──記録がモチベーションを高める
たまに知人から、
「最年少記録は狙っていたのか?」
と訊かれることがある。
そういう場合、私はすぐさま
「小5の時は狙っていた」
と答える。
息子の健斗が記録を更新するまで、過去の宅建試験での最年少記録が、ネットや書籍などから12歳であることを知っていたからだ。平成18年に、大阪に住む少年が作った記録である。
健斗が小5で宅建試験に合格すれば、11歳での合格となり、歴代の最年少記録となる。
しかし残念ながら、11歳での合格は叶わなかった。平成25年度の合格基準点は33点。健斗は31点、、
2点足りなかったのだ。
正直いって、この時点で最年少記録への夢は諦めていた。主にネットからの情報だったが、平成18年の12歳は、中学生ではなく「小学生」だったと複数のサイトに記されていたからである。
「一つのサイトなら間違いかも知れないが、複数あるから12歳=小学生というのは正しいのだろう」
私はそう信じて疑わなかった。
健斗の誕生日は7月。本試験は10月にあるから、小6で受かれば12歳と3ヶ月。後の新聞記事には12歳4ヶ月と掲載されたが、12歳3ヶ月が正しい。
これも後に知ったのだが、宅建のような国家試験の場合、合格発表日ではなく、本試験日での年齢が記録となるからである。
大阪の子が、本試験日に12歳2ヶ月以内だった場合、記録更新は夢と消える。12歳3ヶ月でイーブン。12歳4ヶ月以上なら健斗が最年少となる。
今だからこんな計算もできるが、当時は、そんな発想さえ頭に浮かばなかった。ただ漠然と、12歳ならば大阪の子と引き分け?くらいの感覚だった。
単独での12歳ではなく、引き分けタイでの12歳ということで、小5の時よりモチベーションが下がることを私は危惧していた。
それでも健斗は、記録よりも「合格したい」という気持ちが勝っていたため、モチベーションを下げることなく10月の本試験を迎えることができた。
そして平成26年12月3日。
念願の合格を果たした健斗は、合格発表の翌日(12月4日)に読売新聞社の取材を受けることになる。
その時の記者とのやり取りの中で、例の大阪の子が、中1での合格だったと知ったのだ。事前にその記者が、機構側に問い合わせてくれていたのである。記者はこうも教えてくれた。
「大阪の子は試験時12歳と11ヶ月で、試験後すぐに13歳になったようです」
もっと拮抗してると思っていた私は、少し肩透かしを食らった気分だった。
それでも今にして思えば、その大阪の12歳の子がいたからこそ、健斗も頑張れたに違いない。そういう意味では、その男の子には感謝している。
──情報の一元化
私はこれまで「史上最年少合格へ」と題して、健斗が最年少で宅建合格を果たすまでの道程を、全7回分けて記事にしてきた。
そこには嘘の情報や誇張は一つもなく、ありのままを赤裸々にブログ記事にしたためた、真のノンフィクション・ストーリーである。
親子が二人三脚で歩んで合格をつかみとった真実の記録。
まだまだ文章としては未熟だが、その道程を回想録として残しておくことに意味があると思ったので、そのへんはご勘弁いただきたい。
この記事一つで、全7記事すべてを読むことができるよう情報の一元化を図ることにした。
以前に、「改正民法の条文穴埋め&一問一答」シリーズ(全16記事)でも一元化を試みたことがあったので、それを踏襲したわけだ。
以下、各記事のタイトルと小見出し、記事のURLを添付しておくので、興味のある方はご覧ください。
▶史上最年少合格へ①
・初めての敗北
・なぜ宅建試験を受けようと思ったのか?
・小学生に民法が理解できるのか?
・目標に向けて舵を切る
・学業との両立は可能か?
https://paparing-takkenshi.com/entry/2020/01/20/003326
▶史上最年少合格へ②
・小5の夏休みを終えて
・追い込みをかける
・想定外の出来事
・そして運命の日
・ここからが本当のスタート
https://paparing-takkenshi.com/entry/2020/01/21/002000
▶史上最年少合格へ③
・リベンジへ向けて
・運命の一冊と出会う
・そして春休み
https://paparing-takkenshi.com/entry/2020/01/23/000317
▶史上最年少合格へ④
・小学6年生
・予備校のオープン模試
・苦渋の決断
https://paparing-takkenshi.com/entry/2020/01/24/000607
▶史上最年少合格へ⑤
・LECの宅建0円模試
・勝負の夏休み
・それ以外の出来事
https://paparing-takkenshi.com/entry/2020/01/25/002210
▶史上最年少合格へ⑥
・ラストスパート
・LECの宅建ファイナル模試
・魔の修学旅行
https://paparing-takkenshi.com/entry/2020/01/26/164121
▶史上最年少合格へ⑦ final
・モチベーションを取り戻す
・本試験の当日
・運命のいたずら
・希望の光
・努力が報われる日
・環境の変化
https://paparing-takkenshi.com/entry/2020/01/27/185947