宅建・史上初の小学生合格者の父による宅建合格ブログ

史上初の小学生合格者(当時12歳/小6)の父による宅建合格ブログです。これから宅建試験にチャレンジする方々に、最短距離で合格を勝ち取るためのノウハウを提供します。勝利の方程式&95%理論の提唱者!!

テキストと過去問®

──とある受験生のエピソード

某有名弁護士の先生が、まだ司法試験受験生だった頃の話、、

短答試験はすんなり受かっているものの、論文試験に打ちのめされていた彼が、何故だか宅建試験を受けることになった。

バブルの全盛期で、不動産業が大躍進を遂げていたこともあるのだろう。

願書の提出は済ませていたものの、司法試験受験生なのだからそちらが優先。気持ちを切り替えて宅建の勉強をスタートさせたのは、なんと本試験の10日前だった。

書店に足を運び、そこで宅建の教材を物色して手にしたのは、15年分の本試験問題が、見開き2ページに問題と解答という配置で掲載されている過去問集だった。

テキスト類には目もくれず、彼が購入したのはその15年分の過去問集一冊のみ。

その日から司法試験の勉強は一旦中断し、宅建の勉強に集中することになる。

宅建試験が四肢択一であることを初めて知った彼は、戦略を練った。当時の宅建試験は、50点満点で35点あれば合格できる試験だった(分野ごとの配点は今と若干異なっていた)。

司法試験の択一に毎年受かっていた彼は、権利関係(15点)の学習に時間を割く必要がなく、法令上の制限と宅建業法の2分野(26点)に絞って勉強し、あとは捨てる戦略に出たのだ。

わずか10日間で、それも過去問のみで業法と法令の2分野をマスターした彼は、41点で見事合格を勝ち取ったのである。

過去問を掘り起こす
https://paparing-takkenshi.com/entry/2020/08/12/191510

上記「過去問を掘り起こす」 は、以前にそのことについて触れたブログ記事である。

──テキストの使い方

実際、20年以上前の宅建試験ならば、過去問だけで合格をつかみとることは可能だった。

ただ前提条件として、もともと地頭がよく、勉強慣れしている必要はあったと思う。

宅建試験は、年によって多少難易度にバラつきはあるものの、難化傾向にあることは間違いない。今の宅建試験は一昔前とは違って、とても一筋縄ではいかないのだ。

過去問だけでは、どうしても知識の抜けが発生し、穴あきチーズのような隙間だらけの知識が形成されてしまう。

この穴をふさぐ意味でも、最低限のテキストの読み込みは必要となる。うってつけのテキストがあるので紹介しておきたい。

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学習の初期の段階では、テキストをさらっと読んで一問一答を解く。私の経験上、この学習方法が一番効率的だ。できれば2往復する。

その後は、一問一答のみに専念し、どうしても分からないときに限ってテキストに戻る。

一問一答は最低でも5周し、95%以上の正答率を目指す。これが達成できたら、次は『ウォーク問』に代表される分野別過去問に移る。

すでにテキストは2往復しているので、分野別過去問では、テキストは調べるために用い、過去問学習に時間を割く。

とはいえ、一問一答が完璧ならば、分野別はそんなに時間はかからない。一問一答に費やした時間の4分の1程度の時間で済むはずだ。

──テキストと過去問の時間比率

私は過去のブログで、テキストと過去問の時間比率を2対8ないし3対7と主張してきた。

その考えは今でも変わっていない。だが分野ごとにみた場合、多少それとは異なる。

宅建業法と法令上の制限については、その比率で問題ない。この2分野に関しては、今でも私は2対8で過去問が8だと思っている。

税や免除科目もほぼ同じくらい。

違うのは権利関係だ。民法が大改正されたこともあるが、そもそも権利関係は、理解が伴わないと問題自体が解けない。

その理解は、過去問から得られる断片的なものだけでは足りず、テキストを読み込んで体系的に把握しモノにしなければならない。

他の分野と異なり、権利関係では、知識よりも理解が優先されるからだ。もちろん他の分野も理解は必要だが、権利関係のように思考力を伴った理解が必要とまではいえない。

テキストを読むときも、他の分野はさらっと読めば良かったが、権利関係はじっくりと読み込まなければならない。

だから必然的に時間がかかる。権利関係のテキストと過去問の時間比率は、5対5くらいだと思ってほしい。

過去問を解くときも他の分野より時間がかかるし、その比率が丁度いい。

またそれくらいの時間をテキストに割かないと理解が追いついていかないと思う。

特に法改正部分は、過去問のストックがまだまだ不足しているため、テキストの読み込みは避けられない。

異論はあるだろうが、それでも全体としては、過去問に時間の大部分を費やすべきだと私は思っている。

各肢に内包された論点を頭に叩き込めば、模試や本試験が瞬殺できるからだ。

宅建試験は、時間との闘いでもある。業法や法令の問題を瞬殺できれば、最後に権利の問題を解くときに、時間に余裕ができる。

じっくりと考えながら解く時間が捻出できるのだ。私の場合、本試験の直前期に、いかに業法の問題を早く解くことができるかが課題だった。

直前期は再び一問一答に戻って解いていたのだが、一問あたり2秒を目標に、5秒を超えたら正解していても✕とカウントしていた。

その甲斐あってか、本試験では業法で19点とることができた。

業法と法令、特に業法では、直前期にこの訓練は絶対にした方がよい。

最後にもう一度だけ、目安となるテキストと過去問の時間比率を掲げておく。言うまでもないが、左がテキスト、右が過去問である。

権利関係→5対5
権利関係以外→2対8ないし3対7


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配偶者が居住する権利【権利】

──はじめに

被相続人が死亡した後、残された配偶者が住居を取り上げられたら路頭に迷ってしまう。そこで平成30年の民法改正に伴い、被相続人の配偶者の居住権を保護する制度が創設された。

それが「配偶者居住権」及び「配偶者短期居住権」である。長期的に保護するのが配偶者居住権で、短期的に保護するのが配偶者短期居住権だ。令和2年4月1日から施行されている。

