- ──8種制限とは?
- ──1、クーリング・オフ ◎
- ──2、手付金等の保全措置 ◎
- ──3、手付の額の制限 ◎
- ──4、他人の物件の売買規制 ◯
- ──5、損害賠償額の予定等の制限 ◎
- ──6、割賦販売契約の解除等の制限 ◯
- ──7、所有権留保等の禁止 △
- ──8、売主の担保責任の特約 ◎
──8種制限とは?
宅建業法の中に、自ら売主の8つの規制という項目がある。別名「8種制限」とも呼ばれている。
プロの宅建業者が自ら売主となり、宅建業者でない一般人(素人)と不動産取引をする場合に、一般人が不利にならないよう設けられた制度である。
一般人を保護するための制度のため、以下の8つはどれも「業者間取引」には適用されない。
8種制限は範囲も広く、網羅して解説するには、とても1記事では足りない。それゆえ「要点まとめ」的な意味合いはこれまで以上に強いが、短時間でサッと目を通す分には好都合かも知れない。
8つある各規制の一つ一つを、【原則】と【例外】に分けて解説していく手法をとった。あと各タイトルの右側に、重要度に応じて、◎◯△マークも付しておいた。もちろん◎が最も重要である。
これら「8種制限」は、先の3大書面(媒介契約書、重要事項説明書、37条書面)と並んで重要なもので出題頻度も高い。毎年4題ほど出題されている。
これは3大書面の年平均5題に次ぐ出題数の多さだが、その割に内容は比較的易しいので、取りこぼしのないように確実にマスターしてもらいたい。
──1、クーリング・オフ ◎
【原則】
・事務所等以外の場所(喫茶店など)でした契約の申込み等は、無条件でクーリング・オフできる(業者は損害賠償や違約金の請求不可)。
【例外】
・次の場合はクーリング・オフできない。
〈その一〉
①書面による告知の日から8日経過した場合
②引渡しを受け、かつ代金全額を支払った場合
〈その二〉
③事務所で申込み等をした場合
④専任の宅建士の設置義務のある継続的に業務を行える場所(出張所など)で申込み等をした場合
⑤専任の宅建士の設置義務のある土地に定着した案内所(モデルルームなど)で申込み等をした場合
⑥専任の宅建士の設置義務のある土地に定着した催し物会場(展示会場など)で申込み等をした場合
⑦宅建業者が依頼した媒介・代理業者の③~⑥で申込み等をした場合
⑧相手方(買主)が申し出た場合の相手方の自宅・勤務先で申込み等をした場合
──2、手付金等の保全措置 ◎
【原則】
・契約締結後、物件の引渡し前に手付金等を受領するときは、保全措置をしなければならない(手付金等には内金や中間金も含まれる)。
〈保全措置の方法〉
①銀行等による保証
②保険会社による保証保険
③指定保管機関による保管(完成物件のみ)
【例外】
〈保全措置が不要の場合〉
①買主が所有権の登記をしたとき
②未完成物件→代金の5%以下かつ1,000万円以下
③完成物件→代金の10%以下かつ1,000万円以下
──3、手付の額の制限 ◎
・手付を解除するには、買主は手付金を放棄し、売主は買主に手付金の倍額を支払う。
【原則】
①手付は常に解約手付となる。
②代金の20%を超える手付は受領できない。
③手付について買主に不利な特約は無効。
【例外】
・なし
──4、他人の物件の売買規制 ◯
【原則】
・民法では有効だが、宅建業法では契約不可。
【例外】
・次の場合は契約できる。
①他人物→物件を取得する契約をしている(予約の場合は◯、停止条件付の場合は✕)。
②未完成物件→手付金等保全措置を講じている。
──5、損害賠償額の予定等の制限 ◎
【原則】
①損害賠償額の予定と違約金は、合算して代金の20%を超えてはならない。
②超える場合は、超えた部分についてのみ無効。
【例外】
・なし
──6、割賦販売契約の解除等の制限 ◯
【原則】
・解除するには、次の条件を満たす必要がある。
①30日以上の相当期間を決めて催告する。
②催告は必ず書面でする。
③これらに違反する特約は無効。
【例外】
・なし
──7、所有権留保等の禁止 △
【原則】
・引渡しまでに登記をしなければならない。
【例外】
・次の場合、所有権留保が可能となる。
①これまでの支払い額が代金の30%以下。
②買主が残金に担保措置を講じない。
──8、売主の担保責任の特約 ◎
【原則】
〈民法の定め〉
・売買された物件が、種類・品質に関して契約内容に適合しない場合、買主は売主に対し、次の4つの責任(契約不適合責任)を追及することができる。
⑴追完請求権
⑵代金減額請求権
⑶損害賠償請求権
⑷契約解除権
・ただし、買主が不適合を知った時から1年以内に売主に通知しなければ追及できない。
【例外】
〈宅建業法の定め〉
・民法の規定では、買主に不利な特約は無効となるが、次の場合は有効である。
①買主が、民法の規定より有利になる特約
②買主が契約不適合責任を売主に通知する期間を、物件の引渡しから2年以上とする特約
▶不動産キャンプ
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8種制限のまとめ【業法】|パパリン宅建士
#note「穴埋め問題」あります↓
https://note.com/paparingtakken/n/nca9f830448e2