宅建・史上初の小学生合格者の父による宅建合格ブログ

史上初の小学生合格者(当時12歳/小6)の父による宅建合格ブログです。これから宅建試験にチャレンジする方々に、最短距離で合格を勝ち取るためのノウハウを提供します。勝利の方程式&95%理論の提唱者!!

右半分で22点以上がノルマ®

──左右に分割された解答欄

いわゆる「5問免除者」を除けば、宅建試験の問題は全部で50題だ。

従ってマークシート用紙の解答欄も、全部で50ヶ所ということになる(×4で200ヶ所)。解答欄の左半分が25で、右半分が25と2分割されている。

左半分の内訳は、権利関係14、法令上の制限8、税と価格の評定3

右半分は、宅建業法20、免除科目5となり、左右合わせて50題だ。

複雑ではないので、他の資格試験と比べるとマークミスも起こりにくい。

マークシート用紙の各分野の解答欄は次のようになっている。

もちろん赤線は引いてない。

分野ごとの解答欄がこのような位置にあることは、あらかじめ知っておいた方がいい情報だろう。

──右半分の目標点数

これは意外に知られていないことなので、ここで少し触れておく。

息子の健斗が、小5で初受験する直前に私はこう言った。

「右半分で22点以上を狙うように」

と。右半分とは、マークシート用紙の右半分のことで業法と5問免除だ。

結果、業法は18点あったものの、免除が2点しかなくて涙を呑んだ。

その年(平成25年)の合格基準点は33点以上で、健斗は31点だった。

業法で20問中18点を確保し、免除で5問中4点をとる!

もしこれが達成できれば、左半分の点数が少々悪くても、合格基準点を上回る可能性が出てくる。

仮に今年の合格基準点が35点だとした場合、右半分で22点とれていれば、左半分は13点でも良いことになる。

法令で6点、税と価格の評定で2点ならば、権利関係は5点でも合格できるということだ(昨年なら6点)。

見過ごしがちだが、このことの意味は大きい。だからこそ、

右半分で22点以上

を確保することが大切なのだ。

そもそも問題自体の難度も、左半分の方が右半分よりずっと高い。その傾向は、ここ何年も変わっていない。

よって右半分でしっかり得点し、左は5割そこそこでOKということになる。

業法で18点以上、免除で4点以上は、レベルの高い目標設定ではない。現実に達成可能なものである。

分野別の難易度で、一番易しいのが業法、次いで免除なのだから。

──マークシートの読み取り方法

大学入学共通テストや資格試験など、マークシート用紙の試験の採点では専用の読み取り機を使う。

そして試験案内には、HBかBの鉛筆を使用するよう記されている。

もちろん、それには理由がある。

鉛筆でマークするタイプの試験では、マークシート用紙に付着した炭素に近赤外線を当てて反射を読み取る仕組みとなっている。

だから油性のマジックやボールペンなどはNGである。水性もダメ。

このことを知らない受験生が、油性ボールペンでマークしてしまい不合格となった例もある。

単に黒色で塗り潰せばよい、というわけではないのだ。

一部、炭素を含んだゲルボールペンや黒の色鉛筆などでは反応することもあるらしいが、一度マークしてしまったら消しゴムで消せないので使わない方が無難である。

HBかBの鉛筆が推奨されているのは、その芯に含まれる炭素が機械(OMR)に反応しやすいからに他ならない。

こういったことを、稀に知らない受験生がいるので注意を促しておく。


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宅建受験生への10のメッセージ

昨年、私がTwitterでつぶやいてきたツイートの内、特に反響の大きかったものを10件セレクトしてみた。

解説を付けてないので、あるいはブログ記事とは呼べないかも知れない。

しかし今年の宅建受験生が、これらのツイートを見て何某かを感じ、どれか1つでも心に留めていただければと願っている。


【その一】

宅建に合格すれば、仕事が見つかる、仕事に活かせる、収入が増えるなどのメリットがあります。
それだけではありません。
大袈裟に思えるかも知れませんが、見える景色が変わってくるんです。
今年、宅建試験を受ける皆さんは、それがどんな景色なのかを、合格して体感してみてください🌈

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1377932869784399881?s=09


【その二】

過去問は、単にアウトプットするだけのツールではありません。
しっかりと解説を読んで理解し、論点を見定め、周辺知識の補強を図る。
一問一答でも四択過去問でも、そのメソッドは同じです。
つまり過去問学習は、アウトプットだけではなく、インプットとアウトプットの両方を兼ねているわけです✨

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1384820216815775750?s=09


【その三】

宅建の勉強を
・4月から始めよう→年度が変わって忙しいし、春だから眠い
・5月から始めよう→GWがあってスタートからつまずく
・6月から始めよう→しばらくすると梅雨入りし、憂うつになる
・7月から始めよう→まだ勉強を始めていないのに願書を提出
~こんな人いると思いますが、頑張りましょうね✊

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1391382464082288641?s=09


【その四】

今日はやる気も出ないし体調もイマイチなので、、

①勉強は一切しない。明日からやればいい→不合格予備軍です🍃
②嫌々でも少しは勉強を進める。今日できることを明日に回さない→合格予備軍です🌸

一日の勉強量では点数に繋がらないかも知れませんが、それを積み重ねればいつか必ず成果が出ます📈

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1398960956449845261?s=09


【その五】

発展レベルの知識に多少ムラがあっても構わないので、土台となる基礎レベルは100%マスターしてください。
不合格になる人は、ほぼ例外なく基礎レベルの知識にムラがあります。スキマがあります。
難問が1つ解けても、基本問題で2つ落としていたら合格できません🍃

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1406058989213806599?s=09


【その六】

宅建の勉強に限らないですが、最後の詰めが何より大切です。
ここが適当だと、合格も厳しいと言わざるをえません。
四択の過去問も、一肢ずつきちんと理解して詰めてください。
仕事でも勉強でも、できる人は皆、この詰めがしっかりしています。
この点に例外はありません。