その名のとおり、建物の居住に関するもので、今後の宅建試験でも狙われやすいテーマといえるだろう。

──配偶者居住権

相続開始時に、配偶者が、被相続人が使用する居住建物に住んでいた場合、遺産分割遺贈によってその建物全部を無償で使用・収益することができる(譲渡は、登記は)。

この権利が「配偶者居住権」である。

配偶者居住権の期間は、終身の間(または一定期間)で、配偶者がその建物に居住しながら預貯金を相続することが可能となり、老後の生活費などを確保できるようになった。

また配偶者が、居住建物の共有持分を有する場合でも、遺産分割や遺贈で権利を取得できれば配偶者居住権は成立する。

ただし被相続人が、相続開始時にその居住建物を配偶者以外の者(被相続人の親族など)と共有していたときは例外的な扱いとなり、配偶者居住権は成立しない。

──配偶者短期居住権

相続開始時に、配偶者が、被相続人が使用する居住建物に住んでいた場合、6ヵ月間はその建物の居住していた部分を無償で使用することができる(収益や譲渡、登記は)。

例えば遺産分割協議がまとまり、配偶者以外の者が居住建物を相続した場合でも、配偶者は最低6ヵ月間はその居住建物に無償で住み続けることができるようなった。

これが「配偶者短期居住権」である。

その間に、他の居住建物(アパートなど)をゆっくり探すことができるわけだ。

この配偶者短期居住権で認められているのは、居住建物の一部(居住スペースのみ)であって全部ではない。また被相続人が死亡する前に反対の意思を表示していたとしても、この権利の妨げにはならない。

──まとめ&一問一答

両者とも、権利を取得したあとに善管注意義務が課せられ、通常の必要費は配偶者が負担しなければならない。この権利は相続されず、配偶者の死亡によって終了する。

異なる部分のみを列挙してみた。

【配偶者居住権】

・遺産分割や遺贈によって取得する。
・収益もできる。
・期間は終身の間(注:別段の定めがあれば短縮も可能)。
・居住建物の全部を使用できる。
・登記ができる。

【配偶者短期居住権】

・相続開始時に当然に取得する。
・収益はできない。
・期間は6ヵ月間(注:遺産分割により居住建物の帰属が確定した日または相続開始の時から6ヵ月を経過する日のいずれか遅い方)。
・居住建物の一部を使用できる。
・登記はできない。

      ⇩    ⇩

⑴ 被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされたときは、被相続人が相続開始時に当該建物を配偶者以外の者と共有していた場合であっても、当該建物の全部について無償で使用及び収益をする権利を取得する。◯か✕か?

⑵ 配偶者短期居住権は、被相続人の配偶者が、遺産分割または遺贈によって取得する。◯か✕か?

⑶ 配偶者短期居住権は、登記することも、譲渡することもできない。◯か✕か?

⑷ 配偶者短期居住権における配偶者は、遺産分割により居住建物の帰属が確定した日または相続開始の時から6ヵ月を経過する日のいずれか遅い日までの間、その居住建物を無償で使用および収益することができる。◯か✕か?

【答】⑴ ✕(被相続人が相続開始時に配偶者以外の者と居住建物を共有していた場合、配偶者居住権は成立しない)、⑵ ✕(当然に取得する)、⑶ ◯、⑷ ✕(収益はできない)


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配偶者が居住する権利【権利】|パパリン宅建士
#note 「穴埋め問題」あります↓
https://note.com/paparingtakken/n/n7489010a6d26

民法総則のマイナー論点

──はじめに

最近、また民法の学習を少しずつ始めるようになったのだが、総則部分にあまり馴染みのないテーマがあることに気付いた。

宅建試験にはややオーバーワークかも知れないが、権利関係で満点を狙いにいっている方々は抑えておいた方がいいと思う。

ご存知のように、宅建の権利関係の難易度は、他の法律系の資格試験(行政書士試験など)と比べても遜色がないほどレベルが高い。

合格するのに必要な得点率の差こそあれ、問題の難易度そのものに大差はないのだ。

加えて近年の宅建試験は、これまで出題されなかったテーマが突然出題されたりすることがある。例えば昨年の12月試験、、

民法の“家族法”の中から、それまでは相続からしか出題されてなかったのに、突如「親族」から出題されたのだ。

他にも、宅建試験には珍しく、債権者代位権や詐害行為取消権が出題された年もある。

これらのテーマは通常の宅建テキストには掲載されていないか、ほんのおまけ程度に載っている場合がほとんどなので、未学習のまま本試験を受けると撃沈する可能性が高い。

権利関係で満点(14点)はいらない、10点あれば十分だという方は下記のテーマは必要ないと思うが、満点ないし12点以上がノルマだと考えている方には十分に意味があるものと信じる。

こういったマイナー論点に枝葉の知識は必要なく、条文知識で得点できる場合がほとんどである。よって条文中のワードを「穴埋め問題」にして、短時間で覚えられる工夫をした。

恐らくこのあたりが、宅建試験における民法のテッペン、限界点だろう。

権利関係を得点源にしたい方、あるいは宅建合格後に、さらに上位資格を目指している方々に活用してもらえたら幸いである。

──条文穴埋め問題で攻略

第125条〔法定追認〕

 追認をすることができる時以後に、取り消すことができる行為について次に掲げる事実があったときは、追認をしたものとみなす。ただし、異議をとどめたときは、この限りでない。
 ① 全部又は一部の( a )
 ② 履行の( b )
 ③ ( c )
 ④ ( d )の供与
 ⑤ 取り消すことができる行為によって取得した権利の全部又は一部の( e )
 ⑥ ( f )

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【答】a 履行、b 請求、c 更改、d 担保、e 譲渡、f 強制執行 *取消権者が債務者の場合、②と⑥は法定追認に当たらない。

