──はじめに
一部の方はご存知だと思うが、私の勉強法は、第一段階と第二段階に分けて計画表が作られている。
第一段階は、基本テキストと一問一答を中心に回していく。
この計画表では4月からスタートとなっているが、6月ないし7月からのスタートに置き換えることは可能だ。
ここ数年、第二段階の教材は定番化しているが第一段階のそれは流動的で、テキストだけでも次に挙げるもののどれかをオススメしている。
・宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト(東京リーガルマインド/LEC)
・らくらく宅建塾(宅建学院)
・宅建士 出るとこ集中プログラム(中央経済社)
日建学院やTAC出版のものも悪くないが、初学者でも理解でき、かつ途中で挫折するリスクを考慮すれば上に掲げた3種類のどれかを選ぶべき。
対して一問一答は、本来ならテキストと同じ出版社でリンクしていた方が良いが、これは絶対条件ではない。
上記トリセツのみ同じLECのトリセツ一問一答を選んだ方が良いが、他は自分に合ったもので構わない。
一問一答に関しては、次の4種類の中から選んでほしい。
・宅建士 合格のトリセツ 頻出一問一答式過去問題集(東京リーガルマインド/LEC)
・わかって合格(うか)る宅建士 一問一答セレクト1000(TAC出版)
・どこでも学ぶ宅建士 チャレンジ!重要一問一答(建築資料研究社/日建学院)
・パーフェクト宅建士 一問一答 Pocket(住宅新報出版)
テキストを理解することも大切だが、それ以上に一問一答の正答率を95%以上にすることを目標にするべし。
テキストの理解度は数値化できないが、一問一答で正答率を出せば進捗状況がすぐさま確認できるからだ。
そして一問一答の正答率が95%以上になったら「第二段階」へ移行する。
以下、とらの巻とウォーク問❶〜❸が第二段階である。
──とらの巻
第一段階の基本テキストがあれば『とらの巻』は必要ないという人がいるが、法改正が万全な有名テキストはとらの巻だけである。
・どこでも宅建士 とらの巻(東京リーガルマインド/LEC)
宅建試験では、他資格に比べて法改正部分が出題されやすい。
法改正の対策をするとしないとでは、恐らく3点くらいの開きが出る。
当然のことながら合否にも影響する。
宅建試験自体、毎年4月1日までに施行された法律の問題が出題される。
よって、それ以前に発売された教材は改正部分の更新がなされていない可能性があるので注意が必要だ。
その点、とらの巻は発売日が遅いこともあって法改正は万全である。
このように改正箇所が赤の白抜きで表示されているため一目瞭然だ。
直前期にこの部分だけでもチェックしておけば安心だろう。
なお、とらの巻には「とらの子」という簡易なまとめ集(付録)があり、31ページと薄いので携帯に便利である。
──ウォーク問
言わずと知れた有名過去問集。
年度別ではなく分野別に編集されているため、各項目の問題に集中的に触れることができ力になりやすい。
・出る順宅建士 ウォーク問 過去問題集(東京リーガルマインド/LEC)
私は基本的に年度別過去問集はオススメしていない。
ウォーク問のような分野別をマスターした後ならば年度別をやるのもありだと思うが、分野別を通さずに年度別に手を出しても大抵は失敗する。
各項目が詰めきれていない状態で年度別を解いても、地に足の付いた盤石な知識が得られないからだ。
きちんとした知識を得るには各項目の問題に集中的に触れ、項目ごとに論点を押さえていく必要がある。
年度別では各項目がバラバラに配置されており、詰めた学習ができない。
本試験形式に慣れるためにも年度別は必要という人がいるが、それならば予想模試を解いた方が実践的である。
それに年度別には、少なくない率で奇問や悪問が含まれている。
その点、ウォーク問のような分野別過去問集では、そういった奇問や悪問を除いた良問で構成されており、時間をムダにせずに済む。
ウォーク問の場合、❶権利関係、❷宅建業法、❸法令上の制限・税・その他の3冊に分けられており、収録問題数は全部で550題だ。
一冊本で300題程度の市販の分野別過去問集が多いが、合格ラインに乗せるには少し足りない気がする。
やはり最低でも500題は必要かと、、
ウォーク問は各問題ごとに、重要度が特A、A、B、Cに分けられているためメリハリのある学習ができる。
Cを除いた特A〜Bまでをマスターできれば、恐らく合格ラインには乗る。
あとは法改正と統計(5問免除者は除く)の対策を怠らなければ十中八九合格すると考えて良いだろう。
──直前予想模試
市販模試ほどその出来に開きのある教材はないと思う。
本試験問題と同様に、大半の模試は、過去問の焼き直し問題を6〜8割程度含めて問題が作られている。
そうしないと合格ラインを35点前後に調整できないからだ。
過去問の焼き直し問題が多いほど合格ラインは上昇する。
本試験でも、合格ラインが38点だった年は焼き直し率が8割を超えていた。
過去問学習をする人が圧倒的に多いので、この傾向は至極当然である。
ところが市販模試に関しては、焼き直し率を無視して作られたものがある。
それを解いて自信をなくし、本試験を諦めた受験生がいるくらいだ。
そうならないために、しっかりとしたデータに基づいた大手予備校で作られた模試を解いてほしい。
中でもオススメなのが、LECの直前予想模試である。
・出る順宅建士 当たる!直前予想模試(東京リーガルマインド/LEC)
予想模試が4回分ある上に、最新の過去問が2回分ダウンロードできてお買い得感があるのも利点だが、何より他社に比べて問題の質が高いのだ。
問題の難易度も本試験に近い。
LEC以外では、日建学院とTACの市販模試が質の面からも満足できる。
TACは問題が少し難しいが、本試験で40点以上を狙うのならオススメ。
大手予備校以外の模試にはハズレもあるので、できればLEC、そうでなければ日建かTACから選んでほしい。
あとは予備校の会場模試を一つか二つ受ければそれで十分だと思う。
──おわりに
最初にも述べたが、第一段階と違って第二段階の教材は定番化している。
LECの教材ばかりだが、別に私はLECのまわし者ではない。
他資格は知らないが、こと宅建教材に関してはLECが頭一つ、いや頭二つ分くらいは抜きん出ている。
なので第二段階の教材+予想模試が、LECに偏重してしまうのもある意味仕方ないことだと思う。
歴史があり、大手の資格学校として第一線で活躍されている優秀な講師陣を見ればよく分かるだろう。