──はじめに
正直、宅建のテキストについては、私はそれほど詳しいわけではない。
駿台の『速攻テキスト』や宅建学院の『らくらく宅建塾』、LECの『合格のトリセツ』あたりは、文字数も多くないし、初学者には読みやすいと思う。
また住宅新報出版の『パーフェクト宅建の基本書』とLECの『合格テキスト』❶~❸の2種は、詳しさでは他の追随を許さないものがある。
毎年5月下旬に発売になるLECの『とらの巻』は、最新の法改正に対応した数少ないテキストで、これに関しては昨年もブログ中で何度か取り上げた。
それら以外では、まとめテキストの『パーフェクト宅建の要点整理』や、TACのわかって合格(うか)るシリーズの『基本テキスト』も悪くない。
だが私が重要視するのは、テキストではなく過去問の方だ。一問一答式も、オリジナル問題ではなく、過去問の肢で構成されたものをお勧めしてきた。
一問一答とそれに続く分野別過去問が、ともに過去問で構成されていないと「勝利の方程式」が成り立たない。分野別だけではなく、一問一答も過去問ベースでないと方程式が活かされないのだ。
勉強を2つの段階に分けた場合、第一段階に「一問一答式」を置き、第二段階に「分野別過去問」を配置する。この順序で勉強を進めていくことが、合格を手にするための最善の方法と考える。
それでは、その「勝利の方程式」に沿った推薦教材を、もう一度ここで整理しておきたいと思う。
──初学者&通常のリベンジ組向け
【一問一答式の推薦教材】
・うかる!宅建士 一問一答+予想模試(駿台)
・パーフェクト宅建の一問一答(住宅新報出版)
・宅建士 どこでもチャレンジ 重要肢攻略999(日建)
【分野別過去問の推薦教材】
・出る順宅建士 ウォーク問❶~❸(LEC)
・宅建士 どこでも過去問❶~❸(日建)
・スッキリとける宅建士 論点別12年 過去問題集(TAC)
ベストの組み合わせは、駿台の『一問一答』とLECの『ウォーク問』3冊である。
出版社こそ異なるが、収録問題数が多めで、解説も分かりやすく「一行解説」が置かれている(駿台の全肢と、LECの誤りの肢の解説部分の上部)など共通性もある。もちろん両者とも過去問だ。
これらは上記のどの組み合わせでも問題ないが、一問一答式に日建の『重要肢攻略999』を用いたのなら、分野別でも日建の『どこでも過去問』を使用した方がいい。同じシリーズ同士の方が、リンクもしてるし、記憶の定着もいくらか早まると思う。
それ以外は、どんな組み合わせにしようが、最終的に合格レベルには到達できるはずである。ただし、一問一答にしろ分野別過去問にしろ、95%以上の正解率を達成するまでやり込む必要がある。
──時間に余裕のないリベンジ組向け
【一問一答式の推薦教材】
・わかって合格(うか)る宅建士 一問一答セレクト600(TAC)
・ユーキャンの宅建士 これだけ!一問一答集(U-CAN)
【分野別過去問の推薦教材】
・わかって合格(うか)る宅建士 分野別過去問題集(TAC)
・ユーキャンの宅建士 テーマ別問題集(U-CAN)
これらは勉強時間を捻出するのが困難な、リベンジ組のための教材である。もう一つ加えるのなら、本試験で30点以上取れるそこそこ実力のある人を対象としたものだ。
40点以上を狙うための教材ではなく、合格基準点を少し超えたところを意識したものである。曖昧なまま終わらせたのでは当然合格は厳しい。
ある程度実力のあるリベンジ組のための教材ゆえ、通読用のテキストは必要ない。しかし、調べるためのテキストは用意しておいた方がいいだろう。
そして一問一答も分野別過去問も、同じ出版社の同じシリーズ同士で組み合わせる。TACならTACのわかって合格(うか)るシリーズ同士で、ユーキャンならユーキャン同士で。テキストも同様に。
どちらの出版社を選んでも、最終的な実力に大きな差は生じないが、私ならTACを選んだと思う。どちらを選んでも、合格するためには、正解率95%以上を達成することが「最重要課題」となる。