用途別では、

〈住宅地〉2年ぶりに上昇
〈商業地〉2年ぶりに上昇
〈工業地〉8年連続の上昇(上昇率も拡大)

となっている。

【地方圏平均】

地方圏平均の用途別の地価変動率は、

〈住宅地〉2年ぶりに上昇
〈商業地〉2年ぶりに上昇
〈工業地〉5年連続の上昇(上昇率も拡大)

となっている。

──建築着工統計 ❲R4-1公表❳

建築着工統計には、年統計(1~12月)と年度統計(4~翌年3月)の2種類があるが、直近11年は「年統計」からしか出題されていないので、年統計だけを視野に入れておけばよい。

【新設住宅着工戸数】

令和3年の新設住宅着工戸数は、約85.65万戸で、5年ぶりの増加となった。利用関係別戸数の内訳は、

〈持家〉昨年の減少から再び増加
〈貸家〉4年ぶりの増加
〈分譲住宅〉昨年の減少から再び増加(マンションは2年連続の減少、一戸建ては昨年の減少から再び増加)

となっている。

【新設住宅着工床面積】

約70,666千㎡で、5年ぶりの増加となった。

──土地白書 ❲R4-6公表❳

令和3年の全国の「土地取引件数」(売買による土地の所有権移転登記の件数)は、全国で約133万件で、ほぼ横ばいで推移している。

日本の「国土面積」は約3,780万haで、森林が約2,503万ha、農地が約437万ha、住宅地、工業用地等の宅地は約197万haである。

──法人企業統計 ❲R3-9公表❳

令和2年度の不動産業の「売上高」は約44兆3,182億円で、全産業の売上高の約3.2%を占めているが、2年連続の減少となった。

同年度の不動産業の「経常利益」は、約5兆3,542億円で、3年ぶりの増加となった。

同年度の不動産業の「売上高経常利益率」は12.1%で、過去5年間はいずれも10%を超えている。

──国土交通白書 ❲最新データより❳

令和4年3月末現在の宅地建物取引業者数は、128,597業者で、8年連続の増加である(本試験問題が令和3年3月末現在とあれば7年連続の増加)。

統計データのまとめ(2022)【免除】|パパリン宅建士
#note 「穴埋め問題」あります↓
https://note.com/paparingtakken/n/nfbfcf9cd80d0





スケジュールと申込み方法(2022)

──宅建試験のスケジュール

令和4年度の宅建試験のスケジュール等については、6月3日に、不動産適正取引推進機構から官報公告が出た。

https://www.retio.or.jp/exam/

今年度も新型コロナウイルスの影響で、一部の地域で、10月と12月に試験日程が分かれることになりそうだ。

──申込書の配布場所(郵送申込み)

令和4年度の宅建試験の試験案内&申込書は、各都道府県の次の場所で入手することができる(無料)。

https://www.retio.or.jp/exam/haifusaki.html

試験案内&申込書の配布期間は、7月1日(金)から7月29日(金)まで

──申込み方法

【インターネット申込み】

令和4年7月1日(金) 9時30分から7月19日(火) 21時59分までにインターネットで申込む。

インターネット申込みは24時間利用可能だが、7月4日(月)の午前2時〜5時の間はメンテナンスのため申込みができないので注意が必要だ。

なお、7月19日(火)の最終日はアクセスが集中するため、なるべく早い日時に申込みは済ませておきたい。

パソコンでもスマートフォンでも申込みは可能で、試験案内に沿って必要事項を随時入力していく。

JPEG形式の顔写真を事前に用意しておくことも必要となる。

https://www.retio.or.jp/exam/siken_netinfo.html

インターネットの申込み画面は、7月1日(金)の午前9時30分に切り替わる。

自動更新はされないので、パソコンの場合「F5」を押すなどして改めて最新の画面を読み込むこと。

【郵送申込み】

申込書に必要事項を記入の上、令和4年7月1日(金)から7月29日(金)までに、郵便局の営業時間内に窓口から「簡易書留」で申込む。

https://www.retio.or.jp/exam/siken_postinfo.html

申込書に貼る顔写真は「パスポート申請用」サイズ (縦4.5㎝×横3.5㎝)なのでお間違えないように。800円の証明写真で大丈夫。

ただし、顔写真は令和4年4月1日以降に撮影したものに限り、頭頂から顎までの長さが3.2㎝以上3.6㎝以下となっているので注意。

──受験料と各種日程

【受験手数料】

8,200円 (消費税はかからないが、今年度から1,200円値上がりした)。

【受験票発送日】

〈10月試験〉令和4年9月27日(火)