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1407714939939135497?s=09


【その七】

宅建合格に必要な勉強時間なんて人それぞれですが、ここ3年ほど受験生と関わってきた経験から点数と時間をあえて関連付ければ、

30点→150時間
35点→300時間
40点→400時間

といったところです。
30点には割とすぐ到達できるのに、35点になかなか届かないのは、単純に勉強時間が倍違うからです📈

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1408747064901521408?s=09


【その八】

【宅建合格に必要な点数】

▪権利関係→9/14点以上
▪法令上の制限→6/8点以上
▪税・価格の評定→2/3点以上
▪宅建業法→18/20点以上
▪免除科目→4/5点以上

ちなみに権利や法令が未達成で落ちる人より、宅建業法が未達成で落ちる人の方が圧倒的に多いです。
合否を左右するのは宅建業法❓❓

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1408944598286684161?s=09


【その九】

宅建試験に限らず、どんな資格試験にもテキストは必要だしそれを否定するつもりはありません。
ただ並行して過去問を解かなければ、今の実力が分からないままです。
一問一答の正答率、四択過去問の正解率が、実力の尺度となります。
テキストを何周しようが、数値化しなければ実力は霧の中です🌫️

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1409021891721891845?s=09


【その十】

模試ならまだしも、過去問40点は合格圏ではありません!
昨年、一昨年と、そのことに気付かずに合格できなかった受験生をたくさん見てきました🍃
年度別過去問の着地点は、40点ではなく47ないし48点以上です🎯

https://twitter.com/PLdILq9hDsVhikJ/status/1409445404026884097?s=09


これらのツイートには、私自身の経験はもちろん、ここ「3シーズン」の間に数多くの宅建受験生と関わってきたことで得られた知見が凝縮してある。

今年の宅建受験生におくる私からのメッセージと捉えてもよい。

参考にしていただければ幸いである。

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スケジュールと申込み方法(2021)

──宅建試験のスケジュール

令和3年度の宅建試験のスケジュール等については、6月4日に、不動産適正取引推進機構から官報公告が出ている。

https://www.retio.or.jp/exam/

今年度も、新型コロナウイルス感染症の影響のため、一部の地域で10月と12月に試験日程が分かれるものとみられる。

──申込書の配布場所(郵送申込み)

令和3年度の宅建試験の試験案内&申込書は、次の場所で入手することができる(無料)。

https://www.retio.or.jp/exam/haifusaki.html

試験案内&申込書の配布期間は、7月1日(木)から7月30日(金)までである。

なるべく早い段階で申込書を入手して、すぐに提出することをお勧めする。

──申込み方法

【インターネット申込み】

令和3年7月1日(木)9時30分から7月18日(日)21時59分までにインターネットで申込む。

https://www.retio.or.jp/exam/siken_netinfo.html

インターネットの申込み画面は、7月1日(木)の午前9時30分に切り替わる。自動更新はされないので、キーボードの「F5」を押すなどして改めて最新の画面を読み込むこと。

【郵送申込み】

令和3年7月1日(木)から7月30日(金)までに郵便局の窓口から「簡易書留」で申込む。

https://www.retio.or.jp/exam/siken_postinfo.html

申込書に貼る顔写真は「パスポート申請用」サイズ (縦4.5㎝×横3.5㎝)なのでお間違えないように。800円の証明写真で大丈夫。

ただし、顔写真は令和3年4月1日以降に撮影したものに限り、頭頂から顎までの長さが3.2㎝以上3.6㎝以下となっているので注意。

──受験料と各種日程

【受験手数料】

7,000円である(消費税はかからない)。

【受験票発送日】

〈10月試験〉令和3年9月28日(火)

〈12月試験〉令和3年11月30日(火)

【本試験日時】

〈10月試験〉令和3年10月17日(日) 13時~15時まで(登録講習修了者は13時10分~)

〈12月試験〉令和3年12月19日(日) 13時~15時まで(登録講習修了者は13時10分~)

12時30分から注意事項の説明が始まるため、それまでには指定の席にいるように。試験中の途中退席は認められていない。

【合格発表日】

〈10月試験〉令和3年12月1日(水)

〈12月試験〉令和4年2月9日(水)

午前中に、指定された場所の掲示板および不動産適正取引推進機構のホームページで「合格者の受験番号」を確認できる。

──令和3年度の「新型コロナウイルス感染症への対応」についてはこちら↓

https://www.retio.or.jp/exam/takken_shiken.html

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統計データのまとめ(2021)【免除】

──はじめに

宅建試験の5問免除の一つに「統計」があり、問いの48がそれに当たる。

ここ10年間の出題項目と出題数を見ると、

地価公示(9回)
建築着工統計(11回)
土地白書(10回)
法人企業統計(9回)
国土交通白書(4回)

と概ね5つに集約される。

仮に、これら5つの項目以外から出題されたとしても、それは肢の一つとしての出題であり、消去法で十分対処できる。

また統計では、「上昇か下落か」「増加か減少か」又は「何年連続か」あたりが重要であって、細かなパーセンテージ(%)まで記憶する必要はない。

そのことを知らないが為に、数字に翻弄されて統計自体を諦めてしまう受験生が多いのが残念だ。

これらの「統計データ」は、通常のテキストには掲載されておらず、予備校や通信を利用していない独学の受験生には大いに参考になるはずである。

特に、赤文字の部分をしっかり押さえれば1点ゲットできるだろう。

──地価公示(令和3年3月公表)

ここでいう地価とは、土地の価格のこと。これが前年に比べて何%上昇しただの下落しただのを公示したものが「地価公示」である。

令和2年の1年間の地価変動は次のとおり。

【全国平均】

全国平均の地価変動率は6年ぶりに下落に転じ、用途別では、

〈住宅地〉5年ぶりに下落
〈商業地〉7年ぶりに下落
〈工業地〉5年連続の上昇(上昇率は縮小)

