──まんが本から入ることの意義
これから宅建の勉強を始めようとする初学者の方々が、いきなり活字の分厚いテキストから入ろうとすると途中で挫折する可能性が高い。
予備校などでカリキュラムに沿って授業が進んでいくのならまだしも、独学者には少々荷が重いだろう。
そんな初学者かつ独学者の方々には、宅建の「まんが本」から入ることをオススメしたい。
まんが本といっても、基礎の基礎くらいの情報量が含まれているため侮ってはならない。
一冊のまんが本を隅々まで仕上げれば、宅建の本試験でも半分くらいは得点できるからだ。
もちろん、まんが本だけで合格などできないが、一番土台となる部分つまり知識の核ができる。
これが案外大きい。
知識の核さえできれば、後はそこにさらなる知識を少しずつ肉付けしていくだけだ。
その肉付け作業はそれほど苦痛ではない。苦痛どころか、人によってはそれが楽しみに変わるかも知れない。
この核がないと、この先の学習にも何らかの影響が及ぶはず。
砂上の楼閣のように、砂の上の建築物が突然崩れ落ちる可能性だってある。
初学者が最初から分厚いテキストを読んでいくと、どれが基礎で、どれが発展なのかを把握できない。
重要度Cのものを、重要度Aのものと同じ視点で捉えてしまう。
その結果、頭の中がごっちゃになり、重要なものと、それほど重要でないものとの区別が付かなくなる。
学習の鉄則は、まず最重要なものを押さえ、次いで重要なものというふうに順序立てて学んでいくことだ。
それが最初からごっちゃになっていたのでは、いつまで経っても基礎を固めることができない。
勉強慣れしている人ならまだしも、初学者が自らの選択で重要度の高いものを選ぶのは至難の業だと思う。
だが、まんが本から入れば、自然と重要度Aから押さえることになる。
その後に通常のテキストに移ったとしても、すでに何が重要度の高いものかが判っているため、スムーズに読み進められるし理解もしやすい。
だからこそ、初学者の方がまんが本から入るのには意義があるのだ。
──オススメのまんが本は?
宅建のまんが本は、Amazonを見る限り6〜7冊ほど発売されている。
それらの中で、私が特にオススメしたいのは以下に掲げる2冊である。
・これだけ!まんが宅建士(2022年版/日建学院/建築資料研究社)
これは私が毎年オススメしているので、ご存知の方もいるかと思う。
日建学院から出ているまんが本で、取っ付きやすさではナンバー1だろう。
文字通りまんががメインで、活字は最小限に抑えられている。
とはいえ、要所要所でまとめの図や表が付されているため、基礎の基礎レベルの情報量は備わっている。
何よりまんががメインなので、どんどん先に進むことができ、途中で挫折するリスクは少ない。
宅建みやざき塾の宮嵜先生がSHINYA先生という名のオカマキャラで、時々登場してくる点も挙げておく。
宅建業法→法令・税その他→権利関係の順に配置されているため、そこだけが私的には少し残念だ。
というのも、最初に権利関係を置いた方が効率的だと思うからである。
もっともPart3の権利関係から読み始めれば別に問題ないのだが、、
・マンガ宅建塾(2022年版/宅建学院)
次の宅建学院の本は、ちゃんと権利関係から始まっている。
権利関係→宅建業法→法令上の制限→その他の分野となっている。
各分野の順序は申し分ない。
日建と異なるところは、4コマ漫画と活字で構成されている点だ。
見開き2ページが4コマ漫画と活字で、その比率は、3対1のページもあれば、2対2のページもある。
総じて日建より活字が多い分、情報量もやや多い。
個人的には、こちらの方が情報がばらけずに頭に入ってくる感じだ。
あとは好みの問題だろう。
総ページ数は、日建が約350ページで、宅建学院が約260ページである。
どちらを選んでも、基礎の基礎つまり核を作り上げるのに最適といえる。