──8割では合格できない
正解率95%以上!!
もちろん宅建の本試験での正解率ではなく、過去問の正解率のことだ。
一問一答集にしろ、四択の過去問集にしろ、最終的には「95%以上」の正解率を目指してほしい。いや、目指さなければならない。
5〜6年ほど前に、ネットで
「年度別で40点に届いていたのに宅建試験に合格できなかった」
という書き込みを見たことがある。
今から5〜6年前だから、合格基準点が35点の年だ。その人(男性)は、最初のうちは過去問を解いても半分の25点も取れなかったらしい。
しかし、何度か繰り返しているうちに各年度の合格基準点を突破し、最終的には40点に届くまでになった。
それで満を持して本試験に挑んだが、合格することができなかった。
「過去問をやり込めば宅建試験に合格できると聞いていたのに、、」
と呟き、意気消沈していたという。
もし彼が目の前にいたら、私はこう言っただろう。
「なぜ過去問の正解率を95%以上にしなかったの?」
年度別で40点は、正解率でいうと8割だ。これでは合格できない。
とはいえ正解率95%以上は容易なことではない。年度別なら48点。
統計問題は計算に入れないし、民法改正で成り立たなくなった問題もあるだろうから、実際には45/47点(95.7%)〜47/49点(95.9%)。
過去10~12年間のすべての年度で、この45/47〜47/49点以上の点数をクリアして、ようやく95%以上の正解率を達成したといえる。
間違いが許されるのはたった2問だ。
宅建試験は、他の法律系国家試験と比べても、過去問の「焼き直し率」が高い試験である。
合格基準点が35点の年で約7割。33点だと約6割で、37〜38点で8割ほど。
行政書士試験の過去問の焼き直し率が約4割と言われているので、7割がいかに高いかがお分かりだろう。
例外的に、平成26年度(32点)と27年度(31点)は、焼き直し率が5割を下回っていたというデータがある。
この2年間を除外して考えれば、宅建試験の過去問の焼き直し率は、およそ6~8割ということだ。
焼き直し率が高いと合格基準点は上がり、低ければ下がる。宅建試験の難易度は、焼き直し率が高いか低いかによって決まるのではないか?
通常の年であれば、過去10~12年の過去問をやり込めば「35点」は固い。
初出の問題が15問あったとして、それらを勘でマークするだけで3~5点が加算されるから、実際には38~40点くらい得点できる計算だ。
もちろんケアレスミスも考えられるから、そこから1~2点ほど下げて計算しても、合格基準点は十分にクリアできていることになる。
私の場合、一問一答にしろ四択過去問にしろ、正解率90%ではまだまだ不安でいっぱいだった。
だが繰り返し解くうちに正解率も上がっていき、95%を超えたあたりで合格圏に達したと感じた。
特に根拠があったわけではないが、感覚的にそう思えたのだ。
9月末に『ウォーク問』3冊で95%以上の正解率を叩き出した後、LECの『直前予想模試』を解いたら、39~44点(4回分)という得点だった。
私は正直、「いける」と思った。
しかし慢心はダメだ。
その後も、本試験前までウォーク問を続けていった結果、最終的な正解率は98%を超えていた。
しかも間違えたのは税の一部のみ。権利に業法、法令の3大分野+免除科目はすべて正解だった。
私が私の中で「合格」を確信した瞬間だった。
──分野別と年度別の違い
春先から夏にかけては「一問一答」に専念した方がいい。正答率が95%以上に到達するまでは、一問一答から離れるべきではない。
四択の過去問集や予想模試に手を付けるのはその後で十分だ。
一問一答の正答率が95%に達したら、次にやるべき問題集は「分野別過去問集」である。
分野別の一番のメリットは、同じ項目の問題を集中的にこなせること。
例えば権利関係の「代理」の過去問を解こうとしたら、8~10問ほど連続して代理の問題を解くことになる。
当然、その項目の力も付いてくる。
これを「年度別過去問集」で実践しようとすると、まず各年度ごとに代理の問題を探し当て、それを一つずつ抜き出さなければならない。
面倒だし、得られる知識も断片的なものになりやすい。
もちろん年度別にもメリットはある。
各年度の合格基準点が明記されているので、それを参考に、今の自分の実力を知ることができることだ。
合格点に達しているのかいないのか、達していない場合、あと何点で合格基準点に届いていたのか、、
ただし、意味のあるのは最初に解いたときの点数だけ。その後は「分野別過去問集」と同じく、正解率が自身の実力を測る尺度となる。
──年度別過去問の注意点
仮に、初学者が早い段階で「年度別過去問集」を解いたとしよう。平成28年度、合格基準点が35点のときの過去問を解いたとする。
最初だから、点数の方も芳しくないはず。一回目が20点しか取れなかったとしよう。見直しの段階で、解説部分を読んだり、テキストに戻って調べたりするのが普通である。
そういう手順をふんで、また一ヶ月後に同じ過去問を解けば、大抵は前回よりも点数が上がっている。30点に届いているかも知れない。
そして3周目あたりで、ようやく合格基準点を上回るようになる。仮に36点だったとしよう。
20点→30点→36点と点数が伸び、
「合格基準点を突破した!」
と声を出して喜ぶのであろうか??
ちょっと待ってほしい。同じ問題を繰り返し解けば、点数が上がるのは当たり前だ。その点数は、真に実力で勝ち取った点数ではない。
ましてや、合格基準点をクリアしたからといって「合格」にはならない。年度別過去問集を使っている(これから使う予定の)皆さんは、このことに留意しなければならない。
年度別を解いたときの点数で、本当に意味のあるのは最初の点数だけだ。
そこから徐々に点数を上げていき、最終的には95%以上の正解率まで持っていく。
そこまでやれて、ようやく「合格ゾーン」が見えてくるのだ。分野別でもそれは同じ。
最初の点数から正解率95%に達するまでの途中の点数は、単なる通過点に過ぎない。
たとえ合格基準点を超えようと、40点に到達しようと、それで一喜一憂することではないのだ。
過去問というのは本来、全問正解するまで繰り返す必要がある。95%以上の正解率というのは、合格するための最低限のノルマに過ぎないのだ。
過去問はできて当たり前。95%以上の正解率にまで到達して、初めて合格が射程圏内に入ってくる。
合格レベルにある他の受験生たちと、堂々と競い合えるようになる。
年度別過去問集を用い、何回転かさせた後、ある年の点数が40点に届いたからといって安心してはいけない。合格できると思ってはいけない。
それは壮大な錯覚であり、幻想あるいは蜃気楼のようなものだ。
一問一答にしろ、分野別過去問にしろ、はたまた年度別過去問にしろ、必ず95%以上の正解率を目指す。
それができなければ合格は厳しいし、できれば合格する。
皆さんが過去問で目指すラインは、各年度の合格基準点でもなければ、40点でもない。何度もいうが、95%以上の正解率である!!
最後に、私と息子の健斗が使った「分野別過去問集」の最終的な正解率を示しておきたい。
健斗の場合、一年目に『ウォーク問』も使用したが、二年目に合格した年は日建の『どこでも過去問』だった(日建は現在一冊本になっている)。
・私=ウォーク問❶〜❸
最終正解率→98.4%
・健斗=どこでも過去問❶〜❸
最終正解率→100%
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