第131条〔既成条件〕

1 条件が法律行為の時に既に成就していた場合において、その条件が停止条件であるときはその法律行為は( a )とし、その条件が解除条件であるときはその法律行為は( b )とする。
2 条件が成就しないことが法律行為の時に既に確定していた場合において、その条件が停止条件であるときはその法律行為は( c )とし、その条件が解除条件であるときはその法律行為は( d )とする。

第132条〔不法条件〕

 不法な条件を付した法律行為は、( e )とする。不法な行為をしないことを条件とするものも、同様とする。

第133条〔不能条件〕

1 不能の停止条件を付した法律行為は、( f )とする。
2 不能の解除条件を付した法律行為は、( g )とする。

第134条〔随意条件〕

停止条件付法律行為は、その条件が単に債務者の意思のみに係るときは、( h )とする。

f:id:takkensainensyou:20210420013825j:plain

【答】a 無条件、b 無効、c 無効、d 無条件、e 無効、f 無効、g 無条件、h 無効(債権者の意思のみに係るときは有効。解除条件付法律行為の場合は、債務者でも債権者でも有効)

第137条〔期限の利益の喪失〕

 次に掲げる場合には、債務者は、期限の利益を主張することができない。
 ① 債務者が( a )を受けたとき。
 ② 債務者が担保を( b )させ、( c )させ、又は( d )させたとき。
 ③ 債務者が( e )を負う場合において、これを供しないとき。

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【答】a 破産手続開始の決定、b 滅失、c 損傷、d 減少、e 担保を供する義務

第151条〔協議を行う旨の合意による時効の完成猶予〕

1 権利についての協議を行う旨の合意が( a )でされたときは、次に掲げる時のいずれか早い時までの間は、時効は、完成しない。
 ① その合意があった時から( b )を経過した時
 ② その合意において( c )が協議を行う期間(1年に満たないものに限る。)を定めたときは、その期間を経過した時
 ③ 当事者の一方から相手方に対して協議の続行を( d )する旨の通知が書面でされたときは、その通知の時から( e )を経過した時
2 前項の規定により時効の完成が猶予されている間にされた( f )は、同項の規定による時効の完成猶予の効力を有する。ただし、その効力は、時効の完成が猶予されなかったとすれば時効の完成すべき時から通じて( g )を超えることができない。

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【答】a 書面(又は電磁的記録)、b 1年、c 当事者、d 拒絶、e 6箇月、f 再度の合意(再度の催告では、時効の完成猶予の効力は有しない)、g 5年



周辺知識について®

──周辺知識は必要か?

ほんの10数年前までは、宅建は過去問だけで合格することが可能だった。

ところが近年の宅建試験では、過去問だけでは不足するので「周辺知識の補充」が必要だという。

過去問を解くだけでは知識が点にしかならず、それを線や面に拡張していかないと合格点がとれなくなっている、という理屈だ。

ある程度は正しいと思うが、過去問をマスターすれば、本試験での高得点はムリでも合格点を超えることは今でも可能だろう。

その根拠の一つに、正解率50%以上の問題をすべて解ければ合格できる、というデータの裏付けがある。

過去に出題実績のない論点で、全受験生の50%以上が正解する問題などそうそう見当たらないからだ。

しかしギリギリ合格では心許ないので周辺知識の補充自体は否定しないし、できるなら補充はした方がよい。

では、その周辺知識の補充は一体どのレベルまで必要なのだろうか?

過去問を解くたびにテキストを開き、該当する箇所をくまなく読み込む。

なるほどこの方法ならば、確かに周辺知識は得られるかも知れないが、如何せん時間がかかりすぎる。

ならばいっそのこと、最初からテキストを読み込んだ方がマシであろう。

ただ過去問を学習の中心におく勉強法には、勉強時間を大幅に削減できるというメリットがある。

最初からテキストを丁寧に読んでいく学習ではそれは難しい。

あくまでも私の主観だが、一問一答や四択過去問を解いていく過程で、その解説部分をしっかり読み込む。

これである程度の周辺知識を補充することは可能ではないか?

もちろん、それで足りなければテキストに戻って該当箇所を読み込む必要はある。でもそれは限定的だ。

この方法ならば、それほど大幅な時間のロスにはならないはず。

また過去問集と違って、テキストには図や表がふんだんに使われており、視覚的にも記憶に残りやすい。

テキストのこういうところは活用した方が良いのかも知れない。

──周辺知識の定義

Twitterやyoutubeでも、周辺知識という言葉は普通に使われている。

それでは一体、周辺知識の“定義”とは何なのか?

どこからどこまでを周辺知識と呼んでいるのだろうか?

一説には、過去に本試験で出題されたことがないがテキストには記載されているものをそう呼ぶらしい。

よってテキストに記載がないものは、そもそも周辺知識でさえない。

言い換えれば、周辺知識=基本的な知識であって、高難度の知識や重箱の隅をつつくような細かな知識をそう呼ぶのではないということだ。

この点はきちんと把握しておきたい。

そして周辺知識を意識的に取り入れる時期は、ある程度の過去問学習を終えてからということになる。

つまり最初から「周辺知識!」と躍起にならずに、軽くテキストを読んだら、すぐさま一問一答を解いて解説を読む。その方法でとりあえず最後まで通し、何度か周回させる。

初期の段階では、一問一答のマスターに全力を注ぎ、95%以上の正答率を達成するまでは、問題と解説の理解に終始する。その際、周辺知識のことは特に意識しなくてもよい。

95%以上が合格ゾーン®️
https://paparing-takkenshi.com/entry/2020/02/14/202428

塾や予備校に通っている人ならば、カリキュラムに沿って授業を進めていくことで、自然と周辺知識も身に付いていくに違いない。

こういった点は、資格スクールならではのメリットだろう。

そうでない独学者の方は、まずは一問一答を解き、その解説を理解することを優先する。

この段階で、答の解説部分以外の周辺知識は必要ない。

独学者が解説以外の周辺知識に手を広げるのは、一問一答→分野別過去問とコマを進めて、それらの正答率・正解率が95%を超えてからで十分だ。

95%をクリアした時点で、少なくとも合格ライン付近にいるものと思われるからである。

そして、ここで初めて、点数をいくらかでも上乗せするために周辺知識を吸収していくことになる。

過去問にはない基本的な論点を、可能な限り取り入れていくのだ。

それは3点かも知れないし、5点かも知れないが、周辺知識というのは、過去問+α の“α”の部分を充実させていくことに他ならない。

+α である以上、過去問のマスターがその前提条件となる。

まずは過去問ありき、、

これだけは忘れないでほしい。

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実力を可視化する®

──暗記ペンは有効か?