〈12月試験〉令和4年11月18日(金)

【本試験日時】

〈10月試験〉令和4年10月16日(日) 13時~15時まで(登録講習修了者は13時10分~15時まで)

〈12月試験〉令和4年12月18日(日) 13時~15時まで(登録講習修了者は13時10分~15時まで)

12時30分から注意事項の説明が始まるので、それまでには指定の席に待機していること。試験中の途中退席は、原則として認められない。

【合格発表日】

〈10月試験〉令和4年11月22日(火)

〈12月試験〉令和5年1月30日(月)

午前9時半以降に、指定された場所の掲示板および不動産適正取引推進機構のホームページから「合格者の受験番号」を確認できる。

──令和4年度の「新型コロナウイルス感染症への対応」について

https://www.retio.or.jp/exam/takken_shiken.html#topic1

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LECの直前予想模試(2022)

──市販模試の注意点

今年もLECの『出る順宅建士 当たる!直前予想模試』が発売された。

私は自身のブログでも毎年オススメしているが、今年で4回目になる。

LECには「ゼロ円模試」や「ファイナル模試」のような定評あるオープン模試(会場模試)があるが、この市販模試も内容的には遜色ない。

「市販模試なんてどれも同じ」

という意見もあるが、私が実際に解いてみて感じたことは、

「市販模試には当たり外れがある」

ということだ。

出版社による出来の良し悪しや、高品質が売りの出版社でも、年によって出来不出来があったりする。

その見極めはほんと難しい。

宅建試験は、通常の年であれば過去問の焼き直しが6〜8割を占める。

だから模試も、焼き直し問題が30〜40問、新規の問題が10〜20問といった具合にバランスを考えて作られていなければならないはずだ。

ところが一部の模試で、このバランスを無視して作成されたものがある。

私や息子の健斗が受験生だった頃は、パーフェクト宅建の『直前予想模試』がくせものだった。

他の市販模試に比べて安価なため購入したという点もあるが、これほどバランスを無視して作られた直前予想模試も珍しかったと思う。

たぶん新規の問題だけで30問以上あったのではないだろうか?

いや、新規の問題というより、悪問、奇問の類いかも知れない。

私は最初にLECの予想模試を解いていたのだが、4回分の模試すべてが39〜44点だったのに対し、パーフェクトの方は第1回目が17点、第2回目が27点しかなかったのだ。

最初にLECを解いていたからまだ良かったが、下手したら本試験から撤退していたかも知れない。

いや、実際にこれが原因で本試験を諦めてしまった人もいると思う。

これまで積み上げてきたものが一気に崩れ落ちていく怖さ、、

直前予想模試にはそういう一面があることは知っておいてほしい。

昨年こそパーフェクトの直前予想模試の悪い噂は影を潜めたが、一応、注意はしておいた方がよいだろう。

近年でいえば、成美堂出版のものもパーフェクトと同じ傾向があった。

──オススメの3冊とは?

私や息子の健斗が、実際にいくつかの市販模試を解いてみた結果、及第点があげられそうなのは上記のLECの他、TAC、日建の3社だけである。

これら3社の『直前予想模試』は、どれも難易度が本試験に近く、他の市販模試に比べて問題の質も高い。

ただTACの2021年版に関しては、難しすぎるというAmazonのレビューがいくつか散見されたが、、

また、これらの市販模試は、過去問学習をある程度終えた後の8〜10月上旬までの間に解くのが望ましい。

──No.1の市販模試

そして、それら3社の中からあえてNo.1模試を選ぶとすれば、LECの直前予想模試にとどめを刺す!

LEC模試の最大の長所は、やはり問題の質の高さにある。

法改正も行き届いていて、統計問題の的中率も高い。統計は、ここ数年外したことがないのではないか?

通常の市販模試は3回分しか入っていないことが多いが、このLECには4回分の予想模試が用意されている(注:TACも4回分の模試がある)。

加えて2022年版は、全模試4回分の無料解説動画+令和3年度10月・12月試験の2回分の問題と解答解説が特典としてダウンロードできる。

巻頭の「袋とじ」企画として、今年の出題論点の大本命&大穴6選と題し、LEC専任講師の水野先生、友次先生、有山先生が各々1テーマずつ予想してくれている。

LECは、日本でも指折りの法律系の資格学校である。長年の合格実績と蓄積されたデータが、この直前予想模試にも活かされているのだろう。

値段もリーズナブルで、4回分の模試が税込1,760円で購入できるのだ。

過去問を中心に学習してきた受験生が、新規の問題に戸惑うことなく本試験に挑めるメリットもある。

1+1が、3にも4にもなるのだ!

