──テキストvs過去問
宅建試験では、テキストはもちろん重要だが、過去問はテキストの何倍も重要である。
早い段階でそれに気付けば「一発合格」も夢ではないのだが、如何せんテキスト信者が多すぎる。完璧主義者ほどその傾向が強い。
テキストそのものを否定しているわけではない。あくまでも比重の問題だ。
そもそも500~700ページにも及ぶテキストを隅々まで理解して記憶することなど、我々凡人には不可能である。
以前に「テキスト至上主義の弊害」の中でも述べたが、テキストは軽くさらっと読んで、過去問学習に時間を費やす。
これが最短ルートで宅建試験に合格するための、言わば「王道」なのだ。
そして、このテキストと過去問のどちらにウェートを置くべきかの議論と共に、もう一つ見極めておかなければならないテーマがあった。
──じっくり派、それともスピーディー派?
私は「パパリン宅建士」の名でTwitterもやっているのだが、2019年の夏前に、あるフォロワーの女性から、勉強法のアドバイスを求めるDMが届いたことがある。
その中に、
「過去問は何周くらいするべきでしょうか?」
という質問があったが、まず受験生には、過去問をじっくりと解いていくタイプと、スピーディーに解いていくタイプの、概ね2つのタイプに分かれることを私は彼女に伝えた。
ちなみに私はじっくりと解いていく派で、息子の健斗はスピーディーに解いていく派である。
じっくり派は、過去問を3~5回転させればほとんどの問題をマスターできるが、スピーディー派は10~20回転はさせなければならない。
そのフォロワーの女性は、私の見立てではスピーディー派だと思ったので、そのことを本人にDMで伝えた。
そしたら彼女も、
「私も自分はスピーディー派だと思います」
と返信してきたので、少なくとも過去問を10回転以上させるようにアドバイスした。
サブノートは作らないが、テキストや過去問に書き込みをする私のようなタイプはじっくり派で、書き込みはほとんどせず、一気にテキストや過去問を読み終えてしまう健斗のようなタイプはスピーディー派といえる。
使用していた過去問の画像をアップするが、じっくり派の私が使った過去問はこんな感じ。↓
対してスピーディー派の健斗が使っていた過去問はこんな感じである。↓
私は解説部分の画像で、健斗は問題文の画像という違いはある。しかし健斗の過去問には解説部分にまったく書き込みがなく、あるのは回転数を示した問題文の上のレ点のみだ。
3箇所ある□のチェック欄に、最初は鉛筆でレ点を付け、その後は赤いボールペンでレ点を付けていった様子が見てとれる。
レ点の数は全部で21個だ。
スピーディー派は、じっくりと時間をかけて問題を解かないかわりに、回転数は半端なく多い。回転数が増えるたびに段々と精度が高まっていくものと考えられる。
そういう意味では、私と健斗の勉強法は真逆だったのかも知れない。
どちらのタイプが正解で、どちらのタイプがダメというわけではない。
正反対の取り組み方であっても、最終的に合格を手にしたという点は同じなのだから、、
今、私が皆さんに言いたいのは、自分がどちらのタイプなのかを早い段階で見極め、本試験まで、それぞれのタイプに応じた回転数を目標に頑張ってほしいということだ。
もちろん回転数がすべてではないが、一つの指針にはなる。
そしてそれが達成できれば、過去問の正解率95%以上も自ずとクリアできるようになるだろう。