──気持ちを切り替えよ
まず初めに断っておくが、これは一般の宅建受験生に向けた記事ではない。
願書の申込みは済ませたものの、今のままでは不合格は不可避、すでに諦めモードの受験生に向けた記事である。
宅建の12月試験まで、残り2ヶ月を切った今、これまでの勉強で何か一冊でもマスターできたものがあるだろうか?
どれも未消化のまま本試験を迎えることになった場合、合格は相当に厳しくなる。
だが諦めるにはまだ早い。高得点での合格はムリでも、ギリギリかその少し上くらいなら狙えないわけではないからだ。
5%未満の合格の可能性を、何とか50~60%程度に引き上げる。そういうコンセプトで書いた記事である。
そのためには、
「合格できたらいいな」
ではなく、
「絶対に合格してやる!」
といった強い信念が必要となる。
これまでの生ぬるい自分と決別し、勉強の鬼と化してほしい。信念というより、執念という言葉の方が相応しいのかも知れない。
そういう気持ちの切り替えができれば、まだまだ合格の可能性は残されている。
──短期合格の戦略を立てる
短期決戦型のテキストについては、ブログでも紹介した次の2冊をお薦めしたい。
【通読用として】
▶宅建士 出るとこ集中プログラム
https://paparing-takkenshi.com/entry/2021/03/09/202703
【調べ用として】
▶どこでも宅建士 とらの巻(2021)
https://paparing-takkenshi.com/entry/2021/05/27/183744
一般的な市販教材ではないが、宅建みやざき塾の『超重要ポイントまとめ集』も候補に挙げておきたい。
https://miyazakijuku.stores.jp/items/60d99b94a1ea7c3ebf2287c5
ただし、これらのテキストは、これから紹介する2つの過去問集(一問一答+分野別)を仕上げるために必要な補助的な教材としての推薦なので、そのへんは理解してほしい。
これから劣勢を挽回して合格をつかみ取るためには、次の2点を実行していただきたい。
①一問一答集をマスターする。
②宅建業法の分野別過去問をマスターする。
マスターというのは、最低でも正答率・正解率が95%以上のことだ。もちろん、順序としては①→②となる。
──一問一答に賭ける
もし今の時点で、何一つとして消化できていないのなら、まず「一問一答」のマスターを心掛けてほしい。その際、答の解説もしっかり読んで疑問点をなくしておく。
残りの日数を考えたら、収録問題数の多い一問一答はお薦めできない。しかも予想問ではダメで、過去問ベースの一問一答に限る。
昨年の私は、短期決戦用としてTACの『一問一答セレクト600』をお薦めしてきた。
解説も詳しく、実践的な問題ばかりが収められた素晴らしい一問一答集だと今でも思っている。ただ唯一、収録問題数の少なさだけがネックだった。
今年は、TACを候補として残しておきつつ、日建の『チャレンジ!重要一問一答』を第一にお薦めしたい。
TACの収録問題数が600なのに対し、日建のそれは800である。TACより収録問題数が200ほど多く、ユーキャンと同じである。
ユーキャンとの違いは、各設問の最初のところに、この問題がどんなテーマに属しているのかが太文字で記されているところだ。
これはTACや駿台の一問一答にもあるが、ユーキャンにはない。これがあるとないのでは、各々の設問の理解度が違ってくる。
その点一つ取っても、ユーキャンより日建の一問一答の方が優れている、というのが私の考えだ。解説はどちらも素晴らしいのに、その点だけが惜しい。
そしてこの日建(もしくはTAC)の一問一答を、できれば11月末までに終わらせ、正答率95%以上を達成させる。
もちろん、この一冊のみで合格できるわけではない。だが、この一問一答がベースとなり核となるのだ。
あくまでも私の見立てだが、日建の『チャレンジ!重要一問一答』をマスターできれば、次の点数が期待できる。
権利→7点
法令→5点
税・価格の評定→2点
業法→15点
5問免除→3点
─────
計32点
5問免除については、次の「統計データ」をマスターすれば1点加わり4点となる。
▶統計データのまとめ(2021)【権利】
https://paparing-takkenshi.com/entry/2021/06/21/194057
加えて『直前予想模試』を本試験前に手掛ければ、もう2点ほど上乗せされ35点になるが、それでも安全圏には少し足りない、、
──業法の過去問を究める
たとえ短期決戦用のプランであっても「勝利の方程式」は有効である。
▶勝利の方程式とは?®️
https://paparing-takkenshi.com/entry/2020/02/11/011433
一問一答の次は「分野別過去問」だが、短期決戦で挑むのなら、『ウォーク問』3冊はやや荷が重い(計550題)。
代替案として、日建ならば『テーマ別厳選過去問』という一冊もののコンパクトな分野別過去問がある(300題)。
ただ私の考えでは、一問一答の後にこの分野別過去問を仕上げるよりも、業法に特化した分野別を仕上げた方が点になると思う。
つまり日建の分野別を仕上げて平均的な底上げを図るより、LECの『ウォーク問❷宅建業法』を仕上げた方がよいということだ。
一応、最低限の知識は日建の『チャレンジ!重要一問一答』で学習してあるので、権利や法令が全然ダメということにはならない。
別途、対策を立てるのなら、業法をマスターした後で余裕があれば立てればよい。
私はこれまで、一問一答にしろ分野別過去問にしろ、最終的には95%以上の正答率・正解率をクリアするように主張してきた。
だが業法に特化した学習をするのなら、95%では足りない。限りなく100%を目指してほしい。
特に近年の業法は、個数問題もさることながら、問題自体が全体として難化傾向にある。曖昧な知識や付け焼き刃の知識では対処できなくなっているのだ。
昨年、模試で業法15~17点くらいだった人が、本試験では11点しか得点できなくて合格できなかった人がいた。
コンスタントに18点以上を取っている人は、そこまで点数を落とすことはない。
業法を仕上げられなかった人にありがちな悲劇である。だからこそ業法に関しては、95%ではなく、100%の正解率を目指さなければならないのだ。
日建の『チャレンジ!重要一問一答』と統計で33点前後をゲットし、業法でさらに4点の上乗せを図る。そうすれば、合格ラインの36~38点が見えてくる。五分五分か、その少し上くらいにはなれる。
その上で、LECの『直前予想模試』を4回分解いてマスターすれば、38~40点くらいのレベルには到達できるはずだ。
▶LECの直前予想模試(2021)
https://paparing-takkenshi.com/entry/2021/06/19/200323
日建学院の一問一答
→ウォーク問❷宅建業法
この2冊が重要だが、とりわけ「一問一答」の完全マスターが合否のカギを握っている、といっても過言ではないだろう。
日建の一問一答が完璧ならば、『ウォーク問❷宅建業法』は1~2週間で仕上がる。
そのためには、一問一答を11月末までに確実にマスターすること。
それが達成できれば、たとえ短期決戦といえども、合格を勝ち取ることは十分に可能だと信じる。
今がどんな状況であれ、どれだけ未完成であったとしても、諦めさえしなければ合格の可能性はまだ残されているのだ。
だから自分を信じて、最後まで食らい付いていってほしい。