宅建・史上初の小学生合格者の父による宅建合格ブログ

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時効の完成猶予と更新【権利】

──時効の完成猶予

下記のような“一定の事由”が発生すると、所定の期間、時効の進行をストップさせることができる。これを「時効の完成猶予」という。

 【一定の事由】

裁判上の請求
支払督促
和解・調停の申立て
破産手続きの参加など
強制執行
担保権の実行など
催告(内容証明郵便など)
仮差押え
仮処分
協議を行う旨の合意

これら①~⑥については、それらの権利が確定するまで、又はその事由が終了するまで(権利が確定されずに終了した場合は6ヵ月が経過するまで)は時効は「完成猶予」される。

また❼~❾については、その時から6ヵ月を経過するまで、❿は書面(又は電磁的記録)による合意の時から1年を経過するまでは時効は「完成猶予」される(❿については例外あり)。

──時効の更新

上記①~⑥の権利が確定し、又はその事由が終了したら、その時から新たに“時効の進行”が始まる。これを「時効の更新」という。

時効の残りの期間が進行するのではなく、リセットして、ゼロから新たに“時効の進行”が始まるのだ。

自らが債務を認めるなど権利の承認があれば、完成猶予がなくても時効は「更新」となる。このパターンは承認だけなので注意。

なお、上記❼~❿については「完成猶予」があるのみで、時効の「更新」はない。

──まとめ&一問一答

上記①~⑥は、完成猶予+更新、❼~❿は完成猶予のみ、承認は更新のみである。

*時効期間の満了時に、天災その他避けることのできない事変のため時効手続きを行うことができないときは、その障害の消滅から3ヵ月を経過するまで時効は完成しない。

記事が短めなので、最後に少しだけ行政書士試験用の「一問一答」を付しておきたい。

      ⇩    ⇩

⑴ 時効は、裁判上の請求によって更新され、その訴えにつき却下又は取下げがあっても、時効更新の効力に影響はない。◯か✕か?

⑵ 催告があったときは、その時から6ヵ月を経過するまでの間は、時効は完成せず、催告によって時効の完成が猶予されている間に再度催告がなされると、その時から6ヵ月を経過するまでの間、再度時効の完成が猶予される。◯か✕か?

⑶ 債務者Aの債権者Bに対する債務の承認によって被担保債権の時効が更新された場合に、物上保証人Cは、当該被担保債権について生じた消滅時効更新の効力を否定することはできない。◯か✕か?

⑷ 時効期間の満了の時に当たり、天災その他避けることのできない事変のため、裁判上の請求等時効の完成猶予事由に係る手続を行うことができないときは、その障害が消滅した時から2週間を経過するまでの間は、時効は完成しない。◯か✕か?

【答】⑴ ✕ ⑵ ✕ ⑶ ◯ ⑷ ✕


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時効の完成猶予と更新【権利】|パパリン宅建士
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