毎年、1点差で不合格になる受験生が1万人前後いるのが宅建試験である。

今年、本気で合格を目指している受験生は、上記3冊の中から少なくとも1冊は購入して解いてほしい。

そして間違えた問題は、解説を読んでしっかり理解しておくこと。

一問一答を皮切りに、四択過去問→直前予想模試という順に仕上げていくのがベストであり、王道でもある。

学習の締めは、直前予想模試を用いて合格を確実なものにしてほしい。



宅建士 2択でチェック!(2022年版)

──はじめに

昨年に続き、宅建みやざき塾の宮嵜先生から『宅建士 2択でチェック!』(中央経済社)の2022年版をご恵贈いただいた。

この教材は、宅建の4択問題を解くときに最後の2択まで絞れたものの、そこから先が判らない。

いや判らないというよりは、間違いの肢の方を選択してしまう、、

そういう2択で迷ったときに、きちんと正解肢を選び出すためのトレーニング本という位置付けである。

指南書といっても過言ではない。

ある程度の過去問学習を終えた受験生が、最後の仕上げとして、あと何点かの点数の上乗せを図るために活用するのが効果的だと思う。

もちろん、本格的な過去問演習に入る前のウォーミングアップとして利用しても効果はありそうだ。

一説によると、宅建試験の平均点は合格基準点より6点ほど低いらしい。

昨年の合格ラインは34点だから、単純に考えれば、28点以上だった受験生がほぼ半数いることになる。

その中から合格者の人数分を差し引けば、28〜33点で不合格になった人はざっと7万人いる計算だ。

ものすごい数である!