世に“暗記ペン”というものがある。

教科書の重要語句に赤色でマーキングして、緑色の透明シートを上から被せるとその語句が黒くなって見えなくなる、というもの。

緑や青でマーキングし、赤色の透明シートを被せるタイプのものもある。

ゼブラから出ている「チェックペン」がその代表といって良いだろう。

私の少年時代にそんな便利なものはなく、教科書の重要語句をまずノートに写し、その後に2Bの鉛筆で教科書の用語を塗り潰していく。

そして重要語句が黒く塗り潰された教科書を読みながら、ノートに書き写した用語をしおりで隠して覚えていく、という方法をとっていた。

手間はかかったが、この方法で定期テストは何とか乗り切ってきた。特に地理や歴史といった社会科で、その効果は最大限に発揮された。

英語(主に英単熟語)や理科でもこの方法は有効だったが、数学や国語ではあまり役に立たなかった。

論理的な思考力を要する教科には不向きなのだろう。そういう教科では、むしろ問題演習の方が効果的だった。

──各分野のイメージ

社会科の場合、暗記ペンで塗り潰したところはある程度の正答率を出すことも可能だ。できなかった用語の左上にレ点でも付けておけば、そのページの正答率などすぐに出せる。

宅建のテキストはどうだろうか?

以前に私は、Twitterに次のようなツイートをしたことがある。

半分くらい遊び感覚でツイートしたものだが、タイプの異なるものを無理やり英・数・国・理・社に当てはめるとこんな感じになる。

ただ業法=社会だからといって、テキストの業法分野に暗記ペンを使用しても効果は少ない気がする。社会科と違って、ダイレクトに用語を答えさせる設問が皆無だからだ。

時間をかければかけるほど実力が付くという意味で業法=社会なのだが、中・高の社会科と宅建の業法とでは試験の問われ方自体が異なるのだ。

近年の宅建テキストはカラフルなものが多く、暗記ペンは使いにくい。

2色刷りのテキストであっても、本試験で用語を答えさせるような問題が皆無である以上、暗記ペンはあまり効果的とはいえない。

もちろん法律用語自体は覚える必要があるが、それも暗記ではなく、きちんと意味を理解しなければならない。

とはいえ、35条や37条書面のように、覚えることが密集しているところでは暗記ペンは有効なのかも知れない。

要は、使い方次第なのだろう。

──実力を数値化する意義

テキストを読み込めば実力は付くだろうが、それだけでは、今の実力を判断することはできない。

各分野の小項目を読み終えたら、すぐさま並行して該当箇所の一問一答(過去問)を解くようにする。

テキストの進捗状況は、一問一答の正答率で確かめることができるのだ。

最初は正答率が50%でも、繰り返しているうちに正答率も70%→80%、そして90%→95%と上昇していく。

これが数値化であり可視化なのだ。

こうやって正答率が段々と上がっていけば、モチベーションだって維持できるはずだ。

正答率が95%以上になれば、現実的に合格が視野に入ってくる。

漠然とテキストを読んでいるだけでは、この数値がいつまで経っても見えてこないから、実力が付いているのかどうか不安になる。

実力が可視化されないまま直前期を迎え、満を持して解いた模試が20点とかだったら目も当てられない。

そうならないためにも、早めに自分の実力を知っておく必要があるのだ。

まずは一問一答で自身の実力を測り、そこから限りなく100%の正答率に近付ける努力をする。

テキストと一問一答を終えたら、次は分野別過去問だ(勝利の方程式)。

勝利の方程式とは?®
https://paparing-takkenshi.com/entry/2020/02/11/011433

正答率を弾き出すことによって、今の実力が判る。立ち位置が把握できるようになる。

これこそが「実力を可視化する」理由であり、意義でもあるのだ。

テキストだけでは可視化できないし、実力が見えてこない。

テキストが不要だと言っているのではなく、テキストと過去問はセットとして捉える。テキストだけの勉強がダメだと言っているのだ!

