──市販模試の注意点
今年もLECの『出る順宅建士 当たる!直前予想模試』が発売された。
私は自身のブログでも毎年オススメしているが、今年で4回目になる。
LECには「ゼロ円模試」や「ファイナル模試」のような定評あるオープン模試(会場模試)があるが、この市販模試も内容的には遜色ない。
「市販模試なんてどれも同じ」
という意見もあるが、私が実際に解いてみて感じたことは、
「市販模試には当たり外れがある」
ということだ。
出版社による出来の良し悪しや、高品質が売りの出版社でも、年によって出来不出来があったりする。
その見極めはほんと難しい。
宅建試験は、通常の年であれば過去問の焼き直しが6〜8割を占める。
だから模試も、焼き直し問題が30〜40問、新規の問題が10〜20問といった具合にバランスを考えて作られていなければならないはずだ。
ところが一部の模試で、このバランスを無視して作成されたものがある。
私や息子の健斗が受験生だった頃は、パーフェクト宅建の『直前予想模試』がくせものだった。
他の市販模試に比べて安価なため購入したという点もあるが、これほどバランスを無視して作られた直前予想模試も珍しかったと思う。
たぶん新規の問題だけで30問以上あったのではないだろうか?
いや、新規の問題というより、悪問、奇問の類いかも知れない。
私は最初にLECの予想模試を解いていたのだが、4回分の模試すべてが39〜44点だったのに対し、パーフェクトの方は第1回目が17点、第2回目が27点しかなかったのだ。
最初にLECを解いていたからまだ良かったが、下手したら本試験から撤退していたかも知れない。
いや、実際にこれが原因で本試験を諦めてしまった人もいると思う。
これまで積み上げてきたものが一気に崩れ落ちていく怖さ、、
直前予想模試にはそういう一面があることは知っておいてほしい。
昨年こそパーフェクトの直前予想模試の悪い噂は影を潜めたが、一応、注意はしておいた方がよいだろう。
近年でいえば、成美堂出版のものもパーフェクトと同じ傾向があった。
──オススメの3冊とは?
私や息子の健斗が、実際にいくつかの市販模試を解いてみた結果、及第点があげられそうなのは上記のLECの他、TAC、日建の3社だけである。
これら3社の『直前予想模試』は、どれも難易度が本試験に近く、他の市販模試に比べて問題の質も高い。
ただTACの2021年版に関しては、難しすぎるというAmazonのレビューがいくつか散見されたが、、
また、これらの市販模試は、過去問学習をある程度終えた後の8〜10月上旬までの間に解くのが望ましい。
──No.1の市販模試
そして、それら3社の中からあえてNo.1模試を選ぶとすれば、LECの直前予想模試にとどめを刺す!
LEC模試の最大の長所は、やはり問題の質の高さにある。
法改正も行き届いていて、統計問題の的中率も高い。統計は、ここ数年外したことがないのではないか?
通常の市販模試は3回分しか入っていないことが多いが、このLECには4回分の予想模試が用意されている(注:TACも4回分の模試がある)。
加えて2022年版は、全模試4回分の無料解説動画+令和3年度10月・12月試験の2回分の問題と解答解説が特典としてダウンロードできる。
巻頭の「袋とじ」企画として、今年の出題論点の大本命&大穴6選と題し、LEC専任講師の水野先生、友次先生、有山先生が各々1テーマずつ予想してくれている。
LECは、日本でも指折りの法律系の資格学校である。長年の合格実績と蓄積されたデータが、この直前予想模試にも活かされているのだろう。
値段もリーズナブルで、4回分の模試が税込1,760円で購入できるのだ。
過去問を中心に学習してきた受験生が、新規の問題に戸惑うことなく本試験に挑めるメリットもある。
1+1が、3にも4にもなるのだ!
毎年、1点差で不合格になる受験生が1万人前後いるのが宅建試験である。
今年、本気で合格を目指している受験生は、上記3冊の中から少なくとも1冊は購入して解いてほしい。
そして間違えた問題は、解説を読んでしっかり理解しておくこと。
一問一答を皮切りに、四択過去問→直前予想模試という順に仕上げていくのがベストであり、王道でもある。
学習の締めは、直前予想模試を用いて合格を確実なものにしてほしい。