──はじめに
宅建業法が20題、権利関係が14題に対して、法令上の制限は8題しか出題されない。
しかしマスターするまでにかかる時間は、業法に匹敵する。お世辞にも費用対効果がよいとは言えない。
法令は他の分野に比べて難易度も高く、相当な実力者でも満点の8点を取ることは困難だ。
このことを踏まえれば、端から満点狙いが意味のないことだと分かる。
つまりは、「取れるところをしっかり取る」といった、ありきたりだが割り切った学習が必要となる。
では、その割り切った学習とは何か?
それは出題頻度の高いところに的を絞り、頻度の低いところは大胆にカット。満点ではなく、確実に6点を取りにいく戦略のことをいう。
法令での学習時間を減らすことができれば、その分、業法などで点数の上乗せが可能となり、全体的な得点アップに繋がるわけだ。
──都市計画法〔2題〕
都市計画法の中で、出題頻度が最も高いのは開発許可である。毎年ほぼ1題の出題がある。
これが苦手なままだと、都市計画法で2題とも落としかねない。私のブログに「開発許可の要否」と題した記事があるので、苦手な方はぜひ参考にしていただきたい。
▶開発許可の要否
https://paparing-takkenshi.com/entry/2020/04/16/213510
もう一つは、都市計画の種類から、13ある用途地域に代表される「地域地区」である。
地域地区には用途地域のほか、特別用途地区、高度地区、高度利用地区など10以上の地区があるが、それぞれの地区の「定義」や、建蔽率などの「定め」についても押さえておく。
もちろん、それら以外からも出題されるが、時間のない方はスルーしても構わないだろう。
──建築基準法〔2題〕
建築基準法では、まず用途規制の表を覚える必要がある。苦手な人が多いようだが、◯✕に絞って2時間ほど集中すれば覚えられる。
私のブログ記事、「用途規制の覚え方」を読めば、比較的短時間で覚えられるはずだ。
▶用途規制の覚え方
https://paparing-takkenshi.com/entry/2020/04/08/223259
他に「建築確認の要否」も、用途規制と並んで重要なので合わせて押さえておきたい。
▶建築確認の要否
https://paparing-takkenshi.com/entry/2020/08/09/174936
それら以外では、建蔽率と容積率、防火地域と準防火地域、単体規定、道路規定あたりの出題頻度が高い。
用途規制や建築確認を含めて、それらすべてをモノにできれば2点も十分あり得る。
しかし、建築基準法は情報量が多くて内容も難しいので、最低1点を確保できれば良しとする割り切りも必要だろう。
──国土利用計画法
国土利用計画法には、原則となる「事後届出制」と注視区域と監視区域の「事前届出制」がある。
そして試験に頻出なのは、圧倒的に事後届出制の方だ。本試験まで時間が足りない方は、事後届出制に絞って勉強してもいいと思う。
──農地法
農地法には、3条・4条・5条の3つの許可があり、それぞれ役割が異なる。
言い換えれば、この3つの区別がきちんとできれば得点できるわけだ。
これについては、下記のブログ記事を読んでいただければ大方理解できると思う。
▶農地法を捌く
https://paparing-takkenshi.com/entry/2020/04/20/193544
──土地区画整理法
建築基準法と並んで難しいのが土地区画整理法である。本試験後の予備校分析でも、易~難レベルで「難」が付くことが多い。
これも「仮換地」と「換地処分」の2つをしっかり区別し、それぞれの役割をきちんと理解することが重要だ。あとは組合と保留地か。
土地区画整理法は難しいので、仮換地と換地処分に絞って、残りは軽く流せばいいだろう。
──宅地造成等規制法
宅地造成等規制法は、規制区域内で「知事の許可」が必要なのか、「知事への届出」が必要なのかを区別する必要がある。
届出の場合、誰がいつまでに届出をするのかも把握しておく。
法令の中では比較的易しく、農地法と並んで得点源にしなければならない項目といえる。
──その他の法令
その他の法令では、各法令の「許可権者」を押さえ、次いで「届出先」を押さえる。知事以外のものを押さえることがポイントだ。
毎年、宅地造成等規制法かその他の法令のどちらかが出題される。