──ターゲットを絞り込む
12月27日(日)の本試験まで、残り一ヶ月となった。
これからの一ヶ月間でどこまで追い込めるかが勝負となるが、ある程度ターゲットを絞り込んで解説していきたいと思う。
もちろん、本試験までの青写真を描けている人は、それに沿って勉強を続けていってほしい。
現段階で知識ゼロの人でも合格の可能性はあるが、その場合、この一ヶ月間で毎日8時間以上の勉強時間が必要となる。
平日2時間、休日6時間しか時間を捻出できない社会人や主婦、学生の方々で、現時点で過去問の正答率7~8割、模試で30点前後の方々をターゲットに記事を書いていきたいと思う。
──使用教材を絞り込む
私が推奨する教材は次の4点である。
・どこでも宅建士 とらの巻(LEC)
・出る順宅建士 ウォーク問❶(LEC)
・出る順宅建士 ウォーク問❷(LEC)
・出る順宅建士 ウォーク問❸(LEC)
すべてLECの教材だが、別に私はLECの回し者ではない。追い込み期に使用する教材としては、この4冊が群を抜いているからだ。
まず『とらの巻』だが、宅建のテキストとしては情報量が絞られており、ページ数も500ページに満たない。一般的な宅建テキストが600~700ページほどだから、2、3割は少ないことになる。
本試験で45点以上を目指す人には向かないが、40点を目指す人には絶好のテキストといえる。しかも歴史が古く法改正も万全なので、信頼度はピカイチだ。
同じLECから3分冊の『合格テキスト』も出ていて詳しいことこの上ないが、法改正は万全ではない。3分冊だけあって全体の厚みも半端なく、半年以上の長いスパンで使用する分には悪くないが、如何せん追い込み期にオススメできる代物ではない。
次に過去問集の定番『ウォーク問』だ。分野別過去問集として毎年売上トップの座に君臨し続けている定番中の定番教材である。
これも3分冊に分けられており、❶権利関係(169問)、❷宅建業法(180問)、❸法令上の制限・税・その他(201問)となっている。
年度別ではなく、分野別過去問を推す理由は、次の記事を読んでいただければ分かると思う。
▶年度別過去問集の落とし穴
https://www.paparing-takkenshi.com/entry/2020/02/18/191642
ある程度の実力の持ち主ならば年度別でも構わないが、統計問題を除き、最終的にはすべての年度で47/49点以上の得点を叩き出す必要がある。
──4週間のカリキュラム
【1週目:11月29日~12月5日】
まず権利関係を片付ける。メイン教材は『ウォーク問❶』だ。
知識ゼロだと『とらの巻』の通読から始めなければならないが、それ以外の人は、まずウォーク問を解き、答えと解説を読んでも分からないときに限り、とらの巻の該当箇所を読む。
大体3日ほどで一通り終わらせ、4日目からは間違えた問題のみを集中的にこなす。その際、時間のない人は、C問題はやらなくてもよい。その代わり、特A、A、B問題は確実にマスターすること。
また4つの肢すべての正誤を、理由を含めて理解できるまで究める。絶対に、正解番号だけが言えて終わりにしてはいけない。
途中、12月2日に10月試験の合格発表があるが、あまり気をとられないように注意してほしい。
【2週目:12月6日~12月12日】
権利の次は宅建業法だ。使用教材は『ウォーク問❷』である。
たまに『とらの巻』を見ても載っていないものもあるが、そういう場合は、『ウォーク問』の解説部分を頭に叩き込む。
権利関係と違って、業法の『ウォーク問❷』にはC問題がないので、特A、A、B問題のすべてをマスターしなければならない。
実際、本試験では「個数問題」が複数問出るので、曖昧な知識で終わらせると足をすくわれることになる。業法の厄介なところだ。
これも3日程度で一通り終わらせ、それ以降は間違えた問題を集中的にこなし、疑問点が残らないようにしておく。
【3週目:12月13日~12月19日】
そして3つ目の教材が、法令上の制限・税・その他の『ウォーク問❸』だ。
ここでも権利と同じく、時間のない人はC問題は避けた方がいいだろう。難易度の高い土地区画整理法や譲渡所得、10月試験で出題された印紙税あたりは後回しにした方がいいかも知れない。
なお、権利関係と法令上の制限・税に関しては、ある程度は絞り込みをしても構わないと思う。この点については、次のブログ記事を参照していただきたい。
▶12月試験のヤマ
https://www.paparing-takkenshi.com/entry/2020/11/19/180951
この『ウォーク問❸』についても、3日程度で一通り終わらせ、4日目以降は間違えた問題を正解できるまで繰り返す(C問題は除く)。
重要項目の知識にムラがある人は、『とらの巻』の代わりに、私のブログ記事「要点まとめ」に目を通すのもありだと思う。それらのURLは、次の記事に貼り付けてある。
▶各分野の効率的勉強法🎯
https://www.paparing-takkenshi.com/entry/2020/06/26/190225
これですべての分野の過去問を通しで終えたことになるが、それらを踏まえた上で、最後の4週目すなわちラスト1週に入る。
【4週目:12月20日~12月26日】
余力のある人は、ここで『直前予想模試』をやってもいいが、余裕がなければ省いてもよい。
▶LECの直前予想模試(2020)
https://www.paparing-takkenshi.com/entry/2020/06/08/214121
直前予想模試をやるメリットは、初見の問題に戸惑わないようにすること、時間配分を体感、苦手項目の把握、法改正対策、統計対策などである。
この市販模試は4回分の問題があるが、必ずしも全部やる必要はなく、1回分か2回分を選んで解いてもいい。
本来、直前予想模試は12月上旬までに手を付けておくべきだが、それが叶わなかった人の場合である。
ラスト1週は、再度『ウォーク問❷』を解く。この時点で、恐らくほとんどの問題は正解できると思うが、ここで再び業法をやる一番の目的は、問題を解くスピード、すなわち瞬発力を養うことにある。
それは時短を可能にし、宅建試験の問題全体を、余裕をもって取り組めるようにするためだ。
業法以外では、法令上の制限でこの瞬発力は役に立つ。余裕があれば、『ウォーク問❸』の法令分野でも、その訓練をしてほしい。ケアレスミスを減らすことにも繋がる。
12月25日までには、『ウォーク問❷』はパーフェクトに、『ウォーク問❸』の法令分野も、C問題を除いてパーフェクトにしておいてほしい。
なお、最後の週では、権利関係には手を付けないほうがいい。不安が残る人は、借地借家法だけを軽く復習しておけばいいだろう。
そして本試験前日の26日は、まず免除科目の「統計」をしっかり抑える。というか、免除科目は全体的に易しいので、「住宅金融支援機構」や「景品表示法」、「土地・建物」も、過去問程度は必ずマスターしておく。
本試験の前日は、一般受験生は、5問免除をやると決めておくとよい。実際、これらは一日あれば復習できる。
そして12月27日(日)の本試験日。当日の午前中はバタバタするので、本試験会場で「統計」を確認する程度しかできないと思う。
この記事の内容をすべて実践できれば、少なくとも合格基準点はクリアできるはずだ。40点超えも夢ではない。
ラスト一ヶ月は、仕事などを除いて宅建だけに集中し、頑張って合格を勝ち取ってほしい。