──テキストの使い分け
市販の宅建テキストには、情報量の多いものと少ないものがある。
情報量の多いテキストは、主に調べるときに重宝し、情報量の少ないテキストは通読するのに向いている。
法律の初学者が、最初から情報量の多いテキストに手を出しても、途中で挫折する可能性が高い。
英単語帳でいえば、最初から見出し語だけではなく、派生語なども同時に覚えていくようなイメージ。
反対に、情報量の少ないテキストはスラスラと読み進むことができるが、過去問で分からない箇所に出くわしたときに載っていないことがある。
英単語帳でいえば、見出し語はあるが、派生語などがない状態。
重要な論点をA〜Cにランク分けした場合、情報量の多いテキストにはA〜Cのほとんどが掲載されており、情報量の少ないテキストには、A,Bランクしか載っていない。
大ざっぱに言えばそういうこと。
どちらのテキストにもメリット、デメリットがあるということだ。
しかしながら、初学者の方がまず最初に手にしてほしいテキストは情報量の少ないタイプのものである。
途中で挫折するリスクが少なく、全体をいち早く俯瞰できるからだ。
ただし、情報量が少ないテキスト一冊だけだと調べるときに不便なので、できればもう一冊、情報量の多いテキストも用意しておく。
散財と思うなかれ!
不合格になるリスクを考慮すれば、その程度の出費は許容すべきである。
情報量の少ないテキストをメイン学習に使い、多いテキストを分からないところを調べるために用いる。
つまり通読用と調べ用。この2冊をうまく使い分けるのだ。
これが初学&独学者が、効率的にテキストの内容をモノにする一番の方法であると私は信じている。
通読用と調べ用の代表的なテキストを挙げておくが、どれを選択するかは皆さんの判断にお任せしたい。
【通読に適したテキスト】
・宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト(LEC/東京リーガルマインド)
・宅建士 出るとこ集中プログラム(中央経済社)
・らくらく宅建塾(宅建学院)
【調べるのに適したテキスト】
・出る順宅建士 合格テキスト❶〜❸ (LEC/東京リーガルマインド)
・パーフェクト宅建士 基本書(住宅新報出版)
・わかって合格る宅建士 基本テキスト(TAC出版)
──一問一答の重要性
先に、情報量の多いテキストにはA〜Cランクの論点が、情報量の少ないテキストには、A,Bランクの重要論点が掲載されていると述べた。
それは過去問も同じで、直近10〜12年分の過去問集にはA〜Cランクまで、分野別のように重要問題をセレクトしてあるものには、主としてA,Bランクの問題が掲載されている。
Cランクの問題をとれれば高得点も期待できるが、合否を決するのは、A,Bランクの問題である。
これらA,Bランクの問題で、いかに取りこぼしを最小限に抑えるか。
いくらCランク問題が解けても、それ以上にA,Bランクの問題を落としていたら合格は見込めない。
逆にいえば、A,Bランクの問題で取りこぼしさえしなければ、合格基準点は超えると考えてよい。
そういう意味でも、A,Bランクの重要テーマや論点はしっかり押さえておく必要があるのだ。
肢単位で見た場合、分野別過去問にもCランクの肢が含まれていることがあるが、一問一答はほぼA,Bランクの肢で構成されている。
ムダがない分、一問一答の方が四択過去問より効率的といえる。
重要な肢のみで成り立っている一問一答は、まさに重要論点の宝庫!
四択過去問の場合は、年度別であろうと分野別であろうと、Cランクの肢は必ず含まれている(その比率は年度別の方がずっと高い)。
だから最初に、初学者が手にする過去問集は一問一答がオススメなのだ。
初学者の方は、最初はCランクの問題は避けた方がよい。
そうしないとA〜Cがごっちゃになり、どれが基礎レベルでどれが発展レベルなのかが把握できなくなる。
A,B,Cのそれぞれのランクが、どれも同じくらいに重要なものだと錯覚してしまう可能性があるのだ。
もう一つ、一問一答には過去問の肢をセレクトしたものとオリジナル問題で成り立っているものがある。
宅建試験の過去問の焼き直し率の高さを考えたら、過去問の肢で構成された一問一答集をオススメしたい。
収録問題数も、あまり数が少なすぎてもダメ、多すぎてもダメ。600〜1000くらいのものを選んでほしい。
以上の条件を満たした一問一答集はいくつかあるが、私が特にオススメしたいものは次の4点である。
・どこでも学ぶ宅建士 チャレンジ!重要一問一答(日建学院/建築資料研究社)
・わかって合格る宅建士 一問一答セレクト600(TAC出版)
・宅建士 合格のトリセツ 頻出一問一答式 過去問題集(LEC/東京リーガルマインド)
・パーフェクト宅建士 一問一答 Pocket (住宅新報出版)
次点はユーキャンの一問一答だが、相性が合えば使ってもよいと思う。
テキストと一問一答を同じ出版社の同じシリーズで選ぶとすれば、LECのトリセツが一番かも知れない。
情報量が少なめで通読向きのテキスト&過去問ベースの一問一答という組み合わせで考えれば、トリセツが頭一つ抜けている気がする。
もっとも、テキストと一問一答を必ずしもリンクさせなければいけないわけではないから、そこらへんは臨機応変に対処すればよい。
例えば、『らくらく宅建塾』と『チャレンジ!重要一問一答』の組み合わせや、『出るとこ集中プログラム』と『一問一答セレクト600』の組み合わせもありだと思う。
その代わり、情報量の多い「調べるのに適したテキスト」は、上記3種類の中から選んだ方がよいだろう。
いずれにせよ、通読向きのテキストと一問一答の選択は早めに済ませ、願書を提出する7月頃までに仕上げることが一つの目安となる。
仕上げるとは、一問一答の正答率が95%以上になることだ。
テキストを何回読んだとか、一問一答を何回解いたといった表面的な数字ではなく、正答率という厳格な基準をクリアしなければならない。
もちろん、理解が伴った上での正答率であることは言うまでもない。
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