この中から抜け出して合格をつかみ取るのは容易なことではない。

私は以前に、「合格点の一歩手前に大きな壁がある」と述べたことがあるが、そういう意味でもあったのだ。

あと少しだけ点数を上乗せできれば合格していたのに、、

そういった悔しい思いをしたくない受験生にとっては、非常に有意義で価値ある一冊となるはずだ。

それでは『宅建士 2択でチェック!』の特徴を順に見ていきたいと思う。

──特徴 その一

昨年版が全部で179ページだったのに対し、2022年版は若干ページ数が増えて186ページとなっている。

内容がより充実し、進化しているものと推測される。

表紙も、昨年版はオレンジを基調としたデザインだったが、2022年版は若草色の黄緑に一新された。

ページを開くと、昨年版と同様に、宮嵜先生の直筆サインが黒の油性マジックで書かれていた。

こういうのを見ると、いつも身が引き締まる思いがする。

続けてページを開いてみる。

そこには「はじめに」と題して本書のあらましが述べられており、最後に宅建みやざき塾のYouTubeを観るためのQRコードが添えられている。

さらに次ページの「本書の使い方」では、10時間(1テーマ10分前後×60テーマ)で大逆転!と称し、下記のような方にオススメとある。

また受験生の学力レベルに応じて、

・昨年の本試験や模試で20点〜30点の方
・昨年の本試験や模試で30点〜合格ボーダーラインの方

の2つのグループに分け、それぞれの学習の進め方が述べられている。

本書は全60テーマ(章)で成り立っているが、各テーマに2択問題が1つというわけではなく、複数問用意されている場合もある(計100問ほど)。

分野ごとのテーマ数は次のとおり。

✦権利関係 20テーマ
✦法令上の制限 10テーマ
✦税・価格評定 8テーマ
✦宅建業法 17テーマ
✦5問免除 5テーマ

さて、ここから先が本題となる。

──特徴 その二

各テーマに番号とタイトルがあるのはもちろん、そのテーマの重要度が分かるようにマークが付されている。

言うまでもなく、マークの数が多いほど重要度は高い。最低でも、マークが3つ以上のものはマスターした方がよいだろう。

そして本題の「2択でチェック!正しいのはどっち?」である。

こんな感じで2つの肢が並べられ、正しい方を選ぶ形式だ。

答は右下に記されている。

そして「ココが分かれ目!」と称して、この問題を解く上での着眼点が簡単にまとめられている(下段)。

この着眼点に気付けるかどうかが勝負の分かれ目で、その洞察力を養い、鍛えることを目的とした教材だ。

また本書には、すべての2択問題の後に詳しい解説が施されている点も特筆すべきだろう。

──特徴 その三

各テーマの2択問題の解説が詳しいことも利点だが、イラストや図、表などが、より頭の中をクリアにする役割を果たしてくれる。

例えばこんな感じに、、

農地法の3条、4条、5条の流れを図にしたものだが、この図があるだけで理解がはかどり、視覚の面からも記憶に残りやすい。

もう一つ挙げておく。

保証協会の「還付の流れ」をイラストと図で表したものだ。

この還付の流れは、こうやって図にしないとなかなか頭に残らない。

宅建みやざき塾の『合格テキスト』3冊にも、このようなイラストや図、表がふんだんに使用されているが、本書はそれを踏襲している。

合格テキストの「いいとこ取り」と言っても差し支えないだろう。

更にもう一つ。

こういった3つの媒介契約のまとめの表なども、イラストや図と並んで、記憶の助けになっている。

解説が詳しいだけの教材は多いが、イラストや図、表をふんだんに取り入れた方が圧倒的に記憶に残る。

それだけではなく、イラストや図、表を差し込むことで、冗長な活字を減らすことができる。

活字が減れば、日々の学習時間だって短縮できるに違いない。

あと「GORO合わせシリーズ」と題して、所々にショート動画のQRコードも差し込まれている。

YouTubeのショート動画なので、気楽に見られる点がよい。

──おわりに

本書はメインテキストではなく、合格ラインの一歩手前まではいくのだが、その先の壁が超えられない受験生向けの「サブテキスト」である。

網羅性が高いわけではないので、そのへんは気を付けてもらいたい。

毎年、1点や2点で泣く受験生が多いのが宅建試験の特徴といえる。

もがき苦しんでも越えられなかった壁、その壁を越えるためのツール。

そういうコンセプトで作られた『宅建士 2択でチェック!』なのだろう。

宅建受験生を合格に導くため、長年にわたって尽力されてきた大御所・宮嵜先生の渾身の一冊

本書をマスターすれば、最低でも今より2〜3点、うまくいけば5点以上の点数の上乗せが期待できる。

これを使わない手はない。



どこでも宅建士 とらの巻(2022)+555

──最新の法改正に対応

今年もLECの『どこでも宅建士 とらの巻』が5月下旬に発売された。

宅建試験は、毎年4月1日までに施行された法律に基づいて出題される。

ほとんどの宅建教材はそれ以前に発売されているため、最新の法改正に対応していないことが多い。

とらの巻は、4月1日より50日以上も後の発売となるため、宅建試験の出題範囲での法改正が万全なのだ。

メジャーな宅建テキストの中では唯一といっても良いだろう。

同じLECには、3分冊の『出る順宅建士 合格テキスト』もあるが、こちらは最新の法改正には未対応だ。

合格テキストは、3冊合わせて1,200ページを超え、通読向けというよりは調べるためのテキストだと思う。

その点とらの巻は、全体のページ数が約500ページしかない。

とりわけ本文は文章量が少なく通読向きだが、“とらの巻”と称した要点まとめ(232箇所ある)が思いの外詳しく、調べ用としても重宝する。

この“とらの巻”は、同じLECの『出る順宅建士 ウォーク問』全3冊とリンクしており、問題番号と肢番号が記載されている(下段)。

とらの巻を購入するのなら、セットでウォーク問❶〜❸も購入した方が良いし、両者を照らし合わせて勉強すれば効率的なのは間違いない。


──その他の特徴は?

