──勉強する順序①
まずテキストをさらっと読み、次いで該当箇所の一問一答(過去問ベースのもの)を解く。宅建が大きく4つの分野に分かれているからといって、各分野ごとにテキスト→一問一答の順に勉強していくわけではない。
例えば、テキストで権利関係の意思表示を読んだら、すぐさま一問一答の該当箇所の問題を解く。
続いてテキストで制限行為能力者の項目を読んだら、やはり一問一答の該当する問題を解いていく。
そんな感じで進めていく。
間違っても、テキストで権利関係分野をすべて読み終えてから一問一答という手法はとらないように。
2022年版までは日建のテキストと一問一答を推薦していたが、2023年に引き続き2024年版もLECトリセツの『基本テキスト』と『一問一答』を第一にオススメしたい。
テキストの情報量は少なめだが、読みやすくて無駄がなく、初学者にとってこれくらいがちょうど良い。
一問一答はすべて過去問の肢で成り立っていて、他の一問一答とは異なり、通常の解説とは別に「一行解説」が添付されている(以上トリセツ)。
また権利関係から始まるテキストと、宅建業法から始まるテキストの2通りがあるが、私は権利関係から始めた方がいいと思う。
難易度は権利関係の方が高く、その後に宅建業法へと進んだ方がスムーズにいく。これが逆だと、次の権利関係のハードルの高さに疲弊してしまう可能性があるからだ。
テキストを読んでから一問一答に移っても、すんなり問題が解けるとは限らない。テキストより過去問(ここでいう過去問は一問一答を含む)の方が、総じて難しいからである。
とはいえ、ここでもたもたしているわけにもいかない。解けても解けなくても、とりあえず解説部分を読む。理解できるまで読む。
解説を読んで意味不明の場合は、再度テキストに戻り、理解できるように努める。
この手順を踏んだにもかかわらず、理解できない場合は先に進む。その際、問題番号に✕でも付けておく。
そういう問題は、何度か繰り返していくうちにどこかで突然分かるときが来るもの。それを信じて、どんどん先へ進んでいく。
テキスト→四択過去問の順に勉強している人も多いが、テキスト→一問一答の方がサクサク進むし、一つ一つの肢を細部にまで分析できる。
一問一答を介さずに、いきなり四択過去問から始めてしまうと、正解肢以外の肢をおろそかにしてしまう可能性がある。
例えば1番が正解肢だった場合、2~4の肢をしっかり分析せずに流してしまうかも知れないのだ。
4番の肢が、試験対策上、最も重要な肢だったのかも知れないのに、、
【トリセツ以外】
初学者にはトリセツシリーズが一番のオススメだが、ある程度基礎力のあるリベンジ組にはTACの「わかって合格るシリーズ」もオススメ候補として推しておきたい。
https://twitter.com/paparing_tks28/status/1773220582827716647?t=80WTJF701pkMVr5de1l3ng&s=19
──勉強する順序②
そして一問一答の正答率が95%以上に達したら、次は四択過去問に移る。ここでいう四択過去問は、年度別ではなく分野別だ(注・年度別が絶対にダメというわけではない)。
LECの『ウォーク問』に代表される分野別過去問の方が、同じ項目の問題に集中的に触れることができるため、年度別より知識が頭に定着しやすい。
対応するテキストは、全3巻からなる『合格テキスト』ではなく『とらの巻』を推奨。
分野別は、年度別のように点数が出せないからモチベーションが、という意見もあるが、その代わり正解率を出すことができる。
各年度の点数よりも正解率の方が精緻だし、分野ごとにそれを計算できる点もいい。
そして、この一問一答から分野別過去問へと移る学習の順序が、私がかねてより主張してきた「勝利の方程式」になるわけである。
▶勝利の方程式とは?®️
https://paparing-takkenshi.com/entry/2020/02/11/011433
勝利の方程式は、理論と実践の2つが成り立つことで完成するものだ。
理論とは、一問一答→分野別過去問の学習の順序のことであり、実践とは、その両方で正解率95%以上を達成することである。
▶95%以上が合格ゾーン®️
https://paparing-takkenshi.com/entry/2020/02/14/202428
──模試の位置付け
一問一答と分野別過去問の正解率がともに95%、いや、最低でも90%を超えてからでないと、模試を受けても散々な結果になる。
この場合の模試は、市販のものでも予備校のオープン模試でも、どちらでも構わない。
仮に、過去問の正解率80%で宅建模試に初チャレンジした場合、恐らく30点そこそこの点数しかとれないはず。
もちろん、それには理由がある。
模試とは、本試験を模して作られた試験のことをいう。そして宅建試験の場合、過去問の「焼き直し率」がおよそ7割だ。大抵の模試もそれに則って作られている。
年度別40点の人が模試を受けた場合、
50×0.8×0.7+α=28+α
の計算どおり、30点そこそこの点数しか期待できない。これについては、次のブログ記事で触れてある。
▶焼き直し率について考察する®️
https://paparing-takkenshi.com/entry/2020/02/15/115205
このように、一問一答と分野別過去問の両方で、正解率95%以上を達成することが何より重要である。
つまり過去問をしっかりマスターした後でないと、模試での高得点は期待できない、ということだ。
このことを知らずに、過去問を適当に済ませてから模試を解き、その復習に力を入れる、などということはあってはならない。
それこそ本末転倒である。
過去問の正解率が80%で模試を受けるくらいなら、正解率を95%以上にして模試を受けない方がまだマシだ。
過去問が基礎であって、模試はそれがどれだけモノになっているかの確認作業に過ぎない。過去問という土台があってこその模試なのだ。
基礎工事がいい加減だと、その上に完成した建物もすぐにダメになる。
一問一答と四択過去問という土台がしっかりしていなければ、その上の模試にいくら力を入れても大して意味をなさないのだ。
テキストの通読は、最初の1~2回で十分。その後は調べるために用い、過去問学習に大部分の時間を割く。
テキストを除けば、一問一答→四択過去問→模試という順に手を付けていき、最後にラスボスの本試験が待ち受けている、という構図になる(下図参照)。
このピラミッド図を、下から順にマスターしていってもらいたい。
一問一答と四択過去問なら一問一答が先である。そして、過去問と模試ならば過去問のマスターが土台となり、その上に模試がくる。
この順序を間違えてはならない。
上記のピラミッド図では、一問一答と四択過去問の面積比が全体の70%くらいになっているが、実際は90%以上である。
この水色部分のマスターこそカギであり、土台であり、合格へのパスポートとなる。
【YouTubeの関連動画3点】
私ことパパリン宅建士を取り上げているYouTube動画のURLを添付しておいたので宜しければご視聴ください。
〈開始1分〜〉
https://youtu.be/vYUVg8cXnM4?si=qirZrRwPg-_I3lxf
〈開始14分〜〉
https://youtu.be/bTSu1iQmwHA?si=iNHPOCQJdnQ0dst0
〈開始6分30秒〜〉
https://youtu.be/FO8H9yaWy98?si=czl_54-eWTVBYRjX