模試を除けば、一問一答の正答率、分野別過去問の正解率が日々の実力を知る尺度となる。

これらの正答率・正解率がともに95%を超えれば、実力が完成の域に近付いてきたことを意味し、合格圏内に入ったことを実感できるだろう。

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受験に向けての心構え

──短絡的な情報に惑わされるな

SNSなどに流れてくる情報に、宅建は

「100時間の勉強で合格できる」

「1ヶ月前から始めれば大丈夫」

などといったものがある。

どこまでが真実かは分からないが、少なくとも法律の初学者が、この時間(期間)内で一発合格するのはほぼ不可能と思ってよい。

権利関係のマスターだけで、それと同等か、それ以上の時間がかかるからだ。

これで合格が可能なのは、偏差値が高い大学の法学部出身か、司法試験の短答や司法書士試験に合格しているなど、民法の学習に時間を割く必要のない一部の受験生に限る。

上記のような情報を、部分的に参考にする程度ならまだしも、これからの学習の指針とすべくオールインしてしまうのはまずい。

仮にそれが真実であったとしても、合格者の1%とか、そういった特殊な例なのだ。一般の受験生が真似できるものではない。

通常、初学者が宅建合格に必要な学習時間は、少なく見積もって300時間。私は、過去のブログの中で400時間を主張している。

一日2時間で半年ちょっと。これが標準的な宅建合格に必要な学習時間だと思ってほしい。

4月1日から勉強をスタートさせると、丁度これくらいの時間になる(10月試験の場合)。

──たとえ少しでも毎日勉強する

私の経験上、2日以上勉強しない日が続くと、学習のリズムが崩れる。

一週間に1日だけ、勉強が順調に進まなかったときのために予備日を設けるのなら良いが、基本的には毎日続けてほしい。

継続は力なりというが、その通りである。

継続は力なり®️
https://paparing-takkenshi.com/entry/2020/01/29/001837

一日2時間以上が理想だが、超絶忙しかったり、体調の悪い日だってある。そんな日でも、何とか一日30分だけは勉強した方がよい。

私の場合、風邪で熱が38℃あっても、一日30分の勉強だけは死守した。

そして、その日の不足分は、週末の予備日で埋め合わせする。そのための予備日である。

ただし一日2時間だから、単純に週に14時間やればいい、というわけではない。平日にまったく勉強せずに、土日に各7時間ずつ、計14時間やれば同じ、とはならないのだ。

勉強にはリズムがあるから、そんな偏った学習では途中で頓挫するのがオチである。

とにかく2日以上の空白期間を作らない。これが3日、4日、、一週間となれば、リセットしてまた最初からやり直しである。

こんなんで合格できるはずがない。

極端な話、毎日勉強を継続できる人は合格し、できない人は不合格となる。

こう結論づけても過言ではないと思う。

──途中で教材を買い換えない

最初にこれを使うつもりで用意した教材は、途中で買い換えない方がよい。あまりにも自分には合わないと思った場合に限り、使い始めて2週間以内ならば買い換えてもいいと思う。

ただし、その時期が4月や5月ならまだしも、夏以降の買い換えは御法度である。

何がよい教材かを、早い段階で見極めることも大切だ。そのためには、ある程度の情報収集能力も必要ということだろう。

勉強期間中に、SNSにどっぷりというのはお勧めできないが、早い時期に、SNSで情報を収集することは十分に意義のあることである。

メイン教材を早い段階で決定し、あとはそれを極められるくらいに使い倒す。途中、隣の芝生が青く見えるかも知れないが、他人は他人、自分は自分である。

最初に決めた教材を、きちんと消化できるまで使い続けることも力だし、才能だと思う。

他人が使っている教材に頻繁に目移りするようでは、合格は遠のくばかりである。

──一問一答のマスターに全集中

私は自身のブログの中で、一問一答の重要性を何度も説いてきた。一問一答のマスターこそが短期合格のカギなのだと、、

四択の過去問を、一肢ずつ一問一答のように解いていくことも可能だが、できれば一問一答集として編集されている教材を使ってほしい。

というのも、四択の過去問には超レアな肢が混じっていることがあり、必ずしもすべての肢が重要とは限らないからだ。

それならば最初から、頻出かつ重要な肢のみで構成された一問一答集を使った方がよい。

一問一答は、単に正誤の判定をするだけではなく、なぜ正しいのか、どこが誤りなのかを明確にしておく必要がある。

誰かに説明できるくらいに、、

そこまで出来て、そのレベルにまで到達して、初めて一問一答を制したと言えるのだ。

とにかく一問一答の精度を高めて、最低でも正答率95%以上、できれば100%にする。そうすれば、次の四択過去問(分野別)への移行がスムーズに進む。怖いくらいに、、

一問一答を制することができれば、ほぼ8割方合格したようなものである。一問一答をマスターした人が、次の四択過去問ができなくて挫折したという例を私は知らない。

私が使っていたのは『パーフェクト宅建の一問一答』だったが、これをマスターした後に『ウォーク問』を初見で解いたときの正解率が、9割に達していたことは伝えておきたい。

時間比率でいえば、一問一答が7で、四択過去問が3といった感じだ。いや、私の場合、8対2くらいだったかも知れない。

それくらい一問一答が重要なのだ。

私のブログの読者の一人が、昨年、私と同じ勉強法で一問一答を消化したあとに分野別過去問に移ったら、初見の正解率が9割だったとブログのコメント欄で教えてくれた。

私とまったく同じである。

違いがあるとすれば、一問一答と分野別過去問が日建学院の書籍だったということ(注・LECのウォーク問も並行して使用した模様)。

ちなみにその読者の方は、昨年の10月試験を受けて、43点で合格したらしい。

一問一答のあとに分野別過去問に移る勉強法、すなわち「勝利の方程式」こそが、私が受験生の皆さんに一番に伝えたかったことである。

勝利の方程式とは?®️
https://paparing-takkenshi.com/entry/2020/02/11/011433

この読者の方も、その勉強法で合格した。

私や息子の健斗もそうだが、これを実践して合格した人たちが他に何人もいる。

まだまだ絶対数は少ないが、この勉強法(勝利の方程式)は間違っていない、いや正しかったことの証左だと私は思っている。

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宅建士 出るとこ集中プログラム

──吉野先生からのメッセージ

3月3日の午前、吉野塾の吉野先生ご本人から私宛にDMが届いた。

「ご迷惑でなければ、摂書(宅建士 出るとこ集中プログラム)をお送りさせて頂こうかと思うのですが、いかがでしょうか?」

突然のご連絡に私は驚いた。実は昨年、書店で吉野先生の著書を手に取り、ギリギリまで買おうかどうか迷ったことがあったのだ。

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吉野先生と私は、Twitterで相互フォローになってから一年半ほどになる。私のブログ(史上最年少合格へ⑦)を読んでくれ、メッセージをいただいたことがきっかけだった。