息子の健斗が合格した年の翌年(2015年)から、とらの巻には「とらの子」と称した約30ページの小冊子が付属するようになった。

もちろん取り外しもできる。

簡易なまとめ本だが、薄いので本試験会場へ持参するのに便利だし、超基礎に見落としがないか最終チェックとして活用してもよい。

重要語句が薄めの赤で印刷されており、赤シートで隠して覚えられる仕様だ(赤シートは付属していない)。

価格も、他のメジャーな教材が3,000円前後するのに対し、とらの巻は税込み2,420円と良心的である。

終盤の追い込み期は、とらの巻とウォーク問❶〜❸に絞って仕上げていくのがベストだろう。

宅建の市販教材は数多くあるが、4月1日までの法改正に完全対応したメジャーなテキストを求めるのなら、とらの巻一択である。


──貴重な頻出論点集

LECの宅建教材としては比較的地味な存在だが、『逆解き式!最重要ポイント555』という書籍がある。

内容的には一問一答と大差なく、論点を赤文字にして浮かび上がらせているところが特徴といえる。

言い換えれば「論点集」である。

一問一答を使って勉強するときも、基本的には重要論点を理解し、頭に叩き込むことで実践力が鍛えられる。

TACやLECトリセツの一問一答など、収録問題数が少なめのものを使って勉強している受験生が、不安を感じて別の一問一答に手を出すくらいならこれを使ってほしい。

究極的には、頭の中にどれだけ多くの論点がストックできているかで合否が決まると思うからだ。

曖昧な論点ではなく、しっかりと地に足のついた揺るがない論点。

これが身に付く貴重な論点集だと私は思っている。

総ページ数は約290ページ

またこの本から読み上げ音声が無料でダウンロードでき、LECの有山講師が担当しているとのこと。

再生速度も1.5倍まで可能で、現代人のニーズにも対応できている。

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もし私が宅建受験生だったら(2022)

──第一段階に必要な教材

宅建の学習プランを第一段階と第二段階に分け、第一段階でどんな教材を使用するか迷っていたとしよう。

私のブログの読者ならばお分かりだと思うが、第二段階の教材は定番化しているので頭を悩ます必要がない。

2022年度の合格プラン
https://paparing-takkenshi.com/entry/2022/03/18/204529

問題なのは第一段階の教材だ。

当面必要となるのは、次の条件を兼ね備えた2冊である。

通読向きの基本テキスト
過去問の肢からなる一問一答集

このことを順に説明していきたい。

──基本テキストについて

第一段階は基礎固めが目的なので、あまり詳しいテキストは必要ない。

調べるためのテキストではなく、通読向きのテキストを選ぶ。

通読向きテキストとは、情報量は少なめだが、きちんとした読みやすい文章で成り立っているものをいう。

要点まとめのように簡潔にまとめられたタイプのものとは異なる。

サクサクと読み進むことができるので、初学者にありがちな、途中で挫折するリスクが少ない。

宅建試験に出題されそうなものを、A,B,Cにランク分けすると、この手のテキストはA,Bランクの情報で成り立っていることが多い。

実際、A,Bランクがカバーできていれば、合格ライン付近には届く。

Cランクの難しめの情報はほぼ掲載されておらず、基本的なことに絞られているのが特徴といえる。

それだけでは足りないのでは?

確かに、通読向けのテキストは情報量が少なめなので、過去問を解いて分からないところを調べようとしても載っていないことがある。

だから別途、詳しめのテキストを一冊用意しておくのだ。

通読向きのテキストと、調べるときに用いる活字の多いテキストの2種類を用意し、それぞれの用途に合った使い方をしていく。

メインテキストは、あくまでも通読向けの易しいタイプのものだ。

通読に適したテキストと、調べるのに適したテキストの代表的なものは次のブログ記事にまとめておいた。

初学&独学者の勉強法
https://paparing-takkenshi.com/entry/2022/04/10/155219

もう一つ大切なことがある。

教材を選別する上で、通読用テキストと一問一答を、同じ出版社の同じシリーズのものに統一することだ。

──一問一答集について

シリーズものだと各項目の配列も同じだし、両者を並行して読み進めていくことができる。

絶対に同じ出版社の同じシリーズで統一しなければならないわけではないが、同じシリーズの方が、時間のロスを回避できる点は大きい。

通読向きの代表的なテキストは概ね3冊あるが、シリーズに一問一答集があるのは、LECトリセツと『らくらく宅建塾』だけである。

らくらく宅建塾の一問一答『○✕宅建塾』は、収録問題数が少なく(約430問)、しかも2022年版が発売されていないため候補から外した。

となると、トリセツのみが上記の条件に当てはまることになる。

宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト(LEC/東京リーガルマインド)
宅建士 合格のトリセツ 頻出一問一答式 過去問題集(LEC/東京リーガルマインド)

