──問いの49、50番
受験生の7〜8割は、46~50番までの「免除科目」を受ける。しかし、この免除科目に時間を注げない人が大半ではないだろうか?
免除科目は比較的易しいが、いくら易しくてもノー勉で3点以上を取るのは困難である。最低限の対策は立てなければならない。
特に土地(問49)と建物(問50)。両方で2点あるのだから、これらを捨て項目にするわけにはいかない。
勉強さえすれば最低1点、うまくいけば2点ゲットできるかも知れないからだ。
2点といえば、都市計画法や建築基準法、借地借家法と同じ配点である。
これらをモノにするにはそれなりの時間(各10時間以上)が必要だが、土地と建物については、それらの半分以下の勉強時間で済む。
今回、さらに時間のない受験生のために、計1~2時間で、通常の「土地・建物」を学習した場合と同じ効果が出るよう工夫してみた。
2択問題という形をとったが、ベースは過去問である。土地が15問、建物が15問のわずか30問にすぎないが、論点の重複がないように私がセレクトした結果である。
テキストを読んで一問一答を解き、その上、分野別ないし年度別の過去問を解いていたのでは、土地と建物だけでも5時間は下らなかったはずだ。
それを1~2時間でできるようにしたのだから、これを利用しない手はない。
なお、ここには地形図や建物の構造図がないので、そのへんは手持ちのテキスト等を参照してもらいたい。
──土地の2択問題
①地図上で見ると、急傾斜地では等高線の間隔は【a 密、b 疎】になり、傾斜が緩やかな土地では等高線の間隔は【c 密、d 疎】になっている。
②等高線が山頂に向かって高い方に弧を描いている部分は【a 尾根、b 谷】で、山頂から見て等高線が張り出している部分は【c 尾根、d 谷】である。
③低地は、国土面積の約【a 13%、b 25%】であり、洪水や地震による液状化などの災害危険度は【c 高い、d 低い】。
④旧河道は、地震や洪水などによる災害を受ける危険度が【a 高い、b 低い】所である。
⑤台地や丘陵の縁辺部は、豪雨などによる崖崩れに対しては、【a 安全、b 危険】である。
⑥台地、段丘は、水はけも良く、宅地として積極的に利用されているが、自然災害に対して安全度の【a 高い、b 低い】所である。
⑦自然堤防は、主に砂や小礫からなり、排水性がよく地盤の支持力もあるため、宅地として【a 適している、b 適していない】。
⑧埋立地は、一般に海面に対して比高を持ち、海面より低いこともある干拓地に比べ、水害に対して【a 安全、b 危険】である。
⑨谷の出口に広がる扇状地は、土砂・礫が堆積してできたものであるため宅地に適しているが、地盤は堅固ではなく、土石流災害に対しての安全性は【a 高い、b 低い】。
⑩低地の中でも、扇状地の中の微高地、自然堤防、廃川敷となった旧天井川等は、災害の危険度が【a 高く、b 低く】、沿岸部の標高の低いデルタ地域、旧河道等は、災害の危険度が比較的【c 高い、d 低い】。
⑪谷底平野は、周辺が山に囲まれ、小川や水路が多く、主に柔らかい粘性土で構成された地盤であり、建物の基礎地盤に【a 適している、b 適していない】。
⑫三角州は、河川の河口付近に見られる軟弱な地盤であり、地震時に液状化現象が発生する可能性が【a 高い、b 低い】。
⑬後背湿地は、自然堤防や砂丘の背後に形成される軟弱な地盤であり、宅地に利用されることが【a 多く、b 少なく】、水田として利用されることが【c 多い、d 少ない】。
⑭断層は、ある面を境にして地層が上下又は水平方向にくい違っているものであるが、その周辺では地盤の強度が安定して【a いる、b いない】ため、断層に沿った崩壊、地すべりが発生する危険性は【c 高い、d 低い】。
⑮地すべり地の多くは、地すべり地形と呼ばれる独特の地形を呈し、棚田などの水田として利用されることが【a ある、b ない】。
──建物の2択問題
①木材の強度は、含水率が大きい状態の方が【a 大きく、b 小さく】なるため、建築物に使用する際には、その含水率を確認することが好ましい。
②木材に一定の力をかけたときに圧縮に対する強度は、繊維方向に比べて繊維に直角の方が【a 大きい、b 小さい】。
③集成木材構造は、集成木材で骨組を構成したもので、体育館などの大規模な建物に【a も使用されている、b は使用されない】。
④一般に、水、セメント及び砂(細骨材)を練り混ぜたものが【a モルタル、b コンクリート】、水、セメント及び砂利(粗骨材)を練り込んだものが【c モルタル、d コンクリート】である。
⑤コンクリートは、圧縮に【a 強く、b 弱く】、引っ張りに【c 強い、d 弱い】という特徴がある。
⑥枠組壁工法(ツーバイフォー工法)は、主として【a 柱、b 壁】の耐力によって地震などの外圧に抵抗する方式であるため耐震性が高い。
⑦常温、常圧において、鉄筋と普通コンクリートを比較すると、熱膨張率は【a ほぼ等しい、b かなり異なる】。
⑧柱と梁(はり)の接合部が固く接合された直方体で構成する骨組形式を【a ラーメン構造、b 壁式構造】といい、鉄筋コンクリート造においては一般的に用いられる。
⑨鉄骨造は、自重が軽く、靱性が大きいことから、大空間の建築や高層建築の骨組に【a 適している、b 適していない】。
⑩鉄骨構造は、不燃構造であるが、火熱に遭うと耐力が減少するので、耐火構造にするために耐火材料で被覆する必要【a がある、b はない】。
⑪鉄筋コンクリート造に使用される鉄筋は、コンクリートの表面【a にできる限り近づけた、b から距離を設けた】方がよい。
⑫鉄筋コンクリート構造におけるコンクリートのひび割れは、鉄筋の腐食に【a 関係する、b 関係しない】。
⑬鉄筋コンクリート造の柱については、原則として、主筋は【a 4本以上、b 8本以上】とし、主筋と帯筋は緊結しなければならない。
⑭耐震構造は、建物の柱、はり、耐震壁などで【a 弾性、b 剛性】を高め、地震に対して十分耐えられるようにした構造である。
⑮免震建築物の免震層は、基礎と上部構造の間に積層ゴムやオイルダンパー(油の粘性を利用した装置)を使用して【a 地震に耐える、b 振動を軽減する】構造方式である。
【答】
土地の2択問題→① a、d ② b、c ③ a、c ④ a ⑤ b ⑥ a ⑦ a ⑧ a ⑨ b ⑩ b、c ⑪ b ⑫ a ⑬ b、c ⑭ b、c ⑮ a
建物の2択問題→① b ② b ③ a ④ a、d ⑤ a、d ⑥ b ⑦ a ⑧ a ⑨ a ⑩ a ⑪ b ⑫ a ⑬ a ⑭ b ⑮ b