──受験生が心掛けるべきこと
別に疲れているわけではないのだが、何となくやる気が出ない。エンジンがかからない。やらなければダメなことくらい分かっているのだが、、
人間なんて、所詮、怠惰な生き物なんだから、そういう日もあるだろう。
とはいえ毎日そんな状態が続いていたら、宅建に限らず、どんな資格試験にも合格などできるはずもない。
以前にも述べたが、宅建に合格するためには、一日平均「2時間」の勉強時間を確保しなければならない。一週間ならば14時間だ。
これは、サラリーマンやOLが、フルタイムで仕事をしていても捻出可能な時間である。
それでも私は、大した理由もないのに勉強しないのは賛成できないが、勉強時間をいくらか減らすのはありかな、と思っている。
例えば私の場合、どんなに体調が悪くても、風邪で熱が38℃あっても、一日最低「30分」は勉強するように心掛けていた。もちろん、その埋め合わせは週末の土日を使ってしていた。
当時のベストセラー、古市幸雄氏の著書『1日30分を続けなさい!』の影響もあってか、それは継続することができた。
ただし、肉体的に疲れている場合、これはもう寝るしかないと思う。
単にやる気がおきないのと違い、肉体的な疲れはあらゆる情報を遮断してしまう。無理やり勉強しようとしても頭に入ってこないのだ。
これは大人に限ったことではない。中学生や高校生でもそう。
放課後に、野球やサッカー、陸上といったハードな部活動を終えて帰宅した後は、疲れていて勉強どころではないはずだ。
息子の健斗もそうだった。
健斗は中学生の時「和太鼓部」に所属していたのだが、学校から帰ってきたら、夕食をとる前に「1時間半」だけ寝る習慣があった。
夜にしっかり勉強するために、いくらかでも疲れを取り除いておく必要があったからだ。
睡眠というのは、1時間半→3時間→4時間半、、という具合に、90分を1サイクルとして循環していると以前に何かの本で読んだことがある。それを実践してみたわけだ。
実際、これは健斗には有効だった。勉強中に眠くなることもなく、ほとんど毎日、深夜2時くらいまで勉強することができた。
その甲斐あってか、その後、県内でも3指に入る進学校(公立高校)に合格することができたのだ。
一日最低「30分」のノルマと共に、モチベーションの維持に効果的だったのは、壁に掛けてあるカレンダーに勉強時間を記録していくことだった。
一日の勉強時間がちょうど2時間だった場合、就寝前にカレンダーに「2h」と記す。2時間半ならば「2.5h」というふうに、、
それを毎日記していけば、その月の勉強時間、ひいては総勉強時間も後に判明するからである。
ぜひ試してみてほしい。
それともう一つ。やる気のない日は、複雑なものは極力避け、単純作業をするに限る、ということ。中・高生ならば、英単語や英熟語、古文単語、歴史の年代暗記などがそうだ。
宅建試験でいえば、さしずめ「一問一答」を解くことがそれに当たる。
四択の過去問を解く作業は、根気がいるし集中力も必要だ。思考力だっているだろう。単純作業とはいえない。
対して一問一答ならば、机の上ではなく、床などに寝っ転がりながらでもできる。しかも今では、昔と違い無料アプリもあるので便利だ。
実際私は、やる気が出ない日は、部屋で一問一答ばかりをやっていた。息子の健斗だって同じだ。
健斗は日建の『チャレンジ!重要一問一答』の旧版を、私は『パーフェクト宅建の一問一答』をソファーやベッドでゴロゴロしながら解いていた。
他の人のお手本にならない、だらしない勉強の仕方だが、力になったのは確かだ。
少し整理してみよう。
やる気の出ない日、疲れている日の対処法を並べてみる。
①一日最低「30分」は勉強する。
②帰宅したら「1時間半」だけ寝る。
③カレンダーに勉強時間を記録する。
④やる気のない日は、四択過去問ではなく「一問一答」を解く。
今日はやる気が出ないから勉強しない、というのが一番まずい。
一週間のうち、まったく勉強しない日が3日以上あったとしたら、危険信号だ。黄色の点滅信号ではなく、赤色の点滅信号である。
それはやがて、通常の赤信号へと変わり、勉強自体を止めてしまうことにもなりかねない。
──勉強を軌道に乗せる
以前に「継続は力なり」の中でも述べたが、勉強をやったりやらなかったり、というのが一番ダメだと私は思っている。
▶継続は力なり®
https://paparing-takkenshi.com/entry/2020/01/29/001837
一週間で「14時間」の勉強を週末の土日の間に実現させ、平日はまったくやらない、というのでは勉強のリズムが作り出せない。
ある程度勉強を継続させ、それを軌道に乗せることが何より重要なのだ。
要は「自転車」をこぐのと同じ。
乗り始めはペダルが重いが、段々スピードが出てくるとペダルも軽くなってくる。軌道に乗せる、というのはそういうことだ。
勉強に不慣れな人ならば、最初のうちは思うようにいかないだろう。テキストを読むだけで苦しいに違いない。
しかし、それが習慣化し、軌道に乗りさえすれば苦痛ではなくなる。
いや苦痛どころか、テキストを読むことが、過去問を解くことが楽しくなってくる。
そこまで辿り着ければしめたもの。合格はすぐ目の前まで来ている。
合格することがゴールではなく、更にその先まで視野に入ってくる。合格が終着点ではなく、通過点だと認識できるようになるのだ。
それが合格する人としない人の、意識の差かも知れない。そのためにも、一日でも早く勉強を軌道に乗せられるよう努力してほしい。
何を始めるにしても、最初は苦しいもの。テキストや過去問だって、一回目が一番苦しく時間もかかる。
それを乗り越えたら、スピードもアップしてくるし、見晴らしも良くなる。
ロビン・シャーマ氏が著した『3週間続ければ一生が変わる』(海竜社)というベストセラー本も継続の大切さを説いたものである。
継続して3週間続けられる人は、人生を変えることができる。そう主張する著者は、その分岐点が「3週間」だと言っているのだ。
2週間ではなく3週間である。
2週間ならば、勢いだけで辿り着けるかも知れないが、3週間となるとそうはいかない。本気でないと3週間は続かないからだ。
最初は嫌々でも構わない。我慢して3週間、勉強を続いてみてほしい。それが継続できれば「軌道に乗る」と私は思っている。
初学者の方こそ、この3週間の継続学習を実践してもらいたい。
そこで何らかの変化があるのかないのか、自らが実践して試してほしい。
今後の人生が変わる壮大な実験になるかも知れないのだから、、