LECには『一問一答○✕1000肢問題集』という一問一答集もあるが、こちらは過去問ではなくオリジナル問題の肢で構成されている。

過去問よりオリジナル問題の方が総じて易しく、加えて宅建は、過去問の焼き直し率が高い試験である。

そういう意味からしても、一問一答集は過去問の肢で構成されたものから選ぶことをオススメしたい。

トリセツの一問一答集は、すべて過去問の肢で成り立っており、収録問題数は全部で727肢だ。

しかも各設問の最後に、出題年度と問題番号・肢番号が記されている。

TACの『一問一答セレクト600』より収録問題数が多く、決して問題数が不足するわけではない。

むしろそれくらいの数の方が周回しやすく、挫折するリスクも少ない。

解説も詳しいに越したことはないが、あまり詳しすぎても、一問一答の長所であるサクサク進められるという利点が損なわれてしまう。

その点、トリセツの一問一答集は解説が冗長になりすぎず、要点が分かりやすくまとめられている。

右ページに「一行解説」があり、通常の解説はそのすぐ下に載っている。

市販の一問一答集(2022年版)の中で、この一行解説が付されているのはトリセツだけである。

TACの一問一答集にもそれに近いものはあるが、すべてに付されているわけではなく、二行解説や三行解説になっているものもある。

私は皆さんに、単に○✕を答えるだけに留まらず、この「一行解説」が瞬時に頭に浮かぶくらいまでやり込んでほしいと思っている。

もちろん、通常の解説もしっかり読んで理解した上での話だ。

この一行解説と、アプリ(6/1に開始)が付属されている点がトリセツ一問一答の最大の長所だろう。

一問一答は重要論点の宝庫である。

以前に私は、ブログ記事の中で「一説によると、宅建合格に必要な論点は、およそ500~1,000らしい」と述べたことがある。

トリセツの一問一答集は727肢!