そんな吉野先生から、ご自身が執筆された『宅建士 出るとこ集中プログラム』の2021年版を送ってくれるというのだ。吉野塾のメインテキストでもあるらしい。

私は快く承諾し、私の住所と氏名をDMで吉野先生に伝えた。まだ発売前だったので、納品され次第、郵送していただけるとのことだった。

この件を「私のブログで紹介させていただくことは可能でしょうか」という私の要望も快く聞き入れてくださり、今回、ブログ記事を手掛けることになったわけだ。

──シンプルかつ無駄のないテキスト

3月8日(月)の夜7時ごろ、自宅に帰った私は、郵便受けに荷物が入っていることを確認。

家の中で封を開けてみると、そこには吉野先生のA4用紙のメッセージと共に『宅建士 出るとこ集中プログラム』の2021年版+吉野塾のミニタオルが入っていた。

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早速、吉野先生にお礼のメッセージを送り、ご著書を拝見することにした。表紙を開くと、そこには「パパリンさんへ」で始まる吉野先生直筆のサインが記されていた。

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この先のページは、著作権の問題があるので画像はお見せできないが、「本書の使い方」と題して、直近5年間の宅建試験で『宅建士 出るとこ集中プログラム』を利用した場合にどれだけ得点できたかが箇条書きされていた。

そのすべての年度で、40~42点の得点がデータ上可能だったことが記されていたのだ。これは大変興味深いデータだった。

というのも、通常の宅建テキストは、概ね500~700ページほどである。対して『宅建士 出るとこ集中プログラム』は、それらよりはるかにシンプルで340ページしかない。

この分量で、40点以上得点できる情報量が収められていることが凄いのである。

かといって、細かい記述がところ狭しとぎゅうぎゅうに敷き詰められているわけではない。他のテキストと比べても、1ページあたりの記述量はどちらかというと少ない方だ。

にもかかわらず、なぜこの情報量で40点以上の得点が可能になるのか?

それだけ試験に出るところに特化し、無駄な記述を極限まで削ぎ落としたからに違いない。まさに「出るとこ集中プログラム」である。

全部で66セクションで成り立っているが、各セクションの終わりに、3~5問程度の重要過去問から抜粋した「◯✕一問一答」が置かれていて、知識の確認に役立つよう工夫されている。

A5サイズで、黒と青の2色刷りだ。

──過去問学習のデメリット

近年の宅建試験は、過去問演習だけでは合格は厳しいと言われる。それだけだと知識が断片的になり、どうしても抜けが生じてしまう。

だからテキストをしっかり読み込んで、過去問で問われた論点だけではなく、その周辺知識も身に付けなければならないのだと。

だがここで一つの疑問が生じる。過去問中心の学習では、確かに抜けが生じてしまう。しかしその抜けというのは、そんなに高度なものなのか。基礎レベルを超えたものなのか?

例えば、合格するためには1~10までの知識が必要で、過去問で1~3、5~7、9、10の情報が得られたとする。この場合、足りない知識は、4と8ということになる。

その4と8の知識というのは、実はそれほど高度なものではない。ほとんどのテキストに記載されているような基礎知識に過ぎないのだ。

そのことに気が付けば、過去問中心の学習をしてきた受験生がやるべきことが見えてくる。

分厚いテキストを隅々まで読み込むような学習はまったく必要なく、もっとベーシックで厚みのないテキストで基礎知識を補完する。それで4と8の不足分は十分に補えるのだ。

そして、その条件に最もふさわしいと思われるテキストが、吉野先生の『宅建士 出るとこ集中プログラム』なのである。

時間に限りのある受験生にとって、他の市販テキストは、費用対効果の面からみてもクエスチョンマークが付く。もちろん調べるために用いることは有益だが、通読には向かない。

そもそも、500ページ以上ある宅建テキストを、何度も通読できる受験生はほとんどいない。だから必然的に、過去問に比重を置いた学習にならざるを得ないのだ。

その点、『宅建士 出るとこ集中プログラム』ならページ数が少ないため、何度でも周回させられる。通読が苦行ではなくなる。

現在、一問一答や分野別過去問を学習する傍らに使っているテキストは、そのまま使った方がよい。両者がリンクしているのなら尚更だ。

しかし過去問学習が仕上がってきた段階で、過去問の抜けを埋め合わせするためにテキストを通読しようとした場合、分厚いテキストでは荷が重いし、かかる時間も膨大だ。

合格者と不合格者の違いは、難問が解けたか解けなかったかではない。いかに基本的な問題を得点できたかどうか、である。

基本問題を取りこぼさなかった人は合格し、取りこぼした人は不合格となる。だからこそ『宅建士 出るとこ集中プログラム』のように、基礎分野に特化したテキストに価値があるのだ。

吉野塾の塾生だけではなく、一般の宅建受験生にもお薦めしたいテキストである。



分野別過去問集(2021)

──はじめに

年度別過去問集の市販本は、ほとんどの場合、10~12年分の過去問が収められている。数にして500~600問(題)くらいである。

対して「分野別過去問集」は、理由は不明だが二極化が進行中である。11~13年分の大容量タイプと、5~6年分のコンパクトタイプだ。

大容量タイプは、収録問題数が550~650問と充実しており、コンパクトタイプは、250~300問と大容量タイプの半分ほどである。

中間の7~10年分が見当たらないが、これは不思議な現象だと思う(昨年は日建の『どこでも過去問』3冊が直近10年分の過去問を収録していたが、今年から300問へと数が減った)。

かねてより私は、分野別でも10年分以上の問題数は必要だと訴えてきたので、大容量タイプを中心に解説していきたい。

このタイプの分野別過去問集は、メジャーなものは現在3種類しかなく、既出の「一問一答式を斬る」に倣って◎◯△を付しておいた。

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──大容量タイプをランク付け

出る順宅建士 ウォーク問 過去問題集❶~❸ (東京リーガルマインド/LEC)

言わずと知れた分野別過去問集の最高峰『ウォーク問』である。❶権利関係が169問、❷宅建業法が180問、❸法令上の制限・税・その他が201問で、合計550問の過去問が収めてある。

