──宅建試験の得点戦略
宅建試験は、ほんの十数年前までは、7割の35点を目指して戦略を練ればよかった。
平成14年の36点は例外中の例外とされ、テキストの前書きなどでも、7割の35点を目指せば大丈夫!と記されていることが多かった。
ところが平成22年に合格基準点が再び36点となり、翌23年も36点だった。
つまり、平成14年から23年までの僅か10年間で、3度も合格基準点が36点となったのだ。
これにより、宅建の「7割合格説」は完全に崩壊した。予備校の教材や市販テキストも、軌道修正を余儀なくされたのである。
そして平成30年の37点に令和2年10月試験の38点、、
平成20年までの宅建試験は、権利関係が16問、宅建業法も16問、法令上の制限が9問だった。税法も今より1問多くて3問という振り分けだった。
平成21年度から、業法が4問増えて20問となり、逆に権利は2問減って14問に、法令と税も1問ずつ減って現在に至っている。
比較的難しい権利と法令と税が減り、得点しやすい業法の問題数が増えたのが、合格基準点が上昇した一番の要因だろう。
取引主任者から取引士へと名称が変わろうとする平成26年(32点)と27年(31点)に問題が難化したのは、その反動だと思われる。
宅建が相対評価の試験である以上、仮に合格基準点が40点を超えたとしても文句は言えない。
平成30年の合格発表後、ネットで、
「これまでの最高が36点で、それを目指して頑張れば大丈夫だと言われていたのに、今年に限って合格点が37点なのは納得できない」
と嘆いていた36点の不合格者がいたが、相対評価だから仕方がない。
ちなみに平成30年の合格率は15.6%だった。
試験制度や点数を批判するのではなく、上位15.6%以内に入らなかった自分自身を責めるべきである。
──令和3年以降の得点戦略
令和2年の本試験前ならば、各分野の得点戦略はこんな感じだった。
権利関係 9/14点以上
法令上の制限 6/8点以上
宅建業法 17/20点以上
税その他 5/8点以上
しかし令和3年からはこうなった。
権利関係 9/14点以上
法令上の制限 6/8点以上
宅建業法 18/20点以上
税その他 5/8点以上
難易度の高い権利や法令で1点の上積みを図るよりも、比較的易しい業法で更に1点取りにいく方が現実的だ。
18点は決して不可能な点数ではない。
私は業法19点だったし、息子の健斗も、合格した年こそ14点だったが、前年の初受験の時は18点だった。
小5が業法で18点とれたんだから、皆さんにできないはずがない。
どのみち、主要3分野で手を抜いたら合格は厳しくなる。3分野とも満遍なく学習し、苦手な分野は作らないようにしたい。
令和3年度の試験では、10月試験、12月試験とも合格ラインが34点まで下がったが、令和4年度では再び36点まで跳ね上がった。
権利は9点以上、法令は6点以上、そして業法は18点以上を目指す。いや必ず得点する。
それこそが、今後の宅建試験で合格を勝ち取るための「各分野の得点戦略」である。