──基礎力が何より大切
難問を追いかけてはいけない。基礎を大切にし、他の受験生の大半が取れる問題を確実に取る。
宅建試験の鉄則である。
具体的にいうと、正解率50%以上の問題すべてに正答できれば合格できる。これができて不合格になった年はない。データがそれを証明している。
例えば平成30年度の宅建試験。ある予備校のデータだが、正解率50%以上の問題が44題もあった。過去問の焼き直し率が例年以上に高く、結果、合格基準点は「37点」と過去最高を更新した。
昨年は、正解率50%以上の問題は41題だった。合格基準点は「35点」である。やはり過去問の焼き直し問題も、例年に比べて多めだった。
言うまでもなく、正解率50%以上の問題は基本的な問題が多い。2人に1人以上が正解しているのだから、少なくとも難問の類いではない。
この手の問題は、過去問を何周も回せば普通に解けるもの。難易度の易しい問題から順に、A→B→Cとランク付けされていたら、当然AかBの問題ということになる。Cだと、正解率50%は超えない。
この場合の「易しい問題」とは、言い換えれば「出題頻度の高い問題」のこと。手を替え品を替え、論点が同じ問題として、過去問にたびたび登場する目にする機会の多い問題群のことである。
──合格基準点+3点がマスト
上記は予備校のデータなので、少し割り引いて考える必要がある。予備校を利用していない通信もしくは独学の人の合格基準点は、標準的な予備校の受講生のそれより3点ほど下がるからだ。
予備校のデータだと、正解率50%以上の問題は、合格基準点より5~7問ほど数が多かった。しかし一般受験生だと、数にしておよそ2~4問上といったところ。
予備校が平均6問上で、一般のそれは3問ほど上。これを過去の合格基準点に上乗せする。過去最高の合格基準点が、2018年の「37点」だから、目標とすべきは+3点の「40点」ということになる。
正解率50%以上の問題をすべて解ければ、自ずと40点という数値にたどり着く。これこそが、皆さんが本試験で目標とすべき点数なのだ。
2018年の37点は例外中の例外として、36点あたりを目指せば大丈夫という風潮がある。だが私は、これには賛成しかねる。
ここ数年、受験生の声に耳を傾けてみると、その多くが「本試験での点数は自分が試験前に予想していた点数より低かった」と語っている。
点数にして3点ほど低いようだ。つまり36点を狙いにいくと、33点くらいしか取れないということ。
宅建を受験した経験のある方なら常識かも知れないが、初学者はこれを知らない。知らないが故に、足をすくわれてしまうのだ。
だから皆さんが狙うべきは合格基準点ではなく、それより+3点高いところ。ずばり、
「40点」
を目標にしてしほしい、ということだ。
ただし、過去問で40点を取ることを目標にしてはダメ。それでは受からない。あくまでも本試験での目標点数である。
そしてこの「40点」という点数は、平均的な受験生が、正解率50%以上の問題をすべて正解したときの点数とほぼ同じ。これがマストで、皆さんにはこれを目指して頑張ってもらいたい。