となっている。

【三大都市平均】

三大都市平均の地価変動率は8年ぶりに下落に転じ、用途別では、

〈住宅地〉8年ぶりに下落
〈商業地〉8年ぶりに下落
〈工業地〉7年連続の上昇(上昇率は縮小)

となっている。

【地方圏平均】

地方圏平均の用途別の地価変動率は、

〈住宅地〉3年ぶりに下落
〈商業地〉4年ぶりに下落
〈工業地〉4年連続の上昇(上昇率は縮小)

となっている。

──建築着工統計(令和3年1月公表)

建築着工統計には、年統計(1~12月)と年度統計(4~翌年3月)の2種類があるが、直近10年は「年統計」からしか出題されていないので、年統計だけを視野に入れておけばよい。

【新設住宅着工戸数】

令和2年の新設住宅着工戸数は、約81.53万戸で、4年連続の減少となった。利用関係別戸数の内訳は、

〈持家〉昨年の増加から再び減少
〈貸家〉3年連続の減少
〈分譲住宅〉6年ぶりの減少(マンションは昨年の増加から再び減少、一戸建ては5年ぶりの減少)

となっている。

【新設住宅着工床面積】

約6,645万㎡、4年連続の減少となった。

──土地白書(令和3年6月公表)

令和2年の全国の「土地取引件数」(売買による土地の所有権移転登記の件数)は、全国で約128万件で、ほぼ横ばいで推移している。

日本の「国土面積」は約3,780万haで、森林が約2,503万ha、農地が約440万ha、住宅地や工業用地等の宅地は約197万haである(森林と農地で国土面積の約8割を占める)。

──法人企業統計(令和2年10月公表)

令和元年度の不動産業の「売上高」は、約45兆3,835億円で、全産業の売上高の約3.0%を占めているが、5年ぶりに減少した。

同年度の不動産業の「経常利益」は、約4兆6,117億円で、2年連続の減少となった。

同年度の不動産業の「売上高経常利益率」は10.2%で、2年連続の減少となった。

──国土交通白書(最新のデータより)

令和3年3月末現在の宅地建物取引業者数は、127,215業者で、7年連続の増加である。

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統計データのまとめ(2021)【免除】|パパリン宅建士
#note 「穴埋め問題」あります↓
https://note.com/paparingtakken/n/nfbfcf9cd80d0

LECの直前予想模試(2021)

──模試には当たり外れがある

毎年6月になると、店頭に「宅建予想模試」が出揃いはじめる。種類はそれほど多くはないが、出来不出来の差は大きい。

「市販の模試なんてどれも同じ」

「どれをやっても大差はない」

そういう意見もある。

だが私が実際に解いてみて感じたことは、

「市販の模試には当たり外れがある」

ということだ。

資格学校で作られた模試は総じて出来がよく、ある程度信頼もできるが、それ以外の模試に本試験とはかけ離れたものが一部存在するので注意しなければならない。

宅建試験の過去問の焼き直し率は、概ね6~8割で、平均すると7割ほど。資格学校の模試も、これに則って作成されている。

ところが一部の模試に、この法則を無視して作られているものがあるのだ。

今年は分からないが、数年前までの住宅新報出版の『パーフェクト宅建の直前予想模試』や成美堂の『法改正と完全予想模試』は特にひどかったと思う。

「こんなの本試験には出ないだろう」

といった奇をてらった問題ばかりで、焼き直し率は明らかに5割を下回っていた。

こんな本試験とかけ離れた模試を、直前期に解いた受験生はたまったものではない。

私も当時、本試験の直前に『パーフェクト宅建の直前予想模試』を解いてみたが、50問中で17問しか正解できず、頭の中が真っ白になったのを覚えている。

一瞬とはいえ、本試験を辞退しようかと思ってしまったほどだ。

私以外にも、本試験直前にこの類いの市販模試に手を付けてしまったばかりに、自信をなくして本試験そのものから撤退してしまった受験生も一人や二人ではないだろう。

私や息子の健斗が、実際にいくつかの市販模試を解いてみた結果、及第点をあげられそうなのはLECTAC日建の3社だけである。

これら3社の「直前予想模試」は、どれも難易度が本試験に近く、他社の市販模試に比べて問題の質も良いと感じた。

──No.1の市販模試はこれだ

そして、その3社の中から、あえてNo.1模試を選ぶとしたら、LECの模試にとどめを刺す。

LEC模試の最大の長所は、やはり問題の質の高さである。法改正も行き届いていて、統計問題の的中率も高い。

統計は、昨年も一昨年も的中していた。

日本でも指折りの法律系の資格学校ゆえ、その蓄積されたノウハウが『直前予想模試』にも反映されているのだろう。

通常の市販模試は、概ね3回分しか載っていないが、LECは4回分ある。これも大きい。

またLECは、ゼロ円模試やファイナル模試のような「オープン模試」も主催しているが、それらと比べても、この『直前予想模試』は遜色がない。

それほど質が高く、出来がいいのだ。

その模試が、4回分、わずか1,760円で購入できるのである。これを本試験前にやるとやらないとでは、最大で3点ほどの開きが出ると私は思っている。

仮に、過去問しかやらずに本試験に挑んだ場合、新規の問題に戸惑う可能性が高い。

毎年、焼き直しではない新規の問題が10~20題ほど出題されるが、そういう問題に面食らってパニックを起こし、他の易しい問題を落としてしまうリスクがある。

だから私は、昨年、一昨年と

「合格したければ予想模試を解きなさい」

と訴えてきたのだ。

このLECの『直前予想模試』を本試験前に4回分解くことで、法改正対策にもなるし、統計対策にもなる。

1+1が、3にも4にもなるのである。

一部の受験生の間で

「本試験とは若干傾向が異なる」

という指摘もあるが、それでは本試験問題と難易度だけではなく、傾向まで似せた模試が一体どこにあるのだろうか?

