──最新の法改正に対応
今年もLECの『どこでも宅建士 とらの巻』が5月下旬に発売された。
宅建試験は、毎年4月1日までに施行された法律に基づいて出題される。
ほとんどの宅建教材はそれ以前に発売されているため、最新の法改正に対応していないことが多い。
とらの巻は、4月1日より50日以上も後の発売となるため、宅建試験の出題範囲での法改正が万全なのだ。
メジャーな宅建テキストの中では唯一といっても良いだろう。
同じLECには、3分冊の『出る順宅建士 合格テキスト』もあるが、こちらは最新の法改正には未対応だ。
合格テキストは、3冊合わせて1,200ページを超え、通読向けというよりは調べるためのテキストだと思う。
その点とらの巻は、全体のページ数が約500ページしかない。
とりわけ本文は文章量が少なく通読向きだが、“とらの巻”と称した要点まとめ(232箇所ある)が思いの外詳しく、調べ用としても重宝する。
この“とらの巻”は、同じLECの『出る順宅建士 ウォーク問』全3冊とリンクしており、問題番号と肢番号が記載されている(下段)。
とらの巻を購入するのなら、セットでウォーク問❶〜❸も購入した方が良いし、両者を照らし合わせて勉強すれば効率的なのは間違いない。
──その他の特徴は?
息子の健斗が合格した年の翌年(2015年)から、とらの巻には「とらの子」と称した約30ページの小冊子が付属するようになった。
もちろん取り外しもできる。
簡易なまとめ本だが、薄いので本試験会場へ持参するのに便利だし、超基礎に見落としがないか最終チェックとして活用してもよい。
重要語句が薄めの赤で印刷されており、赤シートで隠して覚えられる仕様だ(赤シートは付属していない)。
価格も、他のメジャーな教材が3,000円前後するのに対し、とらの巻は税込み2,420円と良心的である。
終盤の追い込み期は、とらの巻とウォーク問❶〜❸に絞って仕上げていくのがベストだろう。
宅建の市販教材は数多くあるが、4月1日までの法改正に完全対応したメジャーなテキストを求めるのなら、とらの巻一択である。
──貴重な頻出論点集
LECの宅建教材としては比較的地味な存在だが、『逆解き式!最重要ポイント555』という書籍がある。
内容的には一問一答と大差なく、論点を赤文字にして浮かび上がらせているところが特徴といえる。
言い換えれば「論点集」である。
一問一答を使って勉強するときも、基本的には重要論点を理解し、頭に叩き込むことで実践力が鍛えられる。
TACやLECトリセツの一問一答など、収録問題数が少なめのものを使って勉強している受験生が、不安を感じて別の一問一答に手を出すくらいならこれを使ってほしい。
究極的には、頭の中にどれだけ多くの論点がストックできているかで合否が決まると思うからだ。
曖昧な論点ではなく、しっかりと地に足のついた揺るがない論点。
これが身に付く貴重な論点集だと私は思っている。
総ページ数は約290ページ。
またこの本から読み上げ音声が無料でダウンロードでき、LECの有山講師が担当しているとのこと。
再生速度も1.5倍まで可能で、現代人のニーズにも対応できている。