まさに宅建合格に必要な数の論点が含まれた一問一答集だといえる。

タイトルにあるように「もし私が宅建受験生だったら」、この2冊を軸に勉強を進めていったことだろう。

あくまでも、私ならトリセツを選んでいたという話で、皆さんは自分と相性の良いものを選んでほしい。

息子の健斗は、日建の『どこでも学ぶシリーズ』と相性が良かった。

吉野塾の『出るとこシリーズ』が良いという人だっているだろう。

一問一答集に限っていえば、住宅新報出版の『パーフェクト宅建士 一問一答』も優れた教材である。

4月からの勉強がうまく軌道に乗らなかった人、これから宅建の勉強を始めようとしている独学者の方々は、慎重に教材選びをしてほしい。

教材の選択権は皆さんにある。実際に書店に足を運び、最低30分以上かけてじっくりと選んでもらいたい。

その選択次第で、今後の人生が変わるかも知れないのだから、、

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まず全体を俯瞰せよ®

──完璧主義者のデメリット

職人と呼ばれるような成功者は別にして、自称「完璧主義者」はプライドが高く歩みも遅い。

例えばテキストでも、最初からすべて覚えようと躍起になってしまう。

通常の宅建テキストは、500〜700ページほどある。常識的に考えて、それだけの分量を一周目から全部覚えられるわけがない。

そして大抵は、途中で諦めて投げ出すのが落ちだ。そこが完璧主義者の最大のデメリットかも知れない。

今では少なくなってきたが、昔はアルファベット順に並べられた市販の英単語帳が何点かあった。

英単語が得意な人は、アルファベットのどこから始まる単語を問われても、それなりに答えられたものだ。

だが完璧主義者は、aやbで始まる英単語にはやたら詳しいが、sで始まるものはからっきしダメだった。

そういうタイプの人は、宅建の権利関係でも、制限行為能力者にはめっぽう強いが、契約不適合責任や賃貸借あたりは苦手のままである。

また完璧主義者の問題点は、一度覚えたところを忘れていないかが気になり、先に進むことよりも前に戻って確かめることを優先する。

そんな三歩進んで三歩下がるような勉強の仕方では、一向に最後のページにたどり着くことができない。

──たがを外して前進する

私は以前に、「じっくり派とスピーディー派」というタイトルのブログ記事を書いたことがある。

じっくり派とスピーディー派®
https://paparing-takkenshi.com/entry/2020/02/20/215413

この記事に当てはめれば、完璧主義者はじっくり派に多く、スピーディー派にはほとんどいない印象だ。

私はじっくり派ではあったが、幸い完璧主義者ではなかった。

完璧主義者が一冊のテキストや過去問を終わらせるには、まず完璧主義というたがを外さなければならない。

そして後ろを振り返らずに、前だけを見て歩んでいくことだ。

この2点は特に意識してほしい。

一周目の理解が5割でも、次は7割、その次は8割というふうに少しずつ積み上げていくようにする。

つまり足し算。過去問の正解率は割り算だが、それは中盤以降の目標であって、最初のうちは積み上げ(回転数)を優先すべきである。

──武器を手に入れる

テキストを読んでいても、本文より脚注が気になる。これも完璧主義者にはありがちなことだ。

もちろん最終的には脚注も読んだ方が良いのだが、本文がきちんと押さえられていないのに脚注だけ覚えていても仕方がない。

まずは本文の内容をしっかり理解すること。それが先決である。

過去問でいえば、A〜Cランクの問題のうち、最初はAを、次いでBの問題を押さえるようにする。

A,Bランクが曖昧なうちは、Cランクの問題に手を出すべきではない。

つまり細かな枝や葉より、木の幹を重視するということ。

それが核となり武器になるからだ。

立派な建物を完成させても、基礎工事がいい加減だとやがて崩れ落ちる。

その基礎となる部分が、テキストでいえば本文、過去問でいえばA,Bランクの問題となるわけである。

──俯瞰の大切さ

たとえ浅くても、テキスト等を一通り終わらせることが重要である。

完璧主義者がテキストを3分の1で挫折した場合と、とりあえず一周して3分の1しか理解できなかった場合とでは、後者の方がずっとマシだ。

後者はさらに繰り返すことで理解度が増すが、前者はそこから先に進むことすら困難だからである。

そして何より、最後のページまで到達することで全体像が見えてくる。つまり俯瞰できるということだ。

これが大きい。全体を見渡せたことが自信へとつながり、その後の勉強にも拍車がかかる。

モチベーションだって高まる。

途中で投げ出していたら、この自信は絶対に生まれないし、モチベーションなんて論外である。

また全体像が見えたことで、今後の課題も自然と浮かび上がってくる。この先、自分が何をやらなければならないのかが見えてくるのだ。

これこそが全体を俯瞰することの効果だし、メリットである。

そのためには、なるべく早い時期に、テキストなり過去問(一問一答)を一周させてほしい。

それができたら、あとは何度か回転させることで精度も高まり、過去問の正解率が95%以上になれば合格も視野に入ってくるようになる。

──合格への第一歩

そもそも不合格になる人は、その俯瞰ができていない。出口の見えない森の中を彷徨っている状態だ。

テキストや過去問を一周もできていない人が不合格者には多い。

だからどんな教材であれ、一冊仕上げることを強く意識してほしい。

合格者の多くはこれができている。

つまり、完璧に仕上げた教材が必ずといっていいほどあるのだ。

そのためには、まずは一冊の教材を最後のページまで終わらせること。浅くても良いので終わらせる。

そこがスタートラインとなり、合格への第一歩になるのだから。

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初学&独学者の勉強法(2022)

──テキストの使い分け

市販の宅建テキストには、情報量の多いものと少ないものがある。

情報量の多いテキストは、主に調べるときに重宝し、情報量の少ないテキストは通読するのに向いている。

法律の初学者が、最初から情報量の多いテキストに手を出しても、途中で挫折する可能性が高い。

英単語帳でいえば、最初から見出し語だけではなく、派生語なども同時に覚えていくようなイメージ。

反対に、情報量の少ないテキストはスラスラと読み進むことができるが、過去問で分からない箇所に出くわしたときに載っていないことがある。

英単語帳でいえば、見出し語はあるが、派生語などがない状態。

重要な論点をA〜Cにランク分けした場合、情報量の多いテキストにはA〜Cのほとんどが掲載されており、情報量の少ないテキストには、A,Bランクしか載っていない。

大ざっぱに言えばそういうこと。

どちらのテキストにもメリット、デメリットがあるということだ。

しかしながら、初学者の方がまず最初に手にしてほしいテキストは情報量の少ないタイプのものである。

途中で挫折するリスクが少なく、全体をいち早く俯瞰できるからだ。

ただし、情報量が少ないテキスト一冊だけだと調べるときに不便なので、できればもう一冊、情報量の多いテキストも用意しておく。

散財と思うなかれ!