直近10~12年間に縛られず、平成以降のすべての過去問の中から、外すことのできない頻出・重要問題をピックアップしてある。

奇問、悪問の類いは含まれていない。LECは法律系の大手予備校で、ウォーク問の歴史も30年以上と長く、信頼度はピカイチだ。

問題の重要度に応じて、特A、A、B、Cの4段階に分けられている。右ページに設問、その裏側が答えと解説というレイアウトで、そこだけは賛否が分かれるところだろう。

答えが✕の問題のみ、通常の解説の上に太字の黒文字で「一行解説」が置かれている。B6サイズの小型版で3分冊になっており、外出時の持ち運びにも便利である。単色刷り。

スッキリとける宅建士 論点別12年 過去問題集 (TAC出版)

一見、年度別過去問集のように見えるが「分野別過去問集」である。上記のウォーク問と違って1冊本だが、本を5つにばらすことができ、そのうちの1つは昨年10月の本試験問題だ。

上下2段で構成されており、左ページが設問で右ページが答えと解説である。ウォーク問と比べると、解説はややあっさりしているが、紙面は見やすい。一行解説はない。

直近12年分の過去問が、法改正によって成り立たなくなった権利関係の一部と一昨年以前の統計問題を除き、すべて収められている。

問題数は、昨年10月試験分を含めて約580問。A5サイズの2色刷り。

上記『ウォーク問』のレイアウトに違和感を覚えた人は、こちらを使っても良いと思う。1冊本なのに、問題数はウォーク問より若干多い。

過去問宅建塾❶~❸ (宅建学院)

テキストに『らくらく宅建塾』を使用している人は、分野別にこちらを選択しても構わないと思う。一応、両者はリンクしているからだ。

左ページに設問、右ページに答えと解説というレイアウトは上記TACと同じだが、上下2段にはなってなく、見開き2ページで問題1つ分という構成である。2色刷りで一行解説はない。

TACと同じA5サイズではあるが、分野別に3冊に分かれている。収録問題数は3冊とも200問余りで、合計では約650問と一番多い。

ただ本の大きさと収録問題数の多さからくる外観上の威圧感があり、途中で挫折する人も少なくない。解説部分に妙な語呂合わせが載っているなど、らくらく信者以外は使いにくい。

──コンパクトな分野別過去問集

過去問5~6年分のコンパクトタイプは、時間のない人向けだろう。余裕を持って合格したいのなら、10年分以上は必須だと思う。

ただし、駿台かパーフェクトのように1,200問以上ある「一問一答集」をマスターした後なら、あるいは使用してもよいかも知れない。

一問一答800問→分野別過去問300問で合格する人もいるとは思うが、やや心もとない。さすがに40点以上での合格は厳しいかと、、

コンパクトタイプの代表的なものとして、ユーキャンのテーマ別(250問+実力チェック模試)や合格のトリセツ(300問)、みんなが欲しかったの論点別(約310問)などがあるが、私がオススメしたいのは次の3冊である。

わかって(合格)る宅建士 分野別過去問題集 (TAC出版)

収録問題数は305問、A5サイズの2色刷り。一行解説あり(権利のすべて+それ以外の一部)。

複雑な権利関係には、設問の下に「図解」が用意されており、理解の助けになる。また解説の下には「ここがポイント」と題して重要論点が整理されており、実践的だ。

どこでも学ぶ宅建士 テーマ別厳選過去問 (建築資料研究所/日建)

昨年まで『どこでも過去問』として3分冊で発売されていたが、収録問題数を480問→300問に減らして1冊本として再編集したもの。

問題数は減ったが「一行解説」があり、長所は引き継がれている。A5サイズの2色刷り。

パーフェクト宅建士 分野別過去問題集 (住宅新報出版)

有名な「パーフェクト」シリーズの分野別過去問集。300問あり、A5サイズの2色刷りだ。

上記2冊に比べるとやや地味だが、本来の解説とは別に、赤文字の「一行解説」が置かれるなど使い勝手はよく、歴史も古い。



時効の完成猶予と更新【権利】

──時効の完成猶予

下記のような“一定の事由”が発生すると、所定の期間、時効の進行をストップさせることができる。これを「時効の完成猶予」という。

 【一定の事由】

裁判上の請求
支払督促
和解・調停の申立て
破産手続きの参加など
強制執行
担保権の実行など
催告(内容証明郵便など)
仮差押え
仮処分
協議を行う旨の合意

これら①~⑥については、それらの権利が確定するまで、又はその事由が終了するまで(権利が確定されずに終了した場合は6ヵ月が経過するまで)は時効は「完成猶予」される。

また❼~❾については、その時から6ヵ月を経過するまで、❿は書面(又は電磁的記録)による合意の時から1年を経過するまでは時効は「完成猶予」される(❿については例外あり)。

──時効の更新

上記①~⑥の権利が確定し、又はその事由が終了したら、その時から新たに“時効の進行”が始まる。これを「時効の更新」という。

時効の残りの期間が進行するのではなく、リセットして、ゼロから新たに“時効の進行”が始まるのだ。

自らが債務を認めるなど権利の承認があれば、完成猶予がなくても時効は「更新」となる。このパターンは承認だけなので注意。

なお、上記❼~❿については「完成猶予」があるのみで、時効の「更新」はない。

──まとめ&一問一答

上記①~⑥は、完成猶予+更新、❼~❿は完成猶予のみ、承認は更新のみである。

*時効期間の満了時に、天災その他避けることのできない事変のため時効手続きを行うことができないときは、その障害の消滅から3ヵ月を経過するまで時効は完成しない。

記事が短めなので、最後に少しだけ行政書士試験用の「一問一答」を付しておきたい。

      ⇩    ⇩

⑴ 時効は、裁判上の請求によって更新され、その訴えにつき却下又は取下げがあっても、時効更新の効力に影響はない。◯か✕か?

⑵ 催告があったときは、その時から6ヵ月を経過するまでの間は、時効は完成せず、催告によって時効の完成が猶予されている間に再度催告がなされると、その時から6ヵ月を経過するまでの間、再度時効の完成が猶予される。◯か✕か?

⑶ 債務者Aの債権者Bに対する債務の承認によって被担保債権の時効が更新された場合に、物上保証人Cは、当該被担保債権について生じた消滅時効更新の効力を否定することはできない。◯か✕か?