私的にはLECの市販模試がNo.1であることに揺るぎないが、相性はあると思うので、TACや日建の市販模試で代用しても構わない。

ただし、TACの2021年版に関しては「難しすぎる」という意見があることは付け加えておきたい。

毎年、1点差で不合格になる受験生が何千人もいるのが宅建試験である。

今年、本気で合格を目指している受験生は、これら3点の『直前予想模試』の中から少なくとも1冊は購入してほしい。

そして本試験前までに、きちんと時間を計って解き、間違えた問題は解説を読んで理解し、確実に合格を掴みとってもらいたい。

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宅建士 2択でチェック!

──予期していなかった出来事

6月8日(火)に、宅建みやざき塾の宮嵜先生から、レターパックが我が家に届けられた。

これまでも郵送で何点かご恵贈していただいたが、すべて事前連絡があった後だったので、今回の突然の出来事には少し驚いた。

送られてきたものは、宮嵜先生の新刊本のほか、宅建みやざき塾で使用する合格テキストや基本を学ぶQ&Aなど複数である。

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宮嵜先生にお礼の気持ちを伝えると、「宅建受験生のみなさまへのアドバイスにお役立ていただけましたら幸いです」という丁寧な返信までしていただいた。

今回それらの中から、宮嵜先生の新刊本、宅建みやざき塾の『宅建士 2択でチェック!』(中央経済社)を取り上げてみたいと思う。

──2択でチェック!の概要①

宅建受験生の間では、すでにTwitterなどで話題になっている本ではあるが、発売日より少し前に届けていただいたことになる。

最初のページを開くと、宮嵜先生の直筆サインが黒の油性ペンで記されていた。

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宮嵜先生の宅建受験生に対する思いがストレートに伝わってくるサインだった。

さらにページを開いてみる。

本書の使い方として、「10時間(1テーマ10分前後×60テーマ)で大逆転!」いうタイトルと共に、こんな人におすすめとして3つの例が挙げられていた。

2021年は絶対合格したいリベンジ受験生
過去問を解いているのに模試の点数が悪い
最近の高水準を受け、高得点で合格したい

なるほど納得のできるものばかりだ。また受験生の学力レベルに合わせて、

昨年の本試験や模試で20点~30点の方
昨年の本試験や模試で30点~合格ボーダーラインの方

の2つのグループに分け、それぞれの勉強の進め方が大まかに述べられている。

本書は60テーマ(章)で成り立っているが、各テーマに2択問題が1つというわけではなく、複数問の場合もある(合計で100問ほど)。

分野ごとのテーマ数は次のとおり。

権利関係 20テーマ
法令上の制限 10テーマ
税・価格評定 8テーマ
宅建業法 17テーマ
5問免除 5テーマ

ここまでが序章、ここから先が本題となる。

──2択でチェック!の概要②

初めに目についたのは、各テーマごとに、それに対応する宮嵜先生のYouTube解説動画のQRコードが貼り付けてあることだ。

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部分的にではなく、すべての章で、それに関連する宮嵜先生のYouTube動画が見られるのである。このアイディアは素晴らしいし、ある意味画期的なことではないだろうか?

また印の数で、その章の重要度が分かるようになっている。★★★★☆なら、重要度が4ということ。宅建受験生なら、最低でも重要度3以上はマスターしてほしいところである。

私自身、この本の2択問題をいくつか解いてみたが、正直、簡単ではなかった。

受験生が「最後の2択」で迷ったとき、そこから正解を導き出すためのトレーニングとしての教材なのだから、簡単なはずがない。

私にはむしろ、4択問題より難しく感じた。

例えば、次の民法の意思表示の2択問題を解いてみてほしい。

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どうだろうか。通常の4択問題より難しく感じたのではないだろうか?

ただ漠然とテキストを読み、過去問を解いているだけの受験生には難しかったはずだ。

この問いの答は「1」だが、しっかりと条文レベルで内容を抑えておかないと、4択の合格者正解率が80%(LEC基準)のこの問題でも、足をすくわれてしまうという一例である。

なお、各2択問題のすぐ下に、「ココが分かれ目!」と称して、問題を解く上での着眼点が簡単にまとめられている。

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この着眼点に気付けるかどうかが勝負の分かれ目で、その洞察力を高め、鍛えることを目的とした教材ともいえる。

また本書には、すべての2択問題に詳しい解説が付けられている点も特筆すべきだろう。

──2択でチェック!の概要③

各テーマの解説が詳しいことも利点だが、イラストや図、表などが、より頭の中をクリアにする役割を果たしてくれる。

例えばこんなふうに、、

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農地法の3条、4条、5条の流れを図にしたものだが、この図があるだけで理解がはかどり、視覚の面からも記憶に残りやすい。

もう一つ挙げておく。

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保証協会の「還付の流れ」を図で表したものである。この還付の流れは、こうやって図にしないとなかなか頭に残らない。

宮嵜先生の『宅建士 2択でチェック!』には、このようなイラストや図が随所に差し込まれていて、記憶の助けになっている。

宅建みやざき塾の合格テキスト3冊にも、このようなイラストや図、表がふんだんに使用されているが、本書もそれに倣っている。

つまり、みやざき塾の合格テキストのいいとこ取りがされているというわけだ。

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こういった3つの媒介契約のまとめの表なども、イラストや図と並んで、記憶の手助けになっている。こういう表も本書には多い。

ただ単に、解説が詳しいだけの教材は多いが、イラストや図、表などをふんだんに取り入れた教材の方が圧倒的に記憶に残る。

それだけではない。イラストや図、表を差し込むことで、活字を減らすこともできる。活字が減れば、勉強時間だって短縮できるのだ。一石二鳥、いや一石三鳥である。

──総括とまとめ

本書を使用する時期は、ある程度、過去問学習が終わった後がベストかも知れない。

とはいえ初学者の方が、本格的に4択過去問に入る前に、2択で慣らしておくのも一つの方法ではないだろうか?