不合格になるリスクを考慮すれば、その程度の出費は許容すべきである。

情報量の少ないテキストをメイン学習に使い、多いテキストを分からないところを調べるために用いる。

つまり通読用と調べ用。この2冊をうまく使い分けるのだ。

これが初学&独学者が、効率的にテキストの内容をモノにする一番の方法であると私は信じている。

通読用と調べ用の代表的なテキストを挙げておくが、どれを選択するかは皆さんの判断にお任せしたい。

【通読に適したテキスト】

宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト(LEC/東京リーガルマインド)
宅建士 出るとこ集中プログラム(中央経済社)
らくらく宅建塾(宅建学院)

【調べるのに適したテキスト】

出る順宅建士 合格テキスト❶〜❸ (LEC/東京リーガルマインド)
パーフェクト宅建士 基本書(住宅新報出版)
わかって合格る宅建士 基本テキスト(TAC出版)


──一問一答の重要性

先に、情報量の多いテキストにはA〜Cランクの論点が、情報量の少ないテキストには、A,Bランクの重要論点が掲載されていると述べた。

それは過去問も同じで、直近10〜12年分の過去問集にはA〜Cランクまで、分野別のように重要問題をセレクトしてあるものには、主としてA,Bランクの問題が掲載されている。

Cランクの問題をとれれば高得点も期待できるが、合否を決するのは、A,Bランクの問題である。

これらA,Bランクの問題で、いかに取りこぼしを最小限に抑えるか。

いくらCランク問題が解けても、それ以上にA,Bランクの問題を落としていたら合格は見込めない。

逆にいえば、A,Bランクの問題で取りこぼしさえしなければ、合格基準点は超えると考えてよい。

そういう意味でも、A,Bランクの重要テーマや論点はしっかり押さえておく必要があるのだ。

肢単位で見た場合、分野別過去問にもCランクの肢が含まれていることがあるが、一問一答はほぼA,Bランクの肢で構成されている。

ムダがない分、一問一答の方が四択過去問より効率的といえる。

重要な肢のみで成り立っている一問一答は、まさに重要論点の宝庫!

四択過去問の場合は、年度別であろうと分野別であろうと、Cランクの肢は必ず含まれている(その比率は年度別の方がずっと高い)。

だから最初に、初学者が手にする過去問集は一問一答がオススメなのだ。

初学者の方は、最初はCランクの問題は避けた方がよい。

そうしないとA〜Cがごっちゃになり、どれが基礎レベルでどれが発展レベルなのかが把握できなくなる。

A,B,Cのそれぞれのランクが、どれも同じくらいに重要なものだと錯覚してしまう可能性があるのだ。

もう一つ、一問一答には過去問の肢をセレクトしたものとオリジナル問題で成り立っているものがある。

宅建試験の過去問の焼き直し率の高さを考えたら、過去問の肢で構成された一問一答集をオススメしたい。

収録問題数も、あまり数が少なすぎてもダメ、多すぎてもダメ。600〜1000くらいのものを選んでほしい。

以上の条件を満たした一問一答集はいくつかあるが、私が特にオススメしたいものは次の4点である。

どこでも学ぶ宅建士 チャレンジ!重要一問一答(日建学院/建築資料研究社)
わかって合格る宅建士 一問一答セレクト600(TAC出版)
宅建士 合格のトリセツ 頻出一問一答式 過去問題集(LEC/東京リーガルマインド)
パーフェクト宅建士 一問一答 Pocket (住宅新報出版)

次点はユーキャンの一問一答だが、相性が合えば使ってもよいと思う。

テキストと一問一答を同じ出版社の同じシリーズで選ぶとすれば、LECのトリセツが一番かも知れない。

情報量が少なめで通読向きのテキスト&過去問ベースの一問一答という組み合わせで考えれば、トリセツが頭一つ抜けている気がする。

もっとも、テキストと一問一答を必ずしもリンクさせなければいけないわけではないから、そこらへんは臨機応変に対処すればよい。

例えば、『らくらく宅建塾』と『チャレンジ!重要一問一答』の組み合わせや、『出るとこ集中プログラム』と『一問一答セレクト600』の組み合わせもありだと思う。

その代わり、情報量の多い「調べるのに適したテキスト」は、上記3種類の中から選んだ方がよいだろう。

いずれにせよ、通読向きのテキストと一問一答の選択は早めに済ませ、願書を提出する7月頃までに仕上げることが一つの目安となる。

仕上げるとは、一問一答の正答率が95%以上になることだ。

テキストを何回読んだとか、一問一答を何回解いたといった表面的な数字ではなく、正答率という厳格な基準をクリアしなければならない。

もちろん、理解が伴った上での正答率であることは言うまでもない。

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