⑷ 時効期間の満了の時に当たり、天災その他避けることのできない事変のため、裁判上の請求等時効の完成猶予事由に係る手続を行うことができないときは、その障害が消滅した時から2週間を経過するまでの間は、時効は完成しない。◯か✕か?

【答】⑴ ✕ ⑵ ✕ ⑶ ◯ ⑷ ✕


不動産キャンプ
https://ioecu5ft.autosns.app/a/cmZLjPNo7h/tVtz



時効の完成猶予と更新【権利】|パパリン宅建士
#note「穴埋め問題」あります↓
https://note.com/paparingtakken/n/na4309672991b

12月試験の合格発表とその後

──令和3年2月17日

いつも自分のことのように、この日、この瞬間を待ちわびている。昨年の12月27日に行われた宅建試験の合格発表日である。

正式な発表は午前9時30分からなのだが、17日に日付が変わった直後に、住宅新報社が合格ラインや合格率をTwitter上にフライング発表することが恒例となっている。

5ちゃんねるでも、この瞬間はお祭り騒ぎだ。

16日の深夜、すなわち17日に日付が変わった直後の午前0時01分に、Twitterに次のような記事が住宅新報社から上げられた。

[速報]
不動産適正取引推進機構が本日発表いたしました令和2年度宅建建物取引士資格試験(12月実施分)の合格ラインは36問以上(登録講習修了者は45問中31問以上)です。受験者数35,258人に対し、合格者数は4,609人、合格率は13.1%。

合格ライン36問以上、合格率13.1%!!

「何この合格率の低さ、、」

私を含め、大方の講師陣は、合格基準点を37ないし38点と予想していたのでそちらも意外だったが、それに輪をかけて驚いたのは、なんといっても合格率の異様な低さ!

「これは何なんだ?」

私が最初に思った率直な感想である。

これについては、当日夜、宅建みやざき塾の宮嵜先生が「生放送質問会」の中で核心をついた分析をしておられたので紹介しておく。

https://youtu.be/3QSCpH7DTUM

12月試験は、受験率が64%しかなかった。つまり記念受験や合格に手が届きそうにない人が、受験自体を放棄したものと思われる。

年末の慌ただしい時期に加え、新型コロナの影響もあり、それらが追い打ちをかけた。

ということは全体的に受験者レベルが上がり、合格ライン付近にいつも以上のボリュームゾーンが形成されていた可能性がある。

通常、ボリュームゾーンは合格点付近、合格点の1~3点下あたりに形成されることが多い。

仮に35点にボリュームゾーンがあり、5%の受験生がそこに集中していた場合、36点が13.1%だから、35点だと18.1%となるわけだ。

宅建試験は1999年以降、合格率は15%以上18%未満の間で推移している。これまでは、合格点も必ずこの中に収まってきた。

ところが今回、この原則が崩れたとしたら?

13.1%も18.1%も、例年通りの枠(15%以上18%未満)に収まっていない。しかし、どちらかを選ばなければならない。

10月試験の合格点は、17.6%といつもより高めだった。12月試験を13.1%とした場合、2020年度の受験者数を合算して合格率を計算し直したら、16.8%となり、程よい合格率となる。

18.1%だったらこうはいかない。

あくまでも推測だが、これが12月試験の合格ラインが36問以上、合格率が13.1%になった理由ではないかと思われる。

こういった感じの分析だったのだが、皆さんはどうお感じになられただろうか?

この結果は、諦めモードだった自己採点36~37点の受験生には朗報だったに違いない。

──正式な合格発表とその後

令和2年度12月試験の正式な合格発表は、当日の午後9時半からとなる。住宅新報社のWebサイト上に、次のように公表された。

 不動産適正取引推進機構は2月17日、2020年度の宅地建物取引士資格試験(12月実施分)の実施結果概要を発表した。
それによると、合格者は4609人(男性2880人、女性1729人)で、合格率は13.1%だった。登録講習修了者の合格率は10.7%。受験者は3万5258人。
 合否判定は、36問以上正解(登録講習修了者は45問中31問以上)を基準とした。
 今年度の宅建試験は新型コロナウイルス感染症の影響により、試験場の確保が困難な状況だったため、10月18日と12月27日に分けて行われ、2試験の合計は、受験者数が20万4247人(前年度22万797人)、合格者数が3万4337人(同3万7481人)、合格率は16.8%、男性16.0%、女性18.6%(同17.0%、男性16.3%、女性18.5%)、うち登録講習修了者は19.4%だった。

2020年度の都道府県別の合格者の受験番号は、次のURLから見ることができる。

https://www.retio.or.jp/exam/pass/todoufukensentaku.html

合格ラインと合格率などが深夜にフライング発表されているとはいえ、まだマークミスをしている可能性がゼロではない。

本試験後で、一番ハラハラドキドキする瞬間である。自己採点が40点以上でも、稀にマークミスで合格できなかった受験生がいるからだ。

ともあれ、新型コロナの第3波で大変な中、しかも年末の忙しい時期に本試験を受け、見事合格を勝ち取った皆さんには敬意を表したい。

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これで2020年度の宅建試験に関する行事はすべて終わった。合格した人は、登録実務講習を受けるなどして宅建士になるか、あるいは更に上の資格試験を目指すか、、

私的には、多少の費用はかかるが「宅地建物取引士証」を手にしてほしいと思っている。

仮に宅建士にならなくても、将来の保険として安心を得られるし、人としての信頼度が増すなど付加価値は大きい。

天才とは呼べないが、努力の証明にはなる。

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*画像は以前に、Twitterのプロフィール写真に使っていたものを顔写真の上に被せたもの。通常、サングラス着用は認められていない。

合格は今後の人生のスタートラインであって、ゴールではない。

宅建試験に合格された皆さんは、そこに辿り着くまでの道のり・経験を活かし、今後は人生という荒野を切り拓いていってほしい。

皆さんには、それができると信じています。