メイン教材としてではなく、合格ラインの一歩手前まではいくのだが、その先の壁がなかなか越えられない受験生のための「サブ教材」といった位置付けの本だと思う。

毎年、1点や2点に泣く受験生が多いのが宅建試験である。

もがき苦しんでも越えられなかった壁。その壁を越えるためのツール。そういうコンセプトで作られた教材なのだろう。

壁を乗り越えるための着眼点なり情報が、この教材には散りばめられている。もちろん、合格点はクリアできるが、さらに上を目指したい受験生にも本書は有効だ。

宅建受験生を合格に導くため、長年にわたって尽力されてきた宮嵜先生の渾身の一冊

本書をマスターすれば、最低でも今より2~3点、うまくいけば5点以上の点数の上乗せが期待できる。これを使わない手はない。

すべての宅建受験生、とりわけ30~35点あたりから抜け出せずにいる初学者あるいはリベンジ組にお薦めしたい良書である。

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初学者を悩ます2つのギャップ®

──第一のギャップ

勉強法の流れはざっと次のようなもの。

①テキスト⇄②一問一答(過去問)→③分野別過去問→④模試→⑤本試験

中でも重要なものは②と③である。

初学者ならば、当然のことながら、まず①のテキストから入った方がよい。そして小分けした項目ごとに①と②を行き来する。

しかし多くの受験生は、ここでつまずく。テキストを読んでも、一問一答(過去問)が解けないことがあるのだ。

単にテキストに、過去問の論点が載っているか載っていないかだけの問題ではない。

テキストというのは、初学者でも理解できるように、内容をかみ砕いて説明しているものが多い。ところが過去問はそうではない。

Twitterなどで、

「テキストを読んでも過去問が解けない」

という声をよく目にするが、そういうこと。テキストと過去問の間にはギャップがある。

言い回しの違いというか、テキストは初学者でも読みやすくするために手を加えることが可能だが、過去問はそうはいかない。

私はこれを、かつて『らくらく宅建塾』(宅建学院)を読んだ後に実感した。

このテキストは文章が砕けていて取っ付きやすい反面、姉妹品の『過去問宅建塾』を解こうとすると大抵の人は面食らう。

過去問が恐ろしく難しく感じるのだ。

これが初学者の方々が出くわす最初の試練、最初のギャップ(第一のギャップ)である。

解決策としては、これはもう過去問の言い回しに慣れるしかないと思う。

──第二のギャップ

最初のギャップを何とか乗り越え、過去問学習が軌道に乗ってきた頃に、受験生の多くは模試を受けるようになる。

模試には、資格スクールで受ける本格的なものから、書店で購入できる市販模試までいろいろあるが、予備校主催の「オープン模試」を一度は受けておくことをお勧めする。

オープン模試とは、資格スクールの塾生でなくても受けられる模試のこと。誰でも受けられる模試だからオープン模試というのだ。

7月中旬にLEC主催の「ゼロ円模試」が行われるので、多くの受験生にお勧めしたい。

過去問を何度も繰り返し、正解率が8割に乗ってきたとしよう。年度別でいえば40点だ。

通常、宅建試験は7割を超える得点があれば合格できる。昨年は10月試験が38点、12月試験が36点だった。でもこれは高い方だ。

直近10年の合格点の平均は、34.6点である。

過去問で40点に届いていれば、どの年の合格ラインよりも高く、合格は間違いない、、

そう思うだろうか?

試験には「焼き直し率」というものがある。特に宅建試験はこの焼き直し率が高く、過去問学習を避けて通れない理由でもある。

焼き直し率について考察する®️
https://paparing-takkenshi.com/entry/2020/02/15/115205

ここ数年、宅建の焼き直し率は8割に届くこともあったが、平均すると7割ほどだ。

オープン模試はもとより、市販模試の多くはそのへんも考えて作られている。焼き直し問題が7割、初出の問題3割という具合に、、

焼き直し問題は、過去問をマスターしていれば普通に解けるもの。初出の問題は、ほとんどの受験生が目にしたことのない論点なので、正解率も50%に満たないことが多い。

先述したように、過去問の正解率が8割だったとしよう。その人がそのまま模試を受けた場合、40点に届くことはまずない。

焼き直し率7割の計算式はこうだ。

50×0.8×0.7+α=28+α

初出の問題が3/15正解なら、

28+3=31点

初出の問題で6/15正解したとしても、

28+6=34点

にしかならない。

つまり過去問40点の人が模試を受けると、

28+α=31~34点

しか得点できない計算だ。これこそが第二のギャップ、すなわち「模試の洗礼」である。

計算上は、過去問の点数より6~9点のマイナスだが、人によっては10点以上のマイナスになることも十分にありうる。

また仮に過去問が48点だった場合、

50×0.96×0.7+α=33.6+α

となり、

33.6+α=36.6~39.6点

と昨年の合格ライン付近に到達できる。

あとは学習の精度を高め、周辺知識を押さえれば40点オーバーが現実味を帯びてくる。

周辺知識について
https://paparing-takkenshi.com/entry/2021/04/16/190857

実際、40点を超えて合格する受験生は、このレベルにまで到達しているもの。

宅建試験の合格率が、15~17%程度しかないという現実を直視してほしい。

合格する人は、生半可な勉強で終わることはない。過去問のマスターは当然として、その上で自分に何が足りないのかを見極め、周辺知識もしっかり押さえてくる。

そういう志の高い受験生が、宅建試験の合格圏内にひしめいているのだ。

「過去問を95%以上正解するなんてムリ」

「合格点ギリギリを狙えばよい」

そういうメンタルの持ち主だと、宅建合格は厳しいと言わざるをえない。

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どこでも宅建士 とらの巻(2021)

──その最大のメリットは?

