- ──賃貸借契約とは?
- ──賃貸借の存続期間
- ──不動産賃貸借の対抗力
- ──不動産の賃貸人たる地位の移転
- ──賃借人による妨害の停止の請求等
- ──賃貸人による修繕等
- ──賃借人による修繕
- ──敷金
- ──賃借人の原状回復義務
──賃貸借契約とは?
貸主が借主に対して目的物を使用・収益させることを約束し、これに対して借主が賃料を支払い、目的物を契約終了時に貸主に返還することを約束する契約を「賃貸借契約」という。
代表的なものが、マンションやアパートを貸し借りするときに交わす貸主と借主との間の契約である(注:動産や土地の賃貸借の場合もあり)。
この賃貸借契約も、通常の売買契約と同様に、書面を交わさなくても成立するので注意が必要だ。
また民法の賃貸借を理解してないと、宅建試験で出題される「借地借家法」の理解が困難になるので、しっかり押さえておきたい。
──賃貸借の存続期間
第604条 ①賃貸借の存続期間は、( a )年を超えることができない。契約でこれより( b )を定めたときであっても、その期間は、50年とする。
②賃貸借の存続期間は、( c )することができる。ただし、その期間は、更新の時から50年を超えることができない。
❶賃貸借の存続期間は、20年を超えることができない。◯か✕か?
──不動産賃貸借の対抗力
第605条 不動産の賃貸借は、これを( d )したときは、その不動産について物権を取得した者その他の第三者に対抗することができる。
❷不動産の賃貸借は、これを登記しても、その後その不動産について物権を取得した者にはその効力を生じない。◯か✕か?
──不動産の賃貸人たる地位の移転
第605条の2 ①前条、借地借家法(平成3年法律第90号)第10条又は第31条その他の法令の規定による( e )を備えた場合において、その不動産が( f )されたときは、その不動産の賃貸人たる地位は、その譲受人に移転する。
②前項の規定にかかわらず、不動産の譲渡人及び譲受人が、賃貸人たる地位を譲渡人に( g )する旨及びその不動産を譲受人が譲渡人に( h )する旨の合意をしたときは、賃貸人たる地位は、譲受人に移転しない。この場合において、譲渡人と譲受人又はその承継人との間の( i )が終了したときは、譲渡人に留保されていた賃貸人たる地位は、譲受人又はその承継人に移転する。
③第1項又は前項後段の規定による賃貸人たる地位の移転は、賃貸物である不動産について( j )をしなければ、賃借人に対抗することができない。
④第1項又は第2項後段の規定により賃貸人たる地位が譲受人又はその承継人に移転したときは、第608条の規定による( k )に係る債務及び第622条の2第1項の規定による同項に規定する( l )に係る債務は、譲受人又はその承継人が承継する。
❸Aは、Bの土地を借り、建物を建て自己名義の登記をした。その後、Bは、Aの承諾を得ることなく当該土地と賃貸人の地位をCに譲渡し、登記した。この場合、当該土地の譲受人Cは、賃借人Aに対し、賃貸人たる地位を主張することができる。◯か✕か?
❹Aは、Bの土地を借り、建物を建て自己名義の登記をした。その後、Bは、Aの承諾を得ることなく当該土地と賃貸人の地位をCに譲渡した。この場合、Cは、土地の所有権移転登記を備えなくても、Aに対し、賃貸人たる地位を主張することができる。◯か✕か?
❺Aは、Bから建物を賃借して居住し、その間に同建物につき有益費を支出したが、その後に、B・C間で賃貸人たる地位の移転が生じた場合に、Aは、原則としてBに対しては有益費の償還を請求することができない。◯か✕か?
──賃借人による妨害の停止の請求等
第605条の4 不動産の賃借人は、第605条の2第1項に規定する( m )を備えた場合において、次の各号に掲げるときは、それぞれ当該各号に定める請求をすることができる。
1 その不動産の占有を第三者が妨害しているとき→その第三者に対する( n )の請求
2 その不動産を第三者が占有しているとき→その第三者に対する( o )の請求
❻Aは、Bから甲土地を賃借したが、甲土地の占有をCが妨害している。この場合、Aは、賃借権につき対抗要件を備えていなくても、Cに対して妨害の停止の請求をすることができる。◯か✕か?
──賃貸人による修繕等
第606条 ①賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な( p )をする義務を負う。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。
②賃貸人が賃貸物の( q )に必要な行為をしようとするときは、賃借人は、これを拒むことができない。
❼賃貸人が賃貸物を保存するために必要な行為をしようとする場合、賃借人はこれを拒むことができる。◯か✕か?
──賃借人による修繕
第607条の2 賃借物の修繕が必要である場合において、次に掲げるときは、賃借人は、その修繕をすることができる。
1 賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を( r )し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が( s )に必要な修繕をしないとき。
2 ( t )があるとき。
❽賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないときに限り、賃借人はその修繕をすることができる。◯か✕か?
──敷金
第622条の2 ①賃貸人は、( u )を受け取っている場合において、次に掲げるときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する( v )を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない。
1 賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の( w )を受けたとき。
2 賃借人が適法に( x )を譲り渡したとき。
❾賃貸人は、敷金を受け取っている場合において、賃借人が適法に賃借権を譲り渡したときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない。◯か✕か?
──賃借人の原状回復義務
第621条 賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた( y )がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を( z )を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
*新設規定につき過去問なし。
【条文穴埋めの答】a 50、b 長い期間、c 更新、d 登記、e 賃貸借の対抗要件、f 譲渡、g 留保、h 賃貸、i 賃貸借、j 所有権の移転の登記、k 費用の償還、l 敷金の返還、m 対抗要件、n 妨害の停止、o 返還、p 修繕、q 保存、r 通知、s 相当の期間内、t 急迫の事情、u 敷金、v 金銭の給付、w 返還、x 賃借権、y 損傷、z 原状に復する義務
【一問一答の答】❶✕(旧民法での存続期間は20年だった) ❷✕ ❸◯ ❹✕ ❺◯ ❻✕ ❼✕ ❽✕ ❾◯