5月24日(月)に、LECの『どこでも宅建士 とらの巻』の最新版が発売された。

メジャーなテキストとしては、2021年4月1日に施行されている法律に完全対応した唯一の参考書ではないだろうか?

同じLECには、3分冊の『合格テキスト』もあるが、こちらは最新の法改正には未対応で、しかも3冊合わせて1,200ページを超える。

通読用というより、『パーフェクト宅建士 基本書』(住宅新報出版)と同じで、どちらかというと調べるためのテキストといった感じ。

その点『とらの巻』は、『合格テキスト』の半分にも満たない500ページほどしかなく、通読用としても調べ用としても使える。

それでいて合格に必要な情報量にも不足することなく、40点以上を狙える教材だ。

また『とらの巻』は、同じLECの『ウォーク問』全3冊とリンクしていて、ウォーク問の問題番号と肢番号も記載されている(下段)。

これは相互を照らし合わせて勉強するのに大変便利だし、時間の節約にもなる。

それゆえ『とらの巻』を購入するのなら、同時に『ウォーク問』❶~❸も購入した方が良いし、その方が効率的なのは間違いない。

私はこの4冊はセットと捉えている。

──2021年度の法改正

昨年は民法大改正の影響で、権利関係のみならず、宅建業法にも法改正が反映された。

もちろん今年度もその影響から逃れることはできないが、それとは別に、2021年度から施行されている新たな法改正にも目を向けなければならない。

都市計画の決定手続きの一部や所得税の住宅ローン控除、贈与税、登録免許税にも法改正があったが、次に掲げる重要事項説明の2つの法改正については必ず押さえてほしい。

【IT重説】

一定の条件のもと、宅地や建物の賃貸借に限ってテレビ会議などのITを活用する「IT重説」が行われてきたが、2021年3月30日より売買・交換でもそれが可能となった。

ただし相手方に対し、あらかじめ取引士が記名押印した重要事項説明書(+添付書類)を送付しておかなければならない。

【水害ハザードマップ】

市町村の長が提供する「水害ハザードマップ」に対象となる宅地・建物の位置が表示されているときは、当該宅地・建物の所在地を重要事項として説明しなければならない。

売買・交換だけではなく、宅地や建物の貸借でも重要事項説明は必要とされる。

──その他の特徴は?

息子の健斗が合格した年の翌年(2015年)から、とらの巻には「とらの子」と称した30ページほどの小冊子が付属するようになった。

これがなにげに役に立つのだ。

簡易なまとめ本だが、薄いので本試験当日に会場へ持っていくのに便利である。

重要語句が淡い赤文字になっていて、赤シートで隠して覚えられる仕様だ(赤シートは付属していない)。

内容的には基本的なものばかりで、最終チェックとしても利用できるだろう。

価格も、他のメジャーな教材が3,000円前後するのに対し、この『とらの巻』は税込み2,420円と良心的である。この点も評価したい。

過去問に分野別の『ウォーク問』を選択した人には必須テキストだし、法改正が万全なので、他のテキストをお持ちの方も「サブテキスト」として手元にあると重宝する。

試験に出ない部分を大胆にカットするなど、内容を凝縮しているため初学者向けではないが、図や表が多くて文章も読みやすい。

箇条書きされた“とらの巻”(全部で232箇所ある)を、知識の抜け防止としてチェックするだけでも相当に力になるはずだ。

終盤の追い込み期は、『とらの巻』と『ウォーク問』の計4冊に絞って、勉強を加速させていくのがベストな方法だろう。

宅建の市販テキストは数多くあるが、4月までの法改正に完全対応したメジャーなテキストを求めるのなら『とらの巻』一択である。



時短合格術50から学ぶ

──はじめに

先日、LECの福島先生から、『司法書士試験 社会人の時短合格術50』(中央経済社)をご恵贈いただいた。

ご著書は“レターパック”で私の自宅に届けられ、その日のうちに拝読させてもらった。

今回、福島先生へのお礼の意味も込めて、ブログ記事にさせてもらった次第である。

先生のご著書は全8章で成り立っており、そのうちの第7章は、司法書士試験の「科目別の正しい対策法」に関するもの。第8章は「未来像がモチベーションを高める」と題して、司法書士の実務などについて触れられている。

この2つの章に関しては、司法書士受験生にとっては非常に有益だと思う。他の資格試験の受験生の方々には、その2つの章を除いた1~6章までに役立ちそうなものが多くお勧めだ。

ここではその1~6章の中から、宅建受験生に役立ちそうなものをピックアップしてみる。

──第1章、第2章より

最初に目を引いたのは、第1章の02「短期合格に犠牲はつきもの」というフレーズだ。

私の場合、職場の友人との付き合いを犠牲にしたといえるが、福島先生は、合格するためにお酒、スマホ、ゲーム、テレビなどを断つことの必要性を説いておられた。

その後の人生がかかっていると考えれば、ある程度の犠牲は仕方ないのだろう。

04の「どんな教材も3回以上やる」というのも一理ある。どんなテキストあるいは過去問でも、1周では絶対にモノにできないからだ。

私の場合は、テキストは2周して、その後は過去問を解きながら、どうしても分からないときに辞書的に活用する方法を勧めてきた。

06の「1番つらいのがインプット期」というのも共感できる。中・高の定期テストと違って、ここからここまでが範囲といった限定的なものではなく、1冊(場合によっては3冊)すべてが範囲なのだ。内容的にも難しい。

最初のインプット期が特にキツい。キツいが、乗り切らなければ合格はない。

07の「とにかく先に進もう」も、まったくその通りである。多少分からないところがあったとしても、その度に立ち止まっていたのでは、いつまで経っても最後まで進めない。

最初からすべてを理解しようなんて虫のいいことを考えてはいけない。余程の天才でもない限り、そんなことはまず不可能だ。

いくらか疑問点が残っていたとしても、案外2周目以降で理解できるようになるもの。最後のページまで辿り着かなければ、その2周目以降がどんどん先延ばしになってしまう。

09、10では、宅建士からのステップアップとしての、行政書士や司法書士について述べられている。ここまでが第1章である。

そして第2章では、私の意見と被るところとそうでないところがあって、対比しながら楽しく読ませていただいた。

第2章のタイトルは、「短期合格者だけが知っている真実」となっている。

その11「テキストだけでは合格できない」は、まさに私の言わんとすることと同じだ。

テキスト至上主義の弊害®️
https://paparing-takkenshi.com/entry/2020/01/19/000450

テキストの内容が頭に入っているはずなのに過去問が解けない。そりゃそうだろう。テキストより過去問の方が、文章としての言い回しがずっと難しいからだ。

問題慣れしておかないと、本試験では思ったように得点できない。過去問演習とは、そういった文章を、難度の高い言い回しを読んで理解するための訓練の場でもある。

この過程をスルーしていては合格を勝ち取ることはできない。これは本当だ。

もちろんテキストの通読は必要だが、テキストは早い段階で見切りをつけ、あとは過去問(最初は一問一答)を解いていく過程で、分からないところを調べるために用いる。

辞書のような使い方をするわけだ。

また福島先生は、テキストと問題集の割合は3対7くらいだという。私も2対8ないし3対7としているから、大体同じくらいである。

そして14の「勉強時間は量より質」は、タイトルを見る限り、私が過去にブログの中で述べてきたものとは真逆である。

量より質か、質より量か?®️
https://paparing-takkenshi.com/entry/2020/01/17/000619

私はどちらも大切だと思うし、最終的には量をこなした方が合格に近づけるという考えだが、短期合格という点にスポットライトを当てると質がより大切になるのは否めない。

第2章の最後は、16の「情報を一元化する」である。福島先生は、テキストに書き込みをして情報を集約することをお勧めしている。

私の場合は、過去問の解説部分の余白に書き込みをして情報の一元化を図っていた。

──第3章~第6章まで

まずは第3章の「択一の正しい対策法」から、18の「過去問をリズミカルに解く」について。

問題文のひっかけ部分に下線を引くことや、解説部分の重要フレーズに意味などを追加することの重要性について述べられている。

そして立ち止まらずに、テンポよくリズミカルに問題を解くことを推奨している。

過去問をできるだけたくさん解き、ひっかけポイントを知ること、出題者の気持ちを理解できるようになることが大切であるという。

また第4章の24では、「模試でアドリブ力を養う」のタイトル通り、模試を受けることの意味が述べられている。時間配分の大切さ、初見の問題への対応力なども記載されている。

第5章は、「スランプを乗り越える」と題して、やる気が出ない時にどうするか、などのメンタル面に焦点を当てたものだ。

これについては、私も過去にブログ記事を残してあるので見比べてみてほしい。

やる気のない日の対処法®️
https://paparing-takkenshi.com/entry/2020/03/05/200354

さらに福島先生は、テキストがなくてもできるシャドートレーニングや、座ると眠くなる人のために「立ち勉」なるものを紹介している。

眠くて我慢できない時は、5分だけ寝ることやアイマスクの効用についても述べている。

ちなみに、ご著書と一緒にレターパックの中に花王のアイマスクも同封されており、福島先生の心遣いを感じることができた。

第6章は、「試験でベストを尽くすには」と題して、本試験前日のスケジュール表や当日の持ち物・心構えなどが綴られている。

32は、「前日は合否を分けない」のタイトル通り、前日の勉強は合否に影響を与えず、合否を分けるのは日常の勉強であるという。

ごもっともな意見だ。

前日は緊張して眠れないのが普通で、たとえ眠れなくても、目をつぶって寝転がっているだけでも案外休めている点も指摘している。

そして本試験当日は、公共交通機関に予期せぬダイヤの乱れがあることも想定し、早めに会場入りすることを促している。

ここまでが1~6章の概要といったところだ。

基本的には司法書士受験生をターゲットにした勉強本であるが、1~6章に限り、他資格の受験生にも役立つ本だと思う。

宅建受験生にもお勧めしたい良書である。

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3資格でみる法定地上権

──法定地上権とは何か?

以前に「抵当権のまとめ」の中で法定地上権について少し触れたが、今回はそれをもう少し掘り下げてみたいと思う。

そもそも法定地上権は、抵当権が実行され、競売により土地と建物の所有者が別々になった場合、建物が取り壊される社会経済上の不利益をなくすための法律である。

そうならないように、建物に「地上権」が当然に発生するように規定したのだ。

法定地上権については、民法に次のような条文がある。

第388条 土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす。この場合において、地代は、当事者の請求により、裁判所が定める。

なお、法定地上権が成立するためには、次の4つの要件すべてを満たさなければならない。

❶ 抵当権設定当時、土地の上に建物が存在すること
❷ 抵当権設定当時、土地と建物の所有者が同一人であること
❸ 土地・建物の一方または双方に抵当権が設定されること
❹ 抵当権が実行され、土地と建物の所有者が別々になること

これら4つの要件のうち、1つでも欠けていたら法定地上権は成立しない。

判例に紐付けて解かせる問題が多いが、この4つの要件を知っているだけで解ける問題も少なくない。必ず覚えておくように。

宅建試験、行政書士試験、司法書士試験の3つの法律系国家資格の過去問を用意しておいた。力試しに解いてみてほしい。


──宅建試験の法定地上権

【問題】~2018年〔問6〕やや難

Aが所有する甲土地上にBが乙建物を建築して所有権を登記していたところ、AがBから乙建物を買い取り、その後、Aが甲土地にCのために抵当権を設定し登記した。この場合の法定地上権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 Aが乙建物の登記をA名義に移転する前に甲土地に抵当権を設定登記していた場合、甲土地の抵当権が実行されたとしても、乙建物のために法定地上権は成立しない。

2 Aが乙建物を取り壊して更地にしてから甲土地に抵当権を設定登記し、その後にAが甲土地上に丙建物を建築していた場合、甲土地の抵当権が実行されたとしても、丙建物のために法定地上権は成立しない。

3 Aが甲土地に抵当権を設定登記するのと同時に乙建物にもCのために共同抵当権を設定登記した後、乙建物を取り壊して丙建物を建築し、丙建物にCのために抵当権を設定しないまま甲土地の抵当権が実行された場合、丙建物のために法定地上権は成立しない。

4 Aが甲土地に抵当権を設定登記した後、乙建物をDに譲渡した場合、甲土地の抵当権が実行されると、乙建物のために法定地上権が成立する。

【答】1

1 誤り A所有の甲土地に抵当権を設定した時、甲土地上にある乙建物はAの所有なので法定地上権は成立する。登記がA名義かどうかは関係ない。
2 正しい
3 正しい
4 正しい


──行政書士試験の法定地上権

【問題】~2011年〔問30〕難

法定地上権に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

1 Aは、自己所有の土地(更地)に抵当権を設定した後に、その土地上に建物を建築したが、抵当権の被担保債権について弁済をすることができなかった。この場合において、抵当権者が抵当権を実行して土地を競売すると、この建物のために法定地上権は成立せず建物は収去されなければならなくなることから、抵当権者は、土地とその上の建物を一括して競売しなければならない。

2 AがBから土地を借りてその土地上に建物を所有している場合において、Bは、その土地上に甲抵当権を設定したが、Aから建物を取得した後に、さらにその土地に乙抵当権を設定した。その後、Bは、甲抵当権の被担保債権について弁済したので甲抵当権は消滅したが、乙抵当権の被担保債権については弁済できなかったので、乙抵当権が実行され、その土地は買受人Cが取得した。この場合、この建物のために法定地上権は成立しない。

3 AがBから土地を借りてその土地上に建物を所有している場合において、Aは、その建物上に甲抵当権を設定したが、Bから土地を取得した後に、さらにその建物に乙抵当権を設定した。その後、Aは、甲抵当権の被担保債権について弁済できなかったので、甲抵当権が実行され、その建物は買受人Cが取得した。この場合、この建物のために法定地上権は成立しない。

4 Aが自己所有の土地と建物に共同抵当権を設定した後、建物が滅失したため、新たに建物を再築した場合において、Aが抵当権の被担保債権について弁済することができなかったので、土地についての抵当権が実行され、その土地は買受人Bが取得した。この場合、再築の時点での土地の抵当権が再築建物について土地の抵当権と同順位の共同抵当権の設定を受けたなどの特段の事由のない限り、再築建物のために法定地上権は成立しない。

5 AとBが建物を共同で所有し、Aがその建物の敷地を単独で所有している場合において、Aがその土地上に抵当権を設定したが、抵当権の被担保債権について弁済できなかったので、その抵当権が実行され、その土地は買受人Cが取得した。この場合、この建物のために法定地上権は成立しない。

【答】4

1 妥当でない 抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができ(389条1項)、土地と建物を一括して競売しなければならないわけではない(一括競売は義務ではなく任意)。
2 妥当でない 1番抵当権が消滅した後、2番抵当権が実行されて土地と建物の所有者が別々になった場合、2番抵当権設定時に土地と建物が同一人に属しているなど要件を満たしていれば法定地上権は成立する(土地に抵当権が設定されたケース)。
3 妥当でない 土地と建物が、1番抵当権設定時に同一人に属していなくても、2番抵当権設定時に同一人に属していれば、抵当権の実行により法定地上権が成立する(建物に抵当権が設定されたケース)。
4 妥当
5 妥当でない 土地が共有であれば法定地上権は成立しないが、建物が共有の場合、抵当権が実行されると法定地上権が成立する。


──司法書士試験の法定地上権

【問題】~2017年〔問13〕やや難

法定地上権に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

ア 土地に抵当権が設定された当時、その土地の上に抵当権設定者の所有する建物が既に存在していた場合において、その建物について所有権の保存の登記がされていなかったときは、法定地上権は成立しない。

イ 同一の所有者に属する土地及びその土地の上に存在する建物が同時に抵当権の目的となった場合において、一般債権者の申立てによる強制競売がされた結果、土地と建物の所有者を異にするに至ったときは、法定地上権は成立しない。

ウ 法定地上権の地代は、当事者の請求により裁判所が定めなければならないものではなく、当事者間の合意で定めることもできる。

エ 建物の競売によって建物の所有権及び法定地上権を取得した者は、その建物の登記を備えていれば、その後にその土地を譲り受けた者に対し、法定地上権の取得を対抗することができる。

オ 法定地上権の成立後にその土地上の建物が滅失した場合には、その建物の滅失と同時に法定地上権も消滅する。

1 アイ 2 アオ 3 イウ 4 ウエ 5 エオ

【答】4

ア 誤り 抵当権設定当時、その土地上に抵当権設定者の建物は存在していたが、建物の所有権の保存登記がなされていなかった場合でも、法定地上権の成立は認められる。
イ 誤り 土地と建物の双方に抵当権が設定され、実行された結果、それぞれが別々に買い受けられた場合でも法定地上権は成立する。
ウ 正しい
エ 正しい
オ 誤り 土地の上に抵当権が設定された当時に建物が存在すれば、その建物が取り壊され再築された場合でも、再築された建物のために法定